ペットフードにおいてあまり注目されない「栄養添加物」についてご存知の方はいらっしゃるでしょうか?
ここでは総合栄養食のキャットフードのほとんどに含まれている栄養添加物について詳しく解説したいと思います。
栄養添加物とは
栄養添加物とは、猫に必要な栄養素を補うためにフードに加えられる添加物です。多くのキャットフードに添加されていますが、成分名で記載されることが多いので、栄養添加物と分からないこともあります。
複数の添加物が記載される場合には、「ビタミン類(A、D3、E)」のように、具体的な成分名が記載されているので変わりやすいと思います。
栄養添加物は食品添加物のリストの用途で「強化剤」と記載されています。
栄養添加物を入れる目的
猫の健康に必要な栄養素を補う
栄養添加物は、原材料だけでは足りない栄養素や、加工中に失われてしまう栄養素を補い、猫の栄養バランスを一定に保つために加えられます。
猫に限らず生物は、体内で合成できる栄養とできない栄養があるので、猫が体内で合成できない栄養は食事で摂取する必要があります。
総合栄養食には必要不可欠
総合栄養食のキャットフードは、水とフードだけで猫に必要な栄養素を過不足なく摂取できなければならないので、ほとんどの総合栄養食に栄養添加物が使われています。
一般食やおやつは栄養添加物が必要がありませんが、その分、質感や味を調整する添加物が加えられていることが多いです。
キャットフードの栄養添加物の種類
アミノ酸類
アミノ酸は、タンパク質を構成する物質です。必須アミノ酸にはロイシン、アルギニン、トリプトファンなどがあり、栄養添加物では「アミノ酸類」と記載されることが多いです。
タウリン
タウリンはキャットフードに必要な猫の栄養素として有名だと思います。タウリンはアミノ酸から作られるため、よくアミノ酸として紹介されますが、明確には違う区分の栄養素になります。
犬はタウリンを体内で作り出せるため必須ではありませんが、猫は体内でタウリンを作れる量が少ないので、キャットフードから必要量を摂取する必要があります。
ビタミン類
ビタミンはA、D、E、K、B、C、Eなど様々な種類があります。トコフェロールやアスコルビン酸、カロテンなど成分名で記載されることもあります。
ビタミンは種類によって加熱や保管中で徐々に失われてしまうので、補うために添加されることが多い栄養添加物です。
ミネラル類
ミネラルもまた種類が多く、キャットフードでも様々なものが配合されています。亜鉛や銅、鉄、銅など金属名はミネラルの栄養添加物です。
栄養添加物は合成?天然?
化学合成の栄養添加物もある
栄養添加物にも化学合成でつくられた添加物があります。
ただ化学合成で作成された合成栄養添加物なのかどうか原材料などには記載がないため、栄養添加物が合成なのか天然由来なのか確かめる方法はありません。
栄養添加物の危険性は追求されていない
では栄養添加物も危険なのではないか?と思われるかもしれませんが、ペットフードの栄養添加物が猫や犬に何らかの健康被害を及ぼすといったニュースや研究、論文は探しても見つかりませんでした。
またペットフード協会の栄養添加物に関するページを見ると、下記のような記載があります。
そこで、ペットフード中の栄養素を一定に保つために各種栄養添加物を使用します。ペットフードに使用される添加物は、食品や飼料に使用が許可されたもので、それらの添加物は人間および動物の健康を損なわないことを確認する安全性試験が実施されており、過去の使用実績等から安全であるとされているものです。
合成酸化防止剤や合成着色料などのように危険性が注目されていないことからも、栄養添加物に関しては安全、またはそこまで危険性が追求されていないのかもしれません。
栄養添加物以外の添加物
品質を保つ添加物
栄養添加物の他にも、キャットフードの品質を保つために加えられる酸化防止剤や防腐剤などの保存料があります。
添加物としてよく注目されていると思います。保存料にも化学合成と天然のものがあり、危険視されて使用が禁止されているものもあります。
嗜好性や色を調整する添加物
またキャットフードの香りや風味を強くする香料や甘味料、飼い主目線で美味しそうな色に見えるよう加えられる着色料なども添加物として挙げられます。
これらは化学合成で猫に健康被害を招く可能性のある添加物が多いため、チェックしておくべきです。
キャットフードの栄養添加物まとめ
はい、ペットフードにはまだ不透明な部分が多いと改めて感じました。