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キャットフードの原材料:スレオニン(トレオニン)
キャットフードのスレオニンは、歴史上最後に発見された必須アミノ酸で、成長促進や脂肪肝の抑制する働きがあります。
日本ではスレオニンやトレオニンの2つの読み方がありますが、どちらも同じ「Threonine」のことを言っています。
スレオニンは、鶏肉や魚、ゼラチン、大豆などに豊富に含まれています。トウモロコシや小麦等の穀物を多く含むキャットフードは、肉や魚など動物性食材の割合が少なくなるのでスレオニンが不足しやすい傾向があります。このため穀物メインのフードでは、スレオニンはリジンとともに栄養添加物として添加されていることがあります。
反対に肉や魚が豊富なキャットフードでは不足することは少ないです。
猫におけるスレオニン(トレオニン)の働き
脂肪肝の予防効果
スレオニンには抗脂肪肝効果が報告されています。
猫が摂取したエネルギーのうち、余分なエネルギーは中性脂肪へつくりかえられ、猫の内臓脂肪や皮下脂肪のほか、肝臓にも蓄積されます。肝細胞に中性細胞がたまると「脂肪肝」と診断されます。脂肪肝は、進行すると肝硬変になることもあり、肝硬変になると線維化した肝臓は元に戻すことができません。
スレオニンは脂質代謝調節作用を有しているので、肝臓で脂質代謝を促進し猫の脂肪肝や肝硬変を予防する効果があります。
成長を促進する効果
スレオニンはタンパク質の構成要素であり、猫の代謝を促進し成長を促進する働きがあります。
美しい被毛や皮膚の維持
スレオニンは、猫の被毛や爪を構成している「ケラチン」というタンパク質の合成に必要不可欠なアミノ酸です。
キャットフードに必要なスレオニン(トレオニン)の量・基準
ペットフード公正取引協議会が採用するAAFCOのガイドラインによると、ドライタイプのキャットフードのスレオニン(トレオニン)の最低基準は、幼猫用・成猫用どちらも最低基準は0.73%に定められています。
最大値(上限値)の設定はありません。
スレオニン(トレオニン)の欠乏/過剰摂取
欠乏症
スレオニンが不足した場合、食欲不振や貧血、体重の減少などを引き起こします。
過剰摂取
スレオニンには上限値が定められていませんが、猫がスレオニンを過剰摂取すると、胃腸障害や頭痛を起こすことがあります。
まとめ
- 歴史上最後に発見された必須アミノ酸
- 穀物メインのキャットフードで不足しやすいアミノ酸
- 猫の脂肪肝予防効果、ケラチンの合成に必須