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梅雨に入ると、猫の様子がどことなく元気がない、食欲が落ちた、寝てばかりいるといった変化に気づく飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実は、この独特な梅雨の気温や湿度の急激な変化は、猫の体調や精神状態に影響を与えることがあります。
この記事では、猫が梅雨時に体調不良になりやすい理由やその兆候、飼い主が取るべき対策まで解説していきます。
梅雨になると猫が元気をなくすのはなぜ?
梅雨が始まると、猫がなんとなく元気をなくしたように見えることがあります。毎年この時期になると寝てばかりで動かない、食が進まない、機嫌が悪そうといった声が飼い主から聞かれるのは珍しくありません。
これは、猫は体温調整があまり得意ではないためです。
とくに短頭種や長毛種の猫は気温や湿度の変化の影響を受けやすく、梅雨のジメジメと蒸し暑い環境では体内の熱を逃がしにくくなります。
その結果、体がだるいような倦怠感や食欲不振、軽い熱中症のような状態に陥ってしまうのです。
猫に見られる梅雨時の体調不良のサインとは?
元気がない・寝てばかりいる
猫が活動量を落として静かにしているのは珍しいことではありませんが、梅雨時に急に寝てばかりいるようになった場合、注意が必要です。
気温差や湿度の変化による自律神経の乱れ、あるいは環境ストレスが影響している可能性があります。
食べ残しをするようになる
梅雨時の高湿度な環境では、キャットフードの味やにおいが変わってしまうことがあります。猫は環境の変化に敏感であるため、いつも食べているキャットフードに異変を感じると食べなくなってしまいます。
とくにウェットフードは開封後に酸化しやすいため、保存状態にも注意が必要です。
下痢や嘔吐などの消化器症状
食欲不振が続くと消化機能が低下し、下痢や嘔吐といった症状が見られることもあります。食欲不振や脱水症状、他の病気を引き起こすこともあるため、回復が見られない場合は早めに動物病院で診てもらいましょう。
とくに子猫や高齢猫は体力が落ちやすいため、早めの対応が重要です。
湿気による皮膚や被毛への悪影響
梅雨時の高湿度の環境では被毛の乾燥が遅れ、皮膚が蒸れてしまいます。これにより皮膚のバリア機能が低下し、皮膚炎や外耳炎の原因になることがあります。
また、皮膚がべたついたりフケが増えることによって、
皮膚がべたついたりフケが増えることによる不快感を解消しようと、皮膚が炎症を起こすほど過剰に毛づくろいをしてしまうことがあります。
対策①梅雨時の快適な室内環境づくり
猫が梅雨を快適に過ごすには、飼い主が室内環境を整えてあげることがとても重要です。梅雨が始まる前の5月頃から徐々に準備を始めていきましょう。
室温と湿度をコントロールする
猫にとって快適といえる生活環境は、
- 温度:およそ20〜26度
- 湿度:およそ40〜60%
です。
エアコンの除湿機能を使ったり、除湿器を併用することで、室内の湿気を抑えることができます。急激な温度変化がないよう、設定温度は一定に保つようにしましょう。
風通しをよくし、カビやダニを防ぐ
梅雨時は部屋の至るところにカビやダニが温床しやすくなります。
1日1〜2回の換気を行うことで室内の空気を入れ替え、病原菌やカビの繁殖を防ぎます。猫の寝床や毛布などの布製品もこまめに洗濯して清潔を保ちましょう。
猫が過ごしやすい寝床を用意する
梅雨時は湿気がこもりがちであるため、通気性の良いベッドやマットを用意するとよいでしょう。冷感素材の敷物やアルミプレートなどを使えば、暑さ対策にもなります。
また、猫は高さのある場所を好む傾向があるため、風通しの良い窓辺にキャットタワーを設置するのもおすすめです。
対策②食事と水分補給で体力をキープ
ウェットフードで水分補給をサポート
猫はもともと水をあまり飲まない動物です。とくに梅雨の時期は食欲も落ちやすくなるため、ウェットフードを活用して水分を補うのが効果的です。
さらに、鶏のゆで汁や低塩の煮干し出汁などをキャットフードにトッピングすることで風味を強め、食欲を刺激することができます。
清潔な水を複数箇所に設置
飲み水は1日に数回取り換え、常に新鮮な状態を保ちましょう。部屋のあちこちに水を置くことで、猫が気が向いたときにすぐ水を飲める環境を整えることができます。循環式の自動給水器を導入するのもおすすめです。
対策③皮膚トラブルを予防するケア
ブラッシングで通気性を確保
湿度が高い梅雨の時期は毛が乾きにくく蒸れやすいため、日々のブラッシングが非常に重要になります。被毛の通気性を良くすることで皮膚トラブルを予防できます。
とくに長毛種の猫は毛玉や湿疹のリスクが高いため、丁寧なケアが求められます。
シャンプーや耳掃除は慎重に
猫は毛づくろいによって自分で体をきれいにしますが、皮膚のべたつきや耳垢が目立つ場合は、獣医師の指導のもとで低刺激のシャンプーを使用すると安心です。
また、外耳炎の予防として耳のにおいや赤みなどをチェックし、異常があれば早めに受診しましょう。
対策④梅雨のストレスを和らげる室内遊びと刺激
運動不足によるストレスを防ぐ
梅雨は天候不順で日照時間も減るため、猫の活動量が落ちがちです。体を動かさないことでストレスが蓄積されると、問題行動が起きることもあります。遊び時間を増やすことで気分転換になり、ストレス軽減につながります。
猫じゃらしやレーザーポインターなどで精神的にも体力的にも満たしてあげましょう。
窓の外を眺められる場所を作る
窓辺にキャットステップやベッドを設置することで、猫が外の景色を楽しめる環境を用意できます。鳥や風に揺れる木々などの視覚的な刺激は猫の気晴らしにもなります。
まとめ
梅雨は猫にとって体調面でもメンタル面でも大きな負担となることがあります。しかし、室内の環境を整え、水分と栄養に気を配り、日々の様子を丁寧に観察することで、多くのトラブルは未然に防ぐことができます。
小さな変化に気づき、先回りして対処することで愛猫がジメジメとした季節を快適に、そして健やかに過ごせるようになります。