猫に多い生活習慣病。肥満や糖尿病、関節疾患、肝臓病の予防方法

猫 生活習慣病

ペットは家族として大切にされ、猫は完全室内飼いとなり、専用のフードが用意され、健康診断や去勢・避妊手術の重要性も認知されてきています。

緊急を要する病気があれば、動物病院できちんとした治療が行われるので、不慮の事故や急性疾患で亡くなる猫の数も以前よりずっと少なくなったはずです。

猫の健康への配慮が進んだ一方で、寿命が長くなったことで生活習慣が原因で起こる慢性疾患が猫にも見られるようになってきました。

猫によく見られる生活習慣病の例

猫に多い生活習慣病

猫に多い代表的な生活習慣病は肥満です。肥満の結果として、糖尿病、肝臓病、関節疾患、消化器疾患などが見られます。

また、オス猫に多い生活習慣病では膀胱内に砂状の結晶がたまる排尿困難や尿道閉塞があります。

生活習慣病の原因

先にも説明したとおり、猫の糖尿病、肝臓病、関節疾患、消化器疾患などの生活習慣病は、過食や不適切な食事による肥満が原因です。

また、猫の場合はストレスも大きな要因のひとつです。

不適切な食事と運動不足

不適切な食事と運動不足は肥満の原因になります。カロリーの高脂肪・高炭水化物なおやつ、高い人用の食べ物などを頻繁に与えた場合、運動して消費されなければ、猫の体内に脂肪が蓄積されて太ります。

高齢になると体力や筋力が衰え、運動不足になりやすいので、食事を工夫しないと体重増加が進みます

ストレス

また、猫はストレスを感じやすい動物です。精神的・身体的にストレスによって、体内でホルモンが分泌され、免疫系の働きの抑制や血糖値・心拍数の上昇などを招き、生活習慣病の原因となることがあります。

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多頭飼いと単頭飼い

多頭飼いでは、ひとりになれる空間がなかったり、他の猫との関係がよくなかったりすると、ストレスで膀胱炎や繁殖障害を起こすことがあります。また、多頭飼いでは食事量の管理が難しく、他の猫の食事まで奪ってしまう食いしん坊な猫はどうしても肥満傾向になります。

単頭飼いではストレスは少ないものの、他の猫と関わらない分、運動量が低下しやすくなります。また、1頭なら少し手狭な家でも飼育できるので、生活空間が狭いと自然と移動距離が少なくなり、運動不足になりやすいです。

生活習慣病の予防

ストレスのない環境作り

猫にとって過ごしやすい環境作りをすることで、猫が感じているストレスを減らすことができます。

気温や湿度だけでなく、音やニオイ、物や人の移動をなるべく少なくし、猫が落ち着くことができるスペースを確保できるよう工夫しましょう。

多頭飼いの猫の場合、個別スペースを作ることは難しくなるので、屋根や壁付きの箱状のベッドやソファをいくつか設置するなどして、猫が安心できる場所を作ることが大切です

適切な食事管理と運動

猫の生活習慣病は肥満からくるものが多いので、日頃から肥満対策として食事の内容や量はきちんと管理しましょう。

また、運動不足にならないようキャットタワーを設置したり、おもちゃを使って少しでも運動を促すことも大切です。一度、体重が増加すると、体が重くなって余計に動くことが億劫になるので早めに対策しましょう。

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生活リズムを整える

飼い主の生活リズムが不規則になると、猫の生活リズムも乱れてしまいます。

完全室内飼いの猫にとっては、家の中の状態がすべてです。たとえば朝方まで電気を付けて起きていると、猫は昼と勘違いしてしまいますし、昼までカーテンを閉め切った暗い状態だと、夜のような感覚になってしまいます

猫の生活リズムを整えるには、飼い主さんの生活リズムも整えることを心がけるといいかもしれません。

まとめ

  • 猫の生活習慣病が増えてきている
  • 食事や環境による肥満が原因
  • ストレスのない環境作りと適切な食事管理が重要

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。