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そうですね。猫は人間のようにダラダラ汗をかいたりすることはありませんよ。
その理由は人間と猫の汗腺の違いにあります。
猫が全身にびっしょり汗をかくことはない
猫は分厚い被毛に覆われているのにも関わらず、汗で全身が濡れたりすることがありませんよね。
私たち人間は、暑い時や夏に少しでも外に出れば、自然と汗が吹き出してきてしまいますが、猫はなぜ汗をかかないのでしょうか?
猫が汗をかくのは肉球と鼻です
基本的に汗をかかない猫も唯一、肉球と鼻には汗をかきます。
肉球の場合、ジャンプや走る時に肉球が滑り止めになるため、肉球には湿らせる程度に汗が必要になります。
鼻もまた猫が汗をかいている部分で、猫の鼻が湿っているのは汗をかいているからです。
猫が全身に汗をかかない理由
人間と猫の汗腺の違い
なぜ猫は肉球と鼻以外は汗をかかないのかは、人間と猫が持っている汗腺の種類の違いが関係しています。
- 人間に多い → エクリン腺
- 動物に多い → アポクリン腺
人に多いエクリン腺、猫に多いアポクリン腺
人間は「エクリン腺」が発達している
まず、私たち人間が全身に持っているのは、汗を作り出す「エクリン腺」という汗腺です。
エクリン腺がつくる汗は、水のような無色透明の液体で、体の熱を外に逃す体温調節が目的となっています。
猫は「アポクリン腺」が発達している
猫が全身に持っているのは、匂いのある汗を作り出す「アポクリン腺」という汗腺です。
アポクリン腺が作る汗はエクリン腺に比べると少量で、乳白色でニオイのある汗です。
アポクリン腺は体温調節ではなく、匂い(フェロモン)を出すことを主な目的としています。
動物はアポクリン腺が発達している
ちなみに猫に限らず、多くの動物はアポクリン腺が全身に備わっていることが多いと言われています。
人間はワキなどの一部にしかアポクリン腺がありませんが、それは動物全体で見れば圧倒的に少数派のようです。
そもそも汗をかく動物は哺乳類に限られるため、汗をかく動物自体大多数というわけではないと言えます。
猫はどうやって体温調節をするのか
人間はエクリン腺から出る汗で体温を調節すると言いましたが、エクリン腺を多く持たない猫は、どのようにして体温調節を行っているのでしょうか。
グルーミング後の気化熱
猫は暑い時、グルーミングをすることで舐めた部分を濡らし、その気化熱で体温を調節しています。
気化熱というとわかりにくいかもしれませんが、うちわや扇風機で濡れた場所を乾かす時には涼しく感じると思います。猫はこの液体が気化を使って体温を調節しています。
冷たい場所・気温の低い場所に行く
また猫の体の中で行うことではありませんが、猫は涼しい場所や床が冷たい場所などに移動することで体温調節をしています。
猫は鼻から気温の変化を敏感に感じることができるため、日陰やエアコンの真下、フローリングなど直接ひんやりとした場所に体を付けることで体の温度を調節します。
猫は人間ほど暑さに強くない
熱中症や脱水症状になりやすい
猫にも体温調節をする方法はありますが、人間が汗による体温調節ほど効率よく体温を下げることはできません。
そのため猫は人よりも、より暑さを強く感じています。もし人間がとても暑いと感じているなら、猫は熱中症や脱水症状などになっているかもしれません。
自宅で猫を飼っている方は、夏場や外出する際は、部屋の気温調節を特に気にかけましょう。
<おまけ>ワキガの原因「アポクリン腺」が多いのに猫が臭くない理由
猫の汗は臭くない
最後におまけですが、人の場合「ワキにあるアポクリン腺がワキガの原因になる」と言われています。
酸っぱい臭いとはまた違う独特な臭いのするワキガですが、アポクリン腺が多い猫からワキガのような臭いはしませんよね。これはなぜなのでしょうか。
アポクリン腺からの汗は無臭
そもそもアポクリン腺から分泌される汗自体は無臭と言われています。
人の場合、アポクリン腺から分泌された汗がエクリン腺の汗などと混ざり、皮膚や毛の常在細菌に分解されることでワキガの臭いを発生させると言われています。
エクリン腺が少なく常在細菌も異なる
猫は人と違ってエクリン腺が一部にしかなく、さらに人と猫では常在細菌に種類も大きく違うため、主な汗腺がアポクリン腺でもワキガのような臭いがしないのではないかと個人的には考えています。
猫の汗まとめ
- 猫が汗をかくのは肉球と鼻だけ
- 人間よりも暑さに弱い
- 体温調節は気化熱や涼しい場所への移動で行っている
- 猫はアポクリン腺が発達している
- でもワキガのような臭いはしない