目次
ネブライザー療法とは
人では耳鼻咽喉科や小児科で使用されるネブライザー療法。副鼻腔炎や花粉症などによる、激しい咳や鼻水、鼻づまりなどの症状がある際に行われる吸入治療です。

動物病院で行われるだけでなく、必要な器具を準備すれば、自宅でネブライザー療法を行うことも可能です。

猫へのネブライザー療法の行い方
ネブライザー療法は、ネブライザーで生理食塩水や獣医師から処方された薬液を細かい霧状(エアロゾル)にし、その霧を猫に吸入させる治療法です。
動物病院では専用の吸入室や酸素室を利用して行われることが多く、自宅ではキャリーケースやケージにネブライザーのチューブを通して霧を充満させる方法があります。
ネブライザー療法が行われる猫の病気
猫でネブライザー療法が用いられることが多い病気は、猫風邪や喘息、慢性鼻炎が一般的です。
鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を和らげ、気道を潤す目的で行われます。
ネブライザー療法のメリット・デメリット
ネブライザー療法は正しく行えば、鼻づまりや気道内の分泌物の排出を助け、呼吸を楽にする効果が期待できます。
ただし、病気を根本的に治す治療ではないため、内服薬や注射など獣医師による治療と併用することが大切です。
ネブライザー療法のメリット
①気道を加湿できる
鼻や気管の粘膜が潤い、乾燥による刺激を和らげます。
②鼻水や痰を排出しやすくなる
粘り気のある分泌物が柔らかくなり、鼻づまりや痰の排出を促します。
③薬剤を患部へ直接届けられる
抗菌薬や去痰薬などを霧状にして吸入することで、気道へ効率よく届けられます。
④全身への負担が比較的少ない
薬剤を局所に届けるため、内服薬や注射に比べて全身への影響を抑えられる場合があります。
⑤自宅でも継続しやすい
獣医師の指導を受け、器具を揃えれば自宅で継続的なケアが行えます。
ネブライザー療法のデメリット
一方で、ネブライザー療法には注意すべき点もあります。
①猫が嫌がることがある
ネブライザーの作動音や霧、専用のケージに入ることを嫌がり、ストレスを感じる猫も少なくありません。
治療中は約15~30分、拘束する必要があるため神経質な猫には大きな恐怖やストレスがかかる恐れがあります。
②病気を根本的に治す治療ではない
症状を和らげる補助療法のため、原因となる病気に対する治療と一緒に行う必要があります。
ネブライザーは、症状の緩和や生活の質を維持する目的で使用されます。
③自宅での器具は手入れが必要
自宅で器具を使ってネブライザー療法を行う場合は、使用後にネブライザー本体やチューブを洗浄・乾燥し、清潔な状態を保たなければいけないため手間がかかります。
怠ると、細菌やカビが繁殖する恐れがあるため注意が必要です。
ネブライザーの種類
ネブライザーには霧を発生させる仕組みの違いによって、いくつかの種類があります。
使用できる薬剤や作動音、サイズなどに違いがあるため、猫の病状や獣医師の指示に合わせて選ぶことが大切です。
超音波式ネブライザー
超音波の振動によって薬液を霧状にするタイプです。作動音が比較的静かで、加湿を目的とした吸入にも使用されます。ただし、超音波の影響を受ける薬剤もあるため、使用できる薬液には制限があります。
ジェット式ネブライザー
圧縮した空気(コンプレッサー)の力で薬液を霧状にするタイプです。動物病院で広く使用されており、多くの薬剤に対応しています。粒子が細かく、鼻や気管などの呼吸器へ薬剤を届けやすいのが特徴です。
また、メンテナンスがしやすく、ほとんどの薬剤で使用できますが、作動音が大きいというデメリットもあります。
メッシュ式ネブライザー
微細なメッシュ(網)を振動させて薬液を霧状にするタイプです。コンパクトで持ち運びしやすく、作動音も非常に静かなため、自宅で使用しやすい機種が多く販売されています。一方で、メッシュ部分は目詰まりしやすいため、使用後は丁寧なお手入れが必要です。
自宅で行える猫へのネブライザー療法
獣医師から許可を得ている場合は、ネブライザー療法を自宅で行うことも可能です。通院の負担を減らせるだけでなく、猫が慣れた環境で治療を受けられるため、ストレスの軽減にもつながります。
ただし、自宅で行う場合は使用する薬液や吸入時間、回数を必ず獣医師の指示に従うことが大切です。自己判断で人用の薬剤を使用したり、吸入時間を延ばしたりするのは危険です。
自宅で準備するもの
- ネブライザー本体
- 獣医師から処方された薬液
- 衣装ケースやケージ、クレートなど
- ビニール(霧が逃げないように覆うため)
衣装ケースを工作して自作の専用部屋を作ることもできます。ケージやクレートであっても、逃げ出さない程度に隙間をあけ、完全に密閉しないようにするのがポイントです。
自宅での基本的な方法
- ネブライザーに処方された薬液を入れる
- 猫を衣装ケースやキャリーケース、ケージに入れる
- チューブを通し、必要に応じてビニールをかぶせ霧が逃げにくい状態にする
- 獣医師の指示に従い、5~15分程度吸入させる
- 終了後は猫の呼吸や体調に変化がないか確認し、ネブライザーの部品は洗浄・乾燥させる
自宅で行う際の注意点
猫が嫌がって暴れる場合は、無理に続けないようにしましょう。強いストレスは治療の妨げになるだけでなく、呼吸状態を悪化させる可能性もあります。
また、ネブライザー療法はあくまでも補助療法です。症状が改善しない場合や悪化した場合、呼吸が苦しそうな様子が見られる場合は、自宅で様子を見続けず、速やかに動物病院を受診してください。
猫のネブライザー療法でかかる費用
動物病院で行う場合
猫のネブライザー療法にかかる費用は、動物病院で受ける場合の費用は1回あたり1,500円〜4,500円が相場です。
そのほかに薬液代や診察料などが別途かかります。
自宅で行う場合
ネブライザー療法を自宅で行う場合、初期費用としてネブライザー本体を購入するかレンタルするかで費用が変わります。
本体を購入する場合は、約10,000〜30,000円程度とされています。
レンタル料金は、月額3,300円〜4,400円程度が相場です。
ネブライザーを一度購入すれば、その後にかかる費用は、基本的に動物病院で処方される薬液代や消耗品代が中心となります。
短期間の使用であればレンタル、長期間にわたって継続的に使用する予定がある場合は、購入したほうが費用を抑えられるケースもあります。




































































































































































