キャットフードのディル。抗菌作用や口臭予防、胃粘膜を守る。中毒成分リモネンの危険性は?

キャットフードのディル。抗菌作用や口臭予防、胃粘膜を守る。中毒成分リモネンの危険性は?

キャットフードの原材料:ディル(dill)

ディルとはセリ科に属する一年草のハーブで、地中海沿岸から西アジアを原産とします。葉や種子には独特の爽やかな香りがあり、料理では主に香り付けや風味の引き立てを目的として使用されます。

ディルはキャットフードやおやつの原材料に使用されていますが、一般的な日本国内ブランドではそれほど多くなく、輸入品や限定商品に見られるケースが中心となります。原材料欄にはディルの他に、乾燥ディルなどと表記されます。

など

ディルの健康効果

  • 抗菌作用
  • 抗酸化作用
  • 胃腸の機能を高める効果
  • 胃腸のガス発生の抑制
  • 口臭を予防する効果
  • リラックス効果

胃の粘膜を守る

「ディルの種子が胃にどのような影響を与えるのか」についての研究によると、強い刺激で胃に傷をつけたマウスにディル種子の抽出物を与えたところ、胃の粘膜が守られ、胃酸の分泌も抑えられることが分かりました。高用量では、胃潰瘍の治療に使われる薬と同程度の効果がみられました。また、急性毒性も低く、安全性の面でも大きな問題は認められませんでした。

この研究は猫ではなくマウスを対象としたものであり、ディルが猫の胃腸に同様の作用を示すかどうかは明確にされていません。ただし、動物モデルにおいて胃粘膜保護や胃酸分泌の抑制が確認されていることから、類似した作用を示す可能性は考えられます。

参考:Effects of Anethum graveolens L. seed extracts on experimental gastric irritation models in mice

ディルの注意点

精油成分リモネンは大丈夫?

ディルには精油成分の一つであるリモネンが含まれています。リモネンはオレンジやグレープフルーツなど柑橘系に多く含まれ、猫にとって代謝が苦手な成分として知られており、高濃度で摂取した場合には注意が必要です。

ただし、キャットフードに原材料として配合されるディルはごく微量であり、そこから摂取されるリモネン量も極めて少ないため、キャットフードに含まれていること自体で中毒症状が起こるとは考えにくいです

一方で、ディルは家庭菜園や鉢植えで育てられることも多く、香りに興味を示した猫が大量に噛んだり、葉を飲み込んだりする可能性があります。猫が自由に接触できないよう配置を工夫するなど、生活環境への配慮が重要です。

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2019年10月23日

精油やアロマは取り扱い注意

精油は植物の香気成分を高濃度に抽出したもので、少量でも体に強く作用します。とくに猫は肝臓での解毒機能が人や犬と異なるため、精油成分をうまく代謝できず、健康被害につながるおそれがあります。

アロマディフューザーの使用や皮膚への塗布、誤飲には十分な注意が必要です。猫と暮らす家庭では、精油は使用しない、もしくは猫が立ち入らない空間で厳重に管理することが望まれます。

まとめ

  • ディルは料理の香り付けによく使用されるハーブ
  • 胃の粘膜を守り、胃酸の分泌を抑える効果がある
  • 中毒成分リモネンが含まれるが、キャットフードの配合はごく微量
  • 精油やアロマを摂取・吸入した場合は中毒症状があらわれる恐れ

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。キャットフード勉強会ディレクターとして、猫ちゃんの栄養や病気、生態、キャットフードなどの情報を提供しています。猫ちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、猫ちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。