猫が1日に摂るべき水の量は?
1日の水分の必要量は「体重1kgあたり55ml」
1日の水分の必要量は「体重1kgあたり55ml」という目安の値で示すものとなります。
猫の年齢や体型、体重、生活環境、運動量、病気などさまざまな要因によって変わるので、目安よりも多く・少なくするようにしましょう。
年齢 | 子猫 > 成猫 > シニア猫 |
運動量 | 活発 > 控えめ |
毛種 | 長毛種 > 短毛種 |
食事 | ドライフード > ウェットフード |
飲んだ水の量を確かめる方法
猫がきちんと水を飲んでいるのか、どのくらいの量を飲んでいるのかを確かめるには、猫に与える前に水の量を測り、24時間後に残量を測ると良いでしょう。また、目盛り付きの水飲みボウルもおすすめです。
基本的に、猫に与える水は水道水で大丈夫です。日本の水道水はミネラルの少ない軟水なので、安心して与えることができます。硬水はミネラルが多く含まれているため、過剰摂取すると尿路結石になる恐れがあります。ミネラルウォーターを与えるときは、軟水と表記されたものを選びましょう。
水を飲まないのはなぜ?
猫はもともと砂漠で暮らしていた動物です。いつでも自由に水が飲める環境ではなかったので、少しの水を節約して生きていけることができる体質を持っています。野生の猫にとって主な水分の補給源は”野生の獲物”です。猫は腎臓が発達し、食べ物から水分を摂取すれば必要量をまかなうことができるため多くを必要としません。
水を飲まないとどうなる?
体内の水分が不足すると脱水状態になり、尿が濃くなって膀胱炎や尿路結石、腎不全になる恐れがあります。夏の暑い時期には、熱中症のリスクも高まります。
猫の病気の70%は、水分をきちんと取らないことによる脱水からの併発といわれています。水分は体内の栄養を全身に運搬する働きによって消化・吸収をサポートするため、猫の健康に欠かせないものです。
猫が水を飲まないからといって「喉が渇いてないのだろう」と放置してはいけません。水を飲んでもらう環境を作ることが大切です。
飲まないときの対処法7つ
猫に水を飲んでもらう対処法を7つご紹介します。
①こまめに新鮮な水に取り替える
水はこまめに取り替え、いつでも新鮮な水が自由の飲める環境を作ってあげましょう。とくに夏の暑い時期は水の腐敗のスピードが早く、水飲みボウルも汚れているため十分な注意が必要です。
②猫の好みの水を与える
猫には好みの水があります。下記のことを試してみて、猫の好きな水を見つけましょう。
- 常温やぬるま湯
- 水道水ではなく、ミネラルウォーター(軟水)
- 木炭や竹炭によってカルキ臭を消したもの
- 水を沸騰させてお湯にし、冷ましたもの
- カツオ出汁など(5~6倍に薄める)
- ペット用の栄養飲料(5~6倍に薄める)
③水飲みボウルを変える
猫は匂いに敏感な動物です。水飲みボウルの匂いや素材によっては、一度嫌な思いをするとその水飲みボウルでは飲まなくなることがあります。とくにゴム製のものは匂い強いものが多いので、陶器やガラス、金属、ステンレスのものにしましょう。
また、猫はヒゲが水に濡れたり、水飲みボウルに触れることを嫌がります。水飲みボウルはふちが広く、底が浅いものを選びましょう。
④水を飲む環境を良くする
水飲みボウルが高い位置にあったり、トイレに近かったりするなどの環境では、水を飲まない傾向にあります。
基本的に、ご飯のボウルと水飲みボウルは並べて置きましょう。ご飯の合間に水を飲める環境が望ましいです。
⑤スポイトを活用する
水を含ませたスポイトを猫の口元に直接運ぶ方法です。膝の上に乗せたり撫でたりしながら行うことで、コミュニケーションの一環にもなります。
⑥氷を与える
氷を舐めさせることで水分補給ができます。しかし与えすぎると体温低下や下痢を引き起こす恐れがあるので、少量にしましょう。
⑦自動給水機などの流水
猫は動くものに敏感で興味を示すため、自動給水機のように常に水が流れているものを用意しましょう。自動給水機がない場合は、水に少量の氷を浮かべるだけでも興味を誘うことができます。
水を与えるときの注意点
ウェットフードのみはNG
ウェットフードは水をあまり飲まない猫に水分を摂ってもらうという目的であれば効果的ですが、すべての食事をウェットフードのみにすることはおすすめできません。ウェットフードは約80%が水分であり、また手作り食を取り入れている場合は、きちんと測らないと1日の水分の必要量を大幅に超えてしまうかもしれません。水分の過剰摂取となって下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こすことがあります。
またウェットフードは総合栄養食ではないので、栄養が偏り、病気の原因となる恐れがあります。
塩分を含むものはNG
人間用のスープを猫に与えるのはおすすめできません。猫にとっては塩分過多となり、体調不良の原因となります。手作り食を取り入れる場合は、塩や砂糖などの調味料は入れてはいけません。
またカツオ出汁やペット用の栄養飲料を与える場合は、5~6倍に薄めるようにしましょう。
こんな症状はすぐに動物病院へ!
下記のような症状がみられたら、水を飲まないことによる脱水状態を起こしている可能性があります。すぐに動物病院に連れていきましょう。
- 排尿量が少なく、尿が濃い
- 毛ツヤが悪く、乾燥している
- 元気や食欲がない
- 下痢や嘔吐をしている
まとめ
- 1日の水分の必要量は猫によって異なるが、目安は体重1kgあたり55ml
- 毎日の水分摂取量や水を飲む頻度、水への興味を観察することが大切
- 基本的に水道水でOK、ミネラルウォーターは軟水のものを選ぶ
- 脱水は病気を引き起こす恐れがあるため、水を飲んでもらう対処法を試してみましょう