身近にある毒性が強い植物「キョウチクトウ」。猫による危険な中毒症状や対処法を解説

身近にある毒性が強い植物「キョウチクトウ」。猫による危険な中毒症状や対処法を解説。

キョウチクトウ(夾竹桃)とは

キョウチクトウはインド原産の暑さに強い常緑樹で、夏にかけてピンクや白といった美しい花を咲かせます。

庭先や街中、排気ガスなどの公害にも強いため高速道路沿いなどでよく見かける植物です。

一見、華やかなキョウチクトウですが、実は青酸カリよりも強い毒性があるため注意が必要。

杉浦さん
この記事では、人だけでなく、猫などのペットにも有害なキョウチクトウについてご紹介します。

猫にキョウチクトウが危険な理由

キョウチクトウは、花、葉、枝、根のすべての部分に、強心配糖体の「オレアンドリン」という毒成分を含んでいます。

キョウチクトウの木を燃やした煙も有毒で、周辺の土壌にも毒性があり腐葉土にしても1年間は毒性が残るため、取り扱いには非常に注意が必要な植物です。

例えば、キャンプ場で知らずにキョウチクトウの枝を焚き火に使用し、煙を吸い込んだ場合に嘔吐や下痢、脱力、倦怠感といった症状が現れます。

また、飼い猫を放し飼いにしていて、庭先に植えられているキョウチクトウや土に接触した場合にも同じような症状が出る可能性があります。

人よりも個体が小さい猫には、より重篤な中毒症状が現れる危険性も捨てきれません。

キョウチクトウによる中毒事例

  • 日本では、1877年(明治10年)の西南戦争のときに、官軍の兵が折った枝を箸代わりに利用し、中毒した例がある。
  • フランスでキョウチクトウの枝を串焼きの串に利用して死亡者が出た例がある。
  • 1980年に、千葉県の農場で牛に与える飼料の中にキョウチクトウの葉が混入する事故があり、この飼料を食べた乳牛20頭が中毒を起こし、そのうちの9頭が死亡した。

キョウチクトウ科の植物

アデニウムやニチニチソウなど、暑さに強く育てやすい植物ですが、キョウチクトウ科の植物には中毒成分が含まれているため、小さいお子様や猫などのペットがいる家庭では誤って口に入れないように対策を取る必要があります。

キョウチクトウ科の有毒植物
  • キョウチクトウ
  • オキナワキョウチクトウ(プルメリア)
  • マンデビラ(デプラデニア)
  • サンパラソル
  • アデニウム
  • ニチニチソウ
  • テイカカズラ
  • スタージャスミン
  • トウワタ
  • ガガイモ

猫がキョウチクトウを食べたときの症状

強心配糖体は、心筋の収縮力を強め、心拍数を減少させて心臓を休ませる作用を持つ薬物・成分の総称。

強心配糖体であるオレアンドリンは体内に入ると、直接心筋に働いて、不整脈や心臓麻痺など深刻な症状を引き起こし、致死量は 0.3mg/kgといわれています。

誤食だけでなく、枝や葉を折った際に出る白い樹液に触れると、かゆみやかぶれといった皮膚炎を引き起こします。

初期症状

誤食後、比較的早い段階で消化器症状が現れることがあります。

  • よだれが増える
  • 嘔吐・下痢
  • 食欲不振
  • 元気消失
  • 腹痛

中期症状

毒素の影響が全身に及び始めると、神経症状や循環器症状がみられることがあります。

  • ふらつき
  • 脱力
  • 落ち着きがなくなる
  • 瞳孔散大
  • 心拍数の異常(徐脈・頻脈)
  • 不整脈

後期(重症)症状

重症化すると心臓や呼吸器、神経系に深刻な障害が生じる可能性があります。

  • 呼吸困難
  • けいれん
  • 虚脱
  • 意識レベルの低下
  • 昏睡
  • 心停止

猫がキョウチクトウを食べたときの対処法

キョウチクトウの誤食が疑われる場合は、症状が出ていなくても速やかに動物病院へ連絡し、受診してください。

その際は、以下の情報を伝えると診察がスムーズになります。

  • 食べた時間
  • 食べた部位(花、葉、茎、花粉など)
  • 食べた量
  • 現在の症状

口の中に残っている植物を取り除く

猫の口の中に葉や花の破片が残っている場合は、無理のない範囲で取り除きましょう。また、ペーパータオルで口を拭うとかゆみなどの炎症が和らぎます。

自己判断で吐かせない

人間用のオキシドールや塩水などを使って無理に吐かせるのは危険です。誤嚥や症状悪化の原因になるため、自宅で催吐処置は行わないようにしましょう。

水や食べ物を無理に与えない

「薄めれば大丈夫」と考えて大量の水や食べ物を与えるのはおすすめできません。獣医師の指示がない限り、無理に飲食させることは避けましょう。

早めに動物病院を受診することが大切です。

猫によるキョウチクトウの誤食を防ぐためには

キョウチクトウによる中毒を防ぐためには、猫が植物に近づけない環境を整えることが重要です。

アデニウムやニチニチソウといったキョウチクトウ科を室内に持ち込んだり、猫の手が届く場所での栽培は避けましょう。

また、落ちた葉や花を誤食する危険もあるため、庭やベランダで育てている場合はこまめに清掃することが大切です。

植物を迎える際は、事前に猫への安全性を確認するようにしましょう。

猫田
以下の記事では、猫にとって危険な観葉植物を紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
その観葉植物、猫にとっては危険かも?中毒症状を起こす危険な植物一覧と症状、安全対策まで

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2026年5月26日

ABOUTこの記事をかいた人

土橋

プードル、ペキプーなど15年以上動物と暮らし、犬の介護経験もあります。グルメ、旅行が趣味で全国へ取材に行き、地方ならではの魅力や遊びについて各メディアに寄稿した経験もあります。読者の皆様にわかりやすく、親しみやすい文章で執筆することを心がけています。損害保険募集人一般試験などの資格も取得。