猫の致死率60~70%のSFTSウイルスとは?猫同士、猫から人への感染も確認

SFTS 猫 ウイルス

SFTS(重傷熱性血小板減少症候群)とは

致死率10-30%のウイルス性出血熱

重傷熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)ウイルスは、マダニに咬まれることで感染するウイルス性出血熱の病原体です。感染してから潜伏期間6~14日を経て発症し、出血や発熱、腹痛、消化器官系の症状、筋肉痛、神経症状、リンパ筋腫腸、黄疸などの症状が見られます。

現在有効な治療方法が見つかっておらず、症状を抑えるための対症療法しか行うことができません。人がかかった場合の致死率は10~30%と高く、感染すると10人に1~3人は亡くなってしまいます。

猫もSFTSウイルスに感染することが判明

2017年4月SFTSウイルスに感染した猫が発見

SFTS 猫引用元:NIID国立感染症研究 SFTS発症動物について(ネコ, イヌを中心に)(IASR Vol. 40 p118-119:2019年7月号)

2017年4月に和歌山県でSFTSウイルスに感染した猫が見つかり、世界で初めて人間以外の動物にもSFTSウイルスが感染することが判明しました。その後、SFTSに感染している猫が120頭も発見され、犬7頭、チーター2頭の感染も確認されました。

感染すると人と同じような発熱、出血、食欲消失、黄疸などの症状が現れます。感染した動物の中でも猫の致死率は60~70%と非常に高く、犬(致死率29%)や人(10~30%)より感染した時の死亡リスクが高いことが分かります。

猫へのSFTSウイルスの感染経路

マダニが猫を咬むことで感染する直接的な感染もありますが、マダニ予防を行っていた猫への感染も確認されているため、感染した猫から他の猫への猫同士の感染の可能性も考えられます。このため、たとえば野良猫や屋外猫で1頭でも感染した猫がいると、どんどん猫同士で感染が広がってしまいます。

猫から人への感染も確認されている

また、感染した猫から飼い主や獣医療関係者など人への感染も確認されました。感染した猫から咬まれたり濃厚接触が原因で感染することがあり、獣医療従事者や野良猫との接し方について今一度見直しが必要となる件として注目されています。

動物薬教育研究センターの情報によると、2018年小動物病院に来院した犬や猫の治療の中で、グローブやマスクを着用していたのにもかかわらず、獣医師や動物看護師がSFTSウイルスに感染してしまった事例もあり、動物から容易に感染してしまうことがわかりました。

また人から人への感染も確認されているので、SFTSウイルスが広まらないよう猫も獣医療従事者も私たち飼い主自身も、感染対策や予防を心がける必要があります。

対策と予防

SFTSウイルスは一度感染すると有効な治療方法がなく、症状をおさえる対症療法しか行うことができません。このため、今のところ対策は、SFTSにかからないように予防する他ありません。猫のマダニ対策をきちんとしていても、外でSFTSに感染した猫や動物から感染するリスクがあり、また、症状が出ない潜伏期間の間に飼い主さんに感染してしまう可能性も考えられるので、猫はとにかく室内飼育を徹底しましょう。

まとめ

鈴木さん
SFTS、初めて聞きましたが、ここまで深刻な人獣共通感染症は知りませんでした。
猫田

SFTSは最近みつかった情報の少ない感染症です。感染力が高く有効な治療法がないことや致死率が高い病気であること、そしてそれを治療する獣医療従事者や飼い主も危険にさらされることなど様々なリスクがあるため、対策と予防が大切です。

愛猫はもちろん、自分や家族、獣医療従事者、他の猫の命も守れるよう、マダニ対策はもちろん、完全室内飼いで育てることを徹底するなど心がけましょう。 

ABOUTこの記事をかいた人

【監修・執筆】鈴木利奈

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。