二酸化チタンは白色の着色料
二酸化チタンはペットフードでは着色料として使用されます。柔らかい白っぽい色をつくり、フードを美味しそうに見せることができる着色料です。
特に国産キャットフードは着色料が使われることが多く、他の赤色○号や黄色○号と合わせて二酸化チタンもキャットフードによく使用されています。海外産でも使用されることはありますが、合成添加物、着色料不使用と記載されたキャットフードには使用されません。
二酸化チタンとは
二酸化チタン(titanium dioxide)とは、チタン(Ti)という金属元素の酸化物で、白い粉末状の物質です。顔料や日焼け止め等の化粧品、絵の具などの塗料、白色や黄色に着色する食品添加物としてEUや日本の指定添加物(合成添加物)のリストにも登録されています。
酸化する前のチタンは非常に重宝される金属です。軽くて強度が高く熱にも強い金属で、酸化しにくい性質を持っています。さらに安全性も高いため、金属素材として様々な道具や物に利用されています。
二酸化チタンの危険性
二酸化チタンがフランスで食品に使用禁止
2019年4月、フランス政府は発がん性の可能性があるとして、2020年1月から二酸化チタンを含む食品の市場投入を禁止すると発表を行いました。
政府は4月17日、フランス独自の規制として、2020年1月1日からナノマテリアルである二酸化チタン(TiO2/E171)を含む食品の市場投入を禁止すると発表した。
二酸化チタン(TiO2/E171)は、EUでは食品添加物(白色着色料)として認可されており、チューインガム、歯磨き粉、日焼け止めクリームなどの食品、化粧品、医薬品に使用されているが、食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、二酸化チタンがナノ粒子のため生体組織を通過しやすく、発がん性物質の可能性があるとしている。
フランスは食品の安全先進国と言われており、オーガニック食品の推進や添加物への規制など、ヨーロッパ内でも特に食の安全への意識が高い国です。そして実際に2020年から二酸化チタンを使用した食品が禁止されました。
国際がん研究機関(IARC)の二酸化チタンの発がん性評価
国際がん研究機関(IARC)が発表している発がん性評価では、二酸化チタンはステージ2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)に分類されており、実験動物または人体への発がん性が証拠が確認されています。
画像引用元:酸化チタン – 厚生労働省
あくまでヒトに対する影響への評価なので、猫への影響が確認されているわけではありませんが、人間への影響が示されるのであれば、同じ哺乳動物の猫への発がん性のリスクも十分考えられます。
二酸化チタン入りのキャットフードは避けるべき?
おやつやスナックのように、与える頻度や量が少ないものであれば、猫の体に対してただちに大きな問題が出ることはないと考えられます。国産キャットフードを見てみると、ほとんどに着色料などの合成添加物が使用されていますが、それが原因で猫の寿命が短くなったり病気になったという報告やニュースはほとんど見られません。
食品添加物としても登録されているため、二酸化チタンは人体への影響は小さいと考えられています。食品やキャットフードなど様々な食べ物に利用されており、使用基準値なども設けられていませんが、海外では二酸化チタンを禁止にする動きも見られます。
キャットフードの着色料は見た目を良くするために配合されるので、栄養や安全性、品質を守る目的で加えられる添加物ではありません。また、二酸化チタンにいたっては2006年にグループ2Bに変更されています。今後研究や実験によってさらに発がん性のリスクが確認される可能性もあるため、なるべくキャットフードへの使用は避けた方がいい添加物というのが当サイトの見解です。
まとめ
- 白色の合成着色料
- 国際がん研究機関(IARC)でステージ2Bの評価
- フランスでは使用禁止
- 海外では二酸化チタンを禁止にする流れ