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大麦とは?小麦との違い
海外では「麦」という単語はない
大麦と小麦は似た名前のため、同じような食材と考えられる方もいますが、ムギは外見が似ている穀物の総称であり、別物として認識されます。
英語では日本語のような「ムギ」という単語や表現はなく、小麦は「wheat」、大麦は「barley」と全く別の単語で表現されています。
栄養価やアレルゲン、食品としての利用のされ方も違うので、キャットフードで原材料を考える際には混同しないようにしましょう。
キャットフードに使われる大麦について
食品における大麦
大麦は古くから栽培されてきた作物の一つで、米・小麦・トウモロコシの三大穀物に次いで、世界で4番目に多く生産されている穀物です。
生命力が強く、小麦の生産が難しい寒い地域や乾燥地域などでも栽培が可能な穀物です。
一見、小麦の方が馴染み深いと感じる方もいるかもしれませんが、実は大麦は、麦茶・麦ごはん・味噌・ビール・ウイスキー・焼酎など様々な食品に利用されている身近な食材です。
低~中価格帯のキャットフードの傾向
大麦が使用されているキャットフードをみてみると、低~中価格帯の傾向があるように思います。激安フードとまでは行かないけれどプレミアムフードというほど高くはない位置づけのブランドという印象です。
ちょうど間をいく、価格と品質のバランスを考えた商品といった感じでしょうか。
大麦の栄養成分
押し麦の栄養素
栄養成分 | タンパク質 | 6.2g | |
脂質 | 1.3g | ||
炭水化物 | 77.8g | ||
食物繊維 | 9.6g | ||
ビタミン | ビタミンB1 | 0.06mg | |
ビタミンB2 | 0.04mg | ||
ナイアシン | 1.6mg | ||
ビタミンB6 | 0.14mg | ||
葉酸 | 9μg | ||
パントテン酸 | 0.46mg | ||
ビタミンE | 0.1mg | ||
ミネラル | マグネシウム | 25mg | |
リン | 110mg | ||
鉄 | 1mg | ||
亜鉛 | 1.2mg | ||
銅 | 0.4mg | ||
セレン | 1μg | ||
モリブデン | 8μg | ||
カロリー | 100g | 340kcal |
タンパク質量は少ない
タンパク質量が多くなく、小麦に含まれる「グルテン(膨らむ作用をもつ)」も含まれていないので、アレルギー対策としてグルテンフリーの大麦をキャットフードに使用しているメーカーもあります。
炭水化物やモリブデン、銅が豊富
栄養素としては、穀物なので炭水化物、食物繊維は豊富に含まれています。
モリブデンや銅や豊富に含まれていますが、他の成分は飛び抜けて多く含まれているわけではありません。
大麦を使用したキャットフードのメリット
アレルギー対策
大麦はアレルギー対策のキャットフードに使用されることがあります。
小麦やトウモロコシのような高アレルゲンの原材料に比べて大麦はアレルギーのリスクが低いので、アレルギー療法食やアレルギー対策のキャットフードにも使われます。
満腹感と便通、毛玉ケア
また穀物である大麦は、猫の消化器官をゆっくり通り腸を掃除しながら排泄されるので、腹持ちがよく満腹感を感じやすい食材です。
また便通の改善や毛玉ケアのキャットフードにも利用されます。
コストを抑える
動物原料(肉や魚)に比べて低コストで生産できる大麦は、生産量も非常に多いためコストを抑えて安定的な供給が可能な原材料の一つです。
さらに、栽培環境も寒い地域や乾燥地帯でも育つので、災害にも強く供給不足が起こりにくいメリットがあります。
大麦を使用したキャットフードのデメリット
小麦の混入や交差反応によるアレルギー症状
メリットの項目で大麦はアレルゲンのリスクが少ないと言いましたが、大麦もアレルギーの注意は必要です。
大麦は小麦と同じ農地や栽培場所で生産されていることが多く、収穫などの過程で小麦が混入している可能性があります。少量の小麦にも敏感に反応してしまう猫には注意が必要です。
また他の穀物にアレルギー症状が出ている場合、交差反応によって似た構造のタンパク質に反応し症状が現れるケースもあるので、いずれかの穀物にアレルギーが出てしまった猫には、グレインフリーのキャットフードがおすすめです。
摂り過ぎると消化器官に負担がかかる
大麦は猫が消化しにくい食材なので、消化器官をゆっくり通って腹持ちが良いなどのメリットがあります。
しかし摂取しすぎると猫の消化器官に負担がかかり、吐き戻しの原因や下痢、便秘の悪化につながることがあります。
大麦を使用したキャットフード例
ブルーバッファロー ライフプロティション
チキン&玄米レシピでは、チキンが最も多く含まれ、次いで玄米、大麦、エンドウタンパクが配合されています。
穀物は玄米、大麦の他にオートミール(燕麦)が含まれています。
アーテミス フレッシュミックス
チキン、エンドウ豆に次いで配合されている大麦。米糠なども配合されています。魚肉も使用されています。
米糠には精製米には含まれないビタミンやミネラルが含まれています。
ロータス キャットフード
こちらも小麦やトウモロコシ、大豆などを不使用にしつつ、玄米や大麦などを使用しています。チキン、チキンミール、玄米、大麦という使用量になっています。
タンパク質量は35%と豊富です。
シシア ドライキャットフード
シシアはペットショップでもよく見られるメーカーの一つです。チキン、米について大麦が配合されています。動物性油脂やコーングルテンが気になるところです。
ソリッドゴールド キャットフード
ソリッドゴールドフントフラッケンはラムをメインに使用しているキャットフードで、玄米、大麦粉、雑穀、米糠、オートミールなど様々な穀物を使用していますが、小麦やトウモロコシは使用していません。
まとめ
- 作物が育ちにくい地域でも栽培可能
- 過酷な環境でも育つので、災害にも強く供給不足が起こりにくい
- 小麦の混入や他の穀物アレルギーとの交差反応に注意