猫の喘息(Feline asthma)とは
喘息は、猫の気管支の内腔が狭くなることによって起こる反復性の呼吸困難の発作のことを言います。
猫の喘息の特徴としては、狭くなった気管を空気が通る時にのどが笛のように鳴るヒューヒュー・ゼーゼーという「喘鳴性呼吸」が特徴です。
過去に肺炎や気管支炎などの呼吸器疾患にかかったことがある猫、またシャム猫にもよく発生します。
猫の喘息の原因
猫の喘息の原因として考えられるアレルゲンは、ハウスダストやダニ、花粉などが挙げられます。
もし引っ越しや自宅の改装、家具家電の買い換え、大掃除などで環境が変わることがあれば、発生原因として可能性が高いかもしれません。
猫の喘息の症状
- 喘鳴性呼吸
- 激しい咳
- チアノーゼ(青白い顔・皮膚の色)
猫の喘息は喘鳴性呼吸が最もわかりやすく、他にも咳や、酸素不足による青っぽく顔色が変化するチアノーゼという症状が見られます。
体温は平熱のままですが、発作は長期的で規則的な周期で再発する傾向があります。
猫の喘息の診断・検査方法
猫の喘息の診断は、病歴と症状だけでも十分に可能ですが、聴診、血液検査、X線検査、気管支内視鏡、気管支肺胞洗浄検査などから判断できます。
見分ける際は、X線写真で異常が見られないことがひとつの判断基準となります。
真性喘息では好酸球(白血球の一種)増加が認められ、発作時に採取された痰(たん)には好酸球が含まれています。
喘息との鑑別が必要な病気としては、肺炎や気管支炎、胸膜炎、横隔膜ヘルニア、胸部リンパ肉腫、肉芽腫性疾患などが挙げられます。
治療方法
猫の喘息の治療には、気管支拡張剤、コルチステロイド製剤、免疫抑制剤、去痰薬などの投薬治療、また酸素吸入や吸入療法(ネブライザーなど)があります。
- 気管支拡張剤
- コルチステロイド製剤
- 免疫抑制剤
- 去痰薬
- 酸素吸入
- 吸入療法(ネブライザーなど)
予防方法
猫の喘息の予防方法としては、猫をアレルゲンにさらさないこと以外は特にありません。
ハウスダストなどのアレルギーが原因と考えられているので、こまめに掃除をしたり空気清浄機などを使うなどしてハウスダストが溜まらないような環境作りも方法のひとつです。
発作が起こる季節が明確であったり、規則性が分かっていれば、発作が出る前にあらかじめ予測して抗ヒスタミン剤とステロイド製剤を経口投与することで発作を予防または軽減できます。
まとめ
- ヒューヒュー・ゼーゼーという喘鳴性呼吸が特徴
- アレルギーが原因と考えられている
- 投薬や酸素吸入などで対処するのが一般的