タンパク質の動物性と植物性。利用性の違いと有害物質のアンモニア問題

キャットフード 植物性タンパク質 動物性タンパク質
鈴木さん
タンパク質には動物性と植物性がありますが、猫には動物性タンパク質じゃないとだめなんですか?
猫田

猫にとって小動物の肉を食べてきた動物なので、自然な食事は動物性タンパク質ですね。

ですが猫は植物性タンパク質も同じくらい利用できることが分かっています!

動物性タンパク質と植物性タンパク質

猫におけるタンパク質の重要性

猫は肝臓にタンパク質をエネルギー源として分解する酵素を持っているため、タンパク質の必要量は人のおよそ5~6倍です。

そのためキャットフードでは肉や魚をメインとした商品が多く、タンパク質が豊富なキャットフードの方が評価は高い傾向にあります。

植物性タンパク質の存在

しかしタンパク質は、野菜、穀物、豆類など植物にも含まれています。食材によっては同じ量でも肉や魚より多くのタンパク質を含んでいる植物もあります。

ですがキャットフードでは植物性タンパク質についてはあまり触れられませんし、植物のタンパク質をおすメーカーもほとんどありません。これはなぜなのでしょうか。

タンパク質は動物性・植物性どちらでも消化吸収率は変わらない

動物性タンパク質の方が自然

猫は動物性タンパク質の方が効率よく消化吸収される、植物性タンパク質よりも利用性が高いと言われています。

かねてより小動物を食べてきた猫にとって、肉や魚に含まれる動物性タンパク質の方が”自然”であることは間違いありません。

消化吸収に差はほとんどない

ただ現在は質の高い植物性タンパク質であれば、猫も植物性タンパク質も動物性タンパク質とさほど変わり無く消化吸収できることが分かっています。

そのためタンパク質の吸収や利用性においては、動物性でも植物性でも大きな問題はないと言われています。

植物性タンパク質の問題点とは

有害物質アンモニアができてしまう

しかし植物性タンパク質がメインのキャットフードの問題点は、植物性タンパク質が体内で有害物質アンモニアを作り出してしまうことです。

アンモニアには毒性があり、体内でアンモニアの濃度が高くなると意識障害を引き起こしたり神経系にも影響を与えます。

上記のようにアンモニアは体にとって有害なため肝臓で解毒してから腎臓に送られて排泄されます。

しかしこの解毒や排泄の過程で肝臓や腎臓に負担がかかってしまうため、メインのタンパク質は植物性ではなく動物性が望ましいとされています。

キャットフードのたんぱく質について。動物性と植物性の違いや必須アミノ酸を紹介

動物性タンパク質と植物性タンパク質まとめ

  • 動物性と植物性で、消化吸収率にほとんど差はない
  • 植物性タンパク質はアンモニアを作り出す
  • アンモニアの解毒や排泄の過程で肝臓や腎臓に負担がかかる
猫田
動物性タンパク質と植物性タンパク質の利用性や消化吸収における違いについてなど復習しましょう。
鈴木さん
植物性タンパク質は猫の体内でアンモニアを作り出してしまうんですね…。有害物質を解毒して排泄するとなると、猫の体にとっては負担が大きそうですし、動物性タンパク質をメインにした方がいいことがわかりました。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。