目次
猫種は全部で何種類?
登録されている純血種は約100種類
純血猫種は、純血猫種の認定を行っている団体に公認されることで決まります。団体によって活動は異なりますが、主に純血猫種の血統管理、猫種の標準(スタンダード)の設定、キャットショーの開催・運営などを行っています。
公認団体に公認されている猫種は、現在のところ約100種類です。
公認団体で公認された猫種だけでなく、これから登録される可能性のある猫種や、日本の琉球猫などのような地域特有の猫種、愛好家グループによって認識されている猫種などを含めると、150種類はゆうに超えるでしょう。猫種の認識は常に進化しているため、猫種は時代とともに増え、変化していくと考えられています。
純血種も元々はミックス猫
公認団体に登録されている猫種も、歴史を辿ればミックス猫です。
元々は特定の地域や環境に適応した猫が、人間が特定の外見や性格を維持・固定するために長期間かけて交配を管理してきた結果、純血種として認められるようになりました。そのため、純血種の先祖を遡ると、異なる特徴を持つ猫が交配された結果であることがわかります。
具体的な例を言うと、ラグドールは、1960年代にアメリカで生まれた比較的新しい純血種ですが、繁殖の基盤となった猫はペルシャ猫やバーマン、そしてその他のミックス猫でした。それらの特徴を意図的に組み合わせて、現在のラグドールの特徴が確立され、純血種として公認されています。
猫の公認団体とは?
国際的な主要団体は5つ
世界には公認団体が多く存在し、それぞれの文化や基準に基づいて猫文化の発展や猫種保護に重要な役割を果たしています。
主な国際的な主要団体は下記の5つです。
公認団体 | 特徴 |
---|---|
CFA Cat Fanciers' Association | 公認猫種数:44種類 |
・アメリカを拠点とする団体 ・世界最大級の純血猫種登録団体 ・厳格な基準を持つ ・比較的少ない数の猫種を公認 |
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TICA The International Cat Association | 公認猫種数:71種類 |
・CFAよりも多くの猫種を認定 ・純血だけでなく新しい猫種の認定にも積極的 ・国際的なキャットショーを開催 |
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FIFe Fédération Internationale Féline | 公認猫種数:48種類 |
・ヨーロッパを拠点とする団体 ・40以上の加盟国を持つ |
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WCF World Cat Federation | 公認猫種数:70種類 |
・ヨーロッパを拠点とする団体 ・広範囲で活動し、少数派の猫種も認定 |
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GCCF Governing Council of the Cat Fancy | 公認猫種数:40種類 |
・イギリスを拠点とする団体 ・1910年設立で長い歴史を誇る ・クラシックな猫種を中心に認定 ・年間135回ものショーが開催 |
※公認状況は各団体の最新情報に基づいていますが、変更される可能性があります。詳細や最新情報については、各団体の公式ウェブサイトをご確認ください。
登録数が多いほど知名度が高いわけではない
複数の公認団体に登録されている猫種ほど、国際的な基準や認識が統一されているため世界的に知名度が高い傾向にあります。例えば、ペルシャやメインクーン、シャムはほぼ全ての主要団体で公認されており、その結果、知名度が非常に高くなっています。
しかし、これは必ずしもその猫種が「有名」であることを保証するものではありません。
日本でも大人気の猫種スコティッシュフォールドは骨の異常に関する健康リスクがあるため、健康を重視する基準を採用しているCFAでは公認されていません。このように、世界的に有名な猫種でも公認団体によって公認されない場合があります。
一方で、バンビーノやライコイなどの珍しい猫種・新しい猫種は1つの団体でしか公認されていませんが、その珍しさから注目を集めて知名度が上がっています。
猫はどうやって誕生する?
猫の誕生スタイルは、主に突然変異種、自然発生種、交配種の3つに分類されます。
突然変異種
突然変異種とは、遺伝子の自然な変化によって新しい特徴が現れる現象です。
例えば、スコティッシュフォールドの折れ耳やスフィンクスの無毛、マンチカンの短足などは突然変異によるものです。これらの形質は繁殖を通じて固定化されることで、新しい猫種として認識されます。
ただし、突然変異が健康問題を伴う場合もあり、繁殖時にはその影響を慎重に考慮しなければなりません。突然変異は猫種の多様性を生み出しますが、同時に十分な繁殖管理が求められる要因でもあります。
自然発生種
自然発生種とは、人為的な介入なしに特定の地域で独自に進化した猫種を指します。
例えば、コラット(タイ)やターキッシュアンゴラ(トルコ)、ノルウェージャンフォレストキャット(ノルウェー)はその地域に適応して自然に形質が固定された猫種で、気候や環境に適応しながら独自の遺伝的特徴を育んできました。
自然発生種は遺伝的多様性が豊富で、健康的な特徴を持つ場合が多いとされています。そのため、品種の保護や管理が重要視されています。
交配種
交配種とは、異なる猫種同士を人為的に交配させ、新しい特徴を持つ猫種を作り出したものです。交配種の目的は特定の外見や性格、健康的特徴を引き出すことです。
例えば、ラグドール(バーマンと他の猫種の交配)やベンガル(アジアンレパードキャットと家猫の交配)が挙げられます。ただし、交配種の繁殖には遺伝的な健康問題や倫理的課題も伴うことがあります。
【全107種】猫種一覧
猫は古くから人間のパートナーとして愛され、世界中で多種多様な猫種が人とともに生活しています。
ここでは、世界の主要な猫種の登録団体(CFA、TICA、FIFe、WCF、GCCF)で公認されている猫種から、歴史的背景や特徴を持つ自然発生種、近年作出された新しい猫種まで、すべての猫種をご紹介します。
それぞれの猫種が持つ特徴や魅力を知ることで、愛猫選びや猫への理解が深まることでしょう。
ア行
アビシニアン![]() | アメリカンカール![]() | アメリカンキューダ |
アメリカンショートヘア![]() | アメリカンバーミーズ | アメリカンボブテイル![]() |
アメリカンポリダクティル | アメリカンリングテイル | アメリカンワイヤーヘア![]() |
アラビアンマウ![]() | アルパインリンクス | イジアン |
ウクラニアンレフコイ![]() | ウラルレックス | エーゲキャット![]() |
エキゾチックショートヘア![]() | エジプシャンマウ![]() | オーストラリアンミスト |
オイイーボブ | オシキャット![]() | オホサスレス |
オリエンタルショートヘア![]() | オリエンタルロングヘア![]() |
カ行
カオマニー![]() | カラーポイントショートヘアー | カリフォルニアスパングルド |
キンカロー![]() | キプロスアフロディーテ | キムリック |
クリッパーキャット | クリリアンボブテイル![]() | コーニッシュレックス |
コラット![]() |
サ行
サイベリアン![]() | サバンナキャット![]() | サファリ![]() |
ジャーマンレックス | ジャパニーズボブテイル![]() | シャム(サイアミーズ)![]() |
シャルトリュー![]() | シャンティリー![]() | ジェネッタ |
シンガプーラ![]() | スクークム | スコティッシュフォールド![]() |
スノーシュー![]() | スフィンクス![]() | スパラック |
セイシェルワ | セイロンキャット | セルカークレックス |
セレンゲティ | ソコケ | ソマリ![]() |
タ行
ターキッシュアンゴラ![]() | ターキッシュバン | チートー |
チャウシー![]() | デザートリンクス | テネシーレックス |
デボンレックス![]() | トイガー | ドウェルフ |
ドラゴンリー | トンキニーズ | ドンスコイ![]() |
ナ行
ネべロング | ノルウェージャンフォレストキャット![]() |
ハ行
バーマン![]() | バーミーズ![]() | バーレイニディルムンキャット |
バーミラ | ハイランドリンクス (ハイランダー) | ハバナブラウン |
ハバリ | バリニーズ | バンビーノ![]() |
ピーターボールド | ピクシーボブ | ヒマラヤン![]() |
フォールデックス | ブラジリアンショートヘア | ブランブル |
ブリティッシュショートヘア![]() | ブリティッシュロングヘア | ペルシャ![]() |
ベンガル![]() | ポリダクティルキャット(アメリカンポリダクティル) | ボンベイ![]() |
マ行
マンクス![]() | マンダレイ | ミヌエット(ナポレオン)![]() |
マンチカン![]() | メインクーン![]() | モハーベスポッテド |
モハーベボブ | メコンボブテイル![]() | ミンスキン |
ヤ行
ヨーロピアンバーミーズ | ヨーロピアンショートヘア | ヨークチョコレート![]() |
ラ行
ライコイ![]() | ラガマフィン![]() | ラグドール![]() |
ラパーマ | ラムキン | ロシアンブルー![]() |
ワ行
「ワ」から始まる猫種は、現在主要な公認団体(CFA、TICA、FIFe、WCF、GCCFなど)では存在しないようです。
猫種の名称は多くが発祥地や特徴に由来しており、日本語で「ワ」から始まるものは珍しいです。特定の地域や愛称として呼ばれるケースはあるかもしれませんが、公式な猫種として登録されている例はありません。
【2024年】人気猫種ランキングTOP5
一般社団法人ペットフード協会が発表した「令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査」によると、現在、日本で飼育されている猫種は、圧倒的にミックス(雑種・混血種)が1位となっています。
- ミックス(雑種・混血種)
- アメリカンショートヘア
- スコティッシュフォールド
- マンチカン
- ノルウェージャンフォレストキャット
参考:令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査/猫種類_年代別|一般社団法人ペットフード協会
人気猫種ランキング第1位:ミックス(雑種・混血種)

ミックス(雑種・混血種)とは、純血種のように特定の名前があるわけではなく、複数の猫同士から生まれた雑種・混血種の猫の総称として使われる名称です。
純血種はブリーダーなどによって交配されない限り生まれることは稀なため、野良猫や保護猫など含めるとミックスが圧倒的に多い結果となっています。
猫の場合、ブリーダーやペットショップから購入するよりも、野良猫を拾うケースや、保護団体、知人・友人から迎える割合が多いため、「やはり我が家の猫が一番」ということで、ミックスが最も人気になっているとも考えられます。
人気猫種ランキング第2位:アメリカンショートヘア

人気猫種ランキング第2位は、アメリカンショートヘア。
アメリカ原産の短毛種で、筋肉質でがっしりした体型が特徴です。短く滑らかな被毛は多彩な模様や色合いを持ちますが、とくに上記の写真のようなシルバーマッカレルタビーが人気です。
その愛らしい外見と飼いやすさから、猫種人気ランキングでは何年にもわたり常に上位にランクインしています。
人気猫種ランキング第3位:スコティッシュフォールド

人気猫種ランキング第3位は、スコティッシュフォールドです。折れ耳やまんまるの顔が特徴で、純血種の中では不動の人気を誇ります。
人なつっこい性格や抜け毛が少ないことから初心者も飼いやすいという点が、人気の理由の一つのようです。
人気猫種ランキング第4位:マンチカン

人気猫種ランキング第4位は、マンチカンです。マンチカンはなんといっても短い足が特徴で、毎年上位にランクインする人気ぶり。オズの魔法使いに登場する小人族「マンチキン」が由来です。
短足でありながらジャンプ力や瞬発力は他の猫と同じかそれ以上で、かなり運動神経抜群です。マンチカンも社交的で穏やかなので他の猫や人との共同生活にも向いています。
人気猫種ランキング第5位:ノルウェージャンフォレストキャット

人気猫種ランキング第5位は、ノルウェージャンフォレストキャットです。
ノルウェージャンフォレストキャットは北欧原産の大型で優雅な長毛種で、厳しい寒さにも耐えることができます。体格は筋肉質で力強く、三角形の顔とふさふさした尻尾が特徴的です。穏やかで社交的な性格を持ち、人にも他のペットにも友好的です。
その優雅な外見と穏やかな性格から、近年の猫種人気ランキングでは一貫して高い人気を維持しています。
愛猫家は、猫種にこだわらない方が多い
上位の猫種の他にも、ラグドール、ロシアンブルー、ブリティッシュショートヘア、ペルシャ、メインクーンも長く人気を誇っています。
ただ、愛猫家の方は、愛犬家の方々と比べると、全体的に猫種にこだわらないという意見の方が多い傾向です。「猫ならみんなかわいい!」という無類の猫好きさんが多い印象を持ちました。
むしろ猫種で判断することはペットショップでの販売や悪質な繁殖を助長することにつながってしまうことから、どの猫種が人気か、どの猫種が好きかという話題に嫌悪を示す方も少なくありません。
猫の体型・被毛について
まとめ
- 猫種は団体によって登録数が異なる
- 未登録を含めると100種類じゃ超えると考えられる
- 人気猫種1位はミックス(混血種)
- 被毛の長さや色、体型タイプなどでも種類が分けられる