pH(ペーハー)とは
液体の性質を測るための値
pH(ペーハー)は正式な名前を「水素イオン指数」と言い、液体の性質を測るための単位です。水素イオン指数を記号として表したのが「pH」となります。
液体のpHの値を見ることで、液体が酸性・中性・アルカリ性どの水質なのかを知ることができます。
pH値は0~14まで
pHは0~14までの値で表されます。0~14の中でちょうど中間にあたるpH7=中性となります。
pH値が7よりも低くなれば酸性に近づき、反対にpH値が7よりも高くなればアルカリ性に近づきます。
猫の尿はpH6.4~6.5が正常値
猫の尿の正常値
猫の尿の正常なpH値はpH6.4~pH6.5 前後だと言われています。
pH6.4~6.5という値は「弱酸性」にあたり、中性よりもやや酸性に傾いた状態が猫にとって正常な状態となります。
pH6.0~6.6は正常値の範囲
pH6.4~6.5が正常と言いましたが、pH値は一定であるわけではなく時間帯や食事の前後などで変化します。
その中でもpH値が6.0~6.6の範囲内にあるのが安全と言われています(獣医さんによって意見は分かれます)。
正常値以上・以下だった場合
pH7以上:ストルバイト結石
猫の尿がアルカリ性(pH7が以上)の場合「ストルバイト結石」という尿路結石ができやすくなります。
1960~1990年代までの猫の尿路結石は、このストルバイト結石が非常に多かったと言われています。
ストルバイト結石の原因はキャットフードや食事だと言われており、尿のpH値を6.6以下にすることで結石は溶かすことができます。
そのためストルバイト結石の主な治療は食事療法となります。(そのため猫の尿の正常値は6.6以下と言われることが多い)。
現在のキャットフードはストルバイト結石にならないように調整された商品が多いため、当時よりもストルバイト結石にかかる猫は少なくなりました。
pH6以下:シュウ酸カルシウム結石
猫の尿が酸性に傾き過ぎると「シュウ酸カルシウム結石」という尿路結石ができやすくなります。
現代、ストルバイト結石にかわって増えてきてしまったのが、このシュウ酸カルシウム結石です。
シュウ酸カルシウムの厄介なところは、食事療法では溶かすことができないところです。シュウ酸カルシウム結石がつくられてしまった場合、取り除くには手術が必要になります。
そのためストルバイト結石ばかりを気にしてpH値を下げ過ぎないよう気を付けなければなりません。
自宅で!猫の尿のpHの調べ方
猫用pH試験紙
猫の尿のpHを調べるための試験紙が販売されています。5.5~8.0までのpHの値を0.2~0.3の間隔で細かく調べられます。
より正確なpHの値を知れるため、pH値を正確にチェックしたい方におすすめです。
pH検査ができる猫砂
尿のpHによって色が変化する猫砂も販売されています。上記のpHチェック用の猫砂は、猫の尿に下部尿路疾患の恐れがあった場合、反応して黄色から青色に変わるので、わざわざ猫が尿をするのを待ったり、試験紙に尿をつけたりする苦労がない分、毎日楽に猫の尿をチェックできます。
pH値の調整に効果的な食べ物
クランベリー
ストルバイト結石の予防に効果的な食べ物はクランベリーです。クランベリーは猫の尿を酸性に傾ける働きがあるため、pH値が高めの猫におすすめです。
また細菌の付着や繁殖を防ぐ効果もあり、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
クランベリーのサプリメントや、クランベリー入りのキャットフードもあるので、pH値が高めでストルバイト結石の心配がある猫にはおすすめです。