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猫にデンタルケアは必要?
猫は虫歯にならない動物
猫と人が関わって数千年が経ち、現在は猫が犬の飼育頭数を超えるほど多くの猫が人と共に暮らしています。
ですがその長い歴史の中で猫が虫歯になったという報告はありません。このためはっきりとした理由は分かっていませんが、猫は虫歯にならない動物として知られています。
歯周病はかかるのでデンタルケアは必要
ですが、だからといって猫に一切の口腔トラブルがないわけではありません。猫もデンタルケアを怠れば、歯周組織に汚れが蓄積して起こる歯周病や歯肉炎はかかります。
もし猫に口臭や歯肉の出血、腫れなどの症状が見られたら、もしかしたらすでに歯周病になっているかもしれません。
猫の歯周病や歯肉炎は深刻です
たとえ今現在、猫に歯周病の心配がなくても、年齢と共に歯周組織に汚れが蓄積し高齢になれば、歯周病や歯肉炎の発症率は高くなります。
また、他の病気と比べて口腔内トラブルや病気予防は軽視されることが多く、病院に連れていく頃には顎の骨が溶けてしまうほど重症化しているケースもあるので、油断は禁物で、歯周病予防やデンタルケアはもちろん、定期的な検診や重症化する前にきちんと動物病院に連れていくことが大切です。
猫のデンタルケアはどんな方法がおすすめ?
猫に歯磨きを習慣づけるのは難しい!
歯磨きは、異物(歯ブラシ)を長時間口の中に入れられるため、苦痛に感じる猫がほとんどです。
子猫の頃から慣れさせて歯磨きの習慣を付けられればいいですが、大抵の猫は異物が口に入るだけで嫌がるので、歯磨きしようとしても、まったく口を開けてくれなかったり、逃げてしまったりで、猫の歯磨きは挫折する飼い主さんも多いと聞きます。
フードやおやつで自主的に歯磨きしてもらう
そこでおすすめなのが、デンタルケア用に開発されたキャットフードや、歯磨き効果が期待できるおやつ、おもちゃを使ったデンタルケアです。デンタルケア用のキャットフードやおやつを使うことで、猫が自主的に歯を研磨し、歯磨きほどではありませんが、歯にこびりついた汚れを物理的に落とすことができます。
キャットフードやおやつならデンタルケアを忘れることも少ないので、毎日コツコツ続けやすく一石二鳥です。ここではデンタルケア用のキャットフードやおやつをご紹介したいと思います。
デンタルケア用キャットフードの選ぶ時の基準は?
- 研磨が期待できる中~大粒サイズ(8~10mm前後)
- 歯石形成に配慮したミネラルバランス
- 歯周病菌を無毒化する原材料
- 第三者機関認定製品もおすすめ!
小粒は研磨作用が期待できない
デンタルケア用キャットフードは、フードを噛んで歯にこすりつける研磨作用によって歯磨き効果が期待できるので、中~大粒が望ましいです。猫はもともと噛まずに丸飲みする動物なので、小粒だと噛まずに飲み込んでしまい、噛んだ時の物理的な研磨作用が期待できません。
デンタルケア用のジャーキーやおやつであれば、しっかり噛んで噛み切らないと飲み込めないサイズのものも多いかと思います。
また、乾燥したドライフードは歯垢がつきにくいため、デンタルケアを目的としたキャットフードは水分が多いウェットフードよりドライフードがおすすめです。
石灰化し歯石を形成するミネラルのバランス
歯垢とは歯や歯周組織の汚れ「プラーク」のことで、食べれば歯垢がつくこと自体は仕方がありませんが、歯磨きやデンタルケアをせず放っておくと菌が「歯石」を形成し、歯周組織内で菌が繁殖します。
歯石形成には唾液中に含まれるカルシウムやリンと結合することで石灰化するので、キャットフードに含まれるミネラルバランスも歯石の形成に関係します。栄養面でミネラルバランスは重要なので、デンタルケア用キャットフードでも、カルシウムやリンが多過ぎないミネラルバランスが調整されたものを選ぶのがおすすめです。
歯周病菌を無毒化する原材料が配合
デンタルケア・オーラルケアのキャットフードには、以下のような口腔内の健康維持や歯周病予防を目的とした原材料が配合されることがあります。
歯周病菌を無毒化したり、歯周組織を形成、また殺菌・抗菌作用のある原材料が使用されたりします。
- グロビゲンPG(鶏卵)
- 乳酸菌(乳酸菌)
- デンタブロック乳酸菌(特許成分)
- ポリリン酸ナトリウム
- ビタミンC
- コラーゲン
たとえばグロビゲンPGは鶏卵粉末に含まれる成分で、歯周病菌を無毒化し歯垢をつきにくくします。また、乳酸菌は腸内環境での働きが一般的ですが、歯周ポケットに入り込み歯周病菌を無毒化するなど歯周病や口臭の改善や治療に役立ちます。
専門機関の認定商品も参考に!
日本では販売されていない製品もありますが、米国獣医口腔衛生協議会認定の「VOHC(Veterinary Oral Health Council)」は、アメリカ獣医師や認定専門医によるテストを行った上で認定された商品で信頼性が高く、デンタルケアの一定の効果が期待できます。
【総合栄養食】猫の歯周病予防におすすめのキャットフード
猫用グリニーズ(Greenies)
グリニーズの歯磨き専用スナックは、VOHC認定の猫用デンタルケアを目的としたおやつです。ローストチキン味など5種類の味があり、飽きないようにローテーションも可能です。また5種がセットになった商品もあるので、お気に入りの味が見つかりやすいのではないでしょうか。
またグリニーズはスナックとして販売されていますが、成分は総合栄養食の基準をクリアしているので、栄養バランスも整っています。栄養が偏ってしまうことがないのも安心です。
カナガンデンタルキャットフード
カナガンデンタルキャットフードはVOHC認証や特許なども取得する「プロデン・プラークオフ」という海藻成分を配合したデンタルケアキャットフードです。毎日与えられる総合栄養食で、手間なく口腔内の健康維持ができます。
ロイヤルカナン フィーラインケア オーラルケア
ロイヤルカナンのオーラルケアキャットフード「歯垢歯石が気になる成猫用」は、毎日の主食として与えられる総合栄養食で、歯の健康維持を目的にホワイトニングなどでも一般的に使われるポリリン酸ナトリウム(カルシウムキレート化剤)を配合しています。
ポリリン酸はナトリウムは、歯垢の石灰化を抑制し歯石が形成されにくくする作用がある成分です。粒もゆっくりよく噛むよう設計されているため、歯の研磨作用(歯磨き効果)も期待できます。
ただロイヤルカナンはポリリン酸ナトリウム含め、BHTや没食酸プロピルなどの合成添加物を使用しているため、気にされる飼い主さんも多いかと思います。
【おやつ】猫の歯周病予防におすすめのキャットフード
プロデン デンタルバイツ
プロデン デンタルバイツは口臭や歯垢、歯石軽減を目的とした猫用おやつで、こちらにもVOHC認証・特許取得のプロデン・プラークオフ(海藻成分)が使用されています。オーガニック原材料を使用するなど他原材料の安全性にも配慮されています。
食事で上手にオーラルケア
デンタルケア製品には珍しいウェットタイプのキャットフードです。こちらはペースト状の成猫用一般食で、歯周病が進行した猫や、噛む力が弱った老猫にも与えられます。1袋の量は少ないですが手頃な価格で試すことができます。
DHC オーラルケア
DHC販売のオーラルケア用(デンタルケア)のサプリメントは、カツオ節など嗜好性の高い原材料をメインにアスコフィランやグロビゲンなどを配合した猫用健康食品です。これだけで与えても、キャットフードに混ぜて与えても問題ありません。
ペットキッス オーラルケア ササミプチロール
まとめ
以上今回はデンタルケアを目的にしたキャットフードについて、おすすめの総合栄養食やおやつを紹介しました。
総合的に評価したランキングも参考にしながらぜひ愛猫に合ったキャットフードを選んであげて下さい!