「黒猫に横切られると不吉」は迷信!幸運猫という前提から生まれた言葉だった

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鈴木さん
わたしも今日道を歩いていたら、目の前を黒猫が横切っていったんですよね。「黒猫に横切られると不吉なことが起こる」と聞きますが、何か不運や不吉なことが起きる予兆なんでしょうか…。
猫田
黒猫は縁起が悪く不吉・不運な存在として見かけるとがっかりされることが多いですが、不運や不吉の象徴というのはただ迷信で、黒猫は昔から縁起の良い「幸運猫」として人気の猫だったんですよ。

黒猫が不吉の象徴という迷信

言い伝えや噂でよく聞かれる「黒猫を見かけると不吉」「黒猫に横切られると縁起が悪い」という話。私も小学生の頃からこの話は知っていたので、黒猫を見かけたら横切られまいと避けて通ったり道を変えていました。

黒猫

今はそんな話もすっかり忘れて猫ライフを楽しんでいますが、この黒猫が不吉という話。一体どこから出た話で、ここまで広まった理由は何なのでしょう。

黒猫へのマイナスイメージを払拭するため、黒猫だけでなく歴史も一緒に調べていくと、黒猫は不運や縁起の悪い猫ではなく「幸運を呼ぶ縁起の良い猫」だったということが分かりました。

黒猫は日本では昔から縁起の良い猫として大切にされていた!

あんこ猫=縁起の良い、幸運

昔日本で黒猫は、餡子のような真っ黒な姿から「あんこ猫」と呼ばれ、縁起の良い幸運な猫として大切にされていました。

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あんこ(餡子)は紅白饅頭や銘菓など華やかな和菓子に使われる縁起の良い食材です。あんこの原材料のあずき(小豆)も厄除け・魔除けの意味があり、赤飯や供え物に使われル縁起の良い豆です。

そんな縁起の良い食材に例えられていた黒猫は縁起の良い動物として歓迎されていたということが分かります。

黒い招き猫は魔除け・商売繁盛の象徴

また黒猫は商売繁盛の象徴、勝負運UPでお金を引き寄せるとも言われています。厄除け・魔除けの意味もあるので、商売をするお店の店頭には黒い招き猫がよく置かれています。

勝負運アップの話では、2010年頃に三鷹駅南口の宝クジ売り場の幸運の黒猫「クロちゃん」が宝クジを当てる黒猫として話題になりました。黒猫のクロちゃんが宝くじ売り場に現れるようになってから大当たりが続き、クロちゃんの御利益が話題になったことで当選を求めてこの宝クジ売り場の売り上げも上がったそうです。

黒猫を飼うと病が治って恋愛も成就

さらに江戸時代の頃にあった話では、黒猫を飼うと結核の病が治る、恋が成就して結婚できると言われていました。ここまで来るともう黒猫が神様のような存在に思えてきます。

上記の黒猫の幸運伝説を総合すると、黒猫を飼えば金運・勝負運・健康運・恋愛運すべての運気がUPする上、魔除け・厄除けまで期待できるという、良いことづくめの幸福猫なわけですが、ここまで縁起の良い猫として扱われてきた黒猫が、なぜ「縁起が悪い猫」と言われるようになってしまったのでしょうか。

「黒猫に横切られると縁起が悪い」は黒猫が幸運猫である前提から生まれた言葉

きっかけは言葉の解釈の違い

「黒猫に横切られると縁起が悪い」というのは、言葉の解釈の違いがきっかけだと言われています。

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黒猫に横切られると縁起が悪いというのは、もともと「縁起が良い黒猫(あんこ猫)に見向きもされず、素通りされてしまうなんて、なんて縁起が悪いんだ!」という意味で使われていた言葉で、黒猫が縁起が良い猫であるという前提から生まれた言葉でした。

黒猫自体が縁起の悪い印象になった

ですので本来の意味を考えれば、黒猫が素通りや横切ったりせず、自分に寄ってきてかまってきたりしたらラッキー(縁起が良い、幸運)ということになります。

ですがこれがいつの間にか「黒猫に会ってかまわれなかったらどうしよう…それなら黒猫に会わない方が…」というネガティブな考え方も働いてか、黒猫自体が縁起の悪いものとして考えられるようになってしまいました

しかしこのちょっとした解釈の違いでここまで黒猫が不吉・不運の象徴としてイメージが定着してしまうでしょうか。それには他にも理由があると思いましたので、以下は海外の歴史から考えた考察としてご覧下さい。

欧米では黒猫は魔女の手先と考えられ迫害されていた

欧米の魔女狩りの歴史と黒猫

中世ヨーロッパでは「魔女狩り」が行われていました。15世紀頃、ヨーロッパでは世界で起こる不幸な事件や災害などはすべて魔女のせいだとされ、魔女と疑われた数万人がひどい迫害を受け処刑されました。

この時代に黒猫は魔女のパートナー・手先であると考えられており、魔女と同様にひどい虐待や迫害を受けていました。

このような歴史から、欧米では黒猫に対して現在でも不気味・不吉・不幸の象徴というマイナスイメージを持つ国が多いようです。

開国後は欧米文化の影響を強く受けている

日本は欧米から強く影響を受けて発展してきた国でもあり、文化でも欧米からの影響を強く受けています。そのため日本でも江戸時代が終わり鎖国解除後、黒猫が不吉の象徴、縁起が悪いと印象付いてしまった可能性が考えられます。

また、明治以降のメディアやテレビの発達によって、海外の作品を映像で見ることも難しくなくなりました。怪しさや不吉さを表現するために黒猫が暗闇や不気味なシーンに描写される作品を何気なく観ることで、話や文字だけで入る情報より黒猫が不吉な存在としてリアルに印象付きやすくなったのではないかと推測します。

猫にはスピリチュアルな霊能力があると考えられている

猫は人に見えないものを感じ取れる?

魔女狩りによって黒猫が迫害された歴史は痛ましいですが、海外で黒猫が魔女の手先やパートナーと言われるようになったのは、黒猫に限らず、猫にスピリチュアル的な能力があるとされていたからではないでしょうか。

猫はときおり何もない空間を真剣にじっと見つめたり、ヒゲから天気や災害を感じ取っていたり、人に分からない何かを感じ取っているように見える瞬間があります。

猫は人にとって身近な存在なのにも関わらず、何かを感じ取っているようなミステリアスな部分もあったため、何か起きると猫がその事象の原因と言われるようになったのかもしれません。

人間の勝手な歴史やイメージに黒猫が振り回された

同じ猫でも、オッドアイ猫や白猫は「神の使い」と言われています。黒猫は真っ黒な姿で暗闇に溶け込みやすく不気味さもあってか、不思議な能力を使って魔女と悪さをしていると思われたのかもしれません。

確かに魔女狩りが行われるような不安な時代に、不思議な能力を持つ生き物が暗闇からこっちを見ていたら恐怖を感じるのかもしれません。ですが黒猫が良くない生き物というのは、人から見た単純な印象やこじつけです。白猫やオッドアイ猫のように大切に扱われるならいいものの、黒猫のように迫害や虐待を受ける歴史が繰り返されないように噂や迷信に振り回されないことも大切だと感じます。

まとめ:黒猫が不吉という印象は払拭されつつある?

  • 黒猫は運気アップや魔除けになる幸運猫だった!
  • 黒猫に横切られると不吉は迷信
  • 黒猫が不吉なのは欧米の魔女狩りが関係
  • 人間の勝手な歴史やイメージに黒猫は振り回された
鈴木さん
毛の色だけでこんなに印象が変わってしまうんですね。魔女狩りの歴史や人からの勝手な印象で迫害されたり虐待されるというのは悲しいですし、繰り返してはいけない歴史だと感じました。
猫田
そうですね。黒猫の悲しい歴史を忘れないために、イギリスやイタリアなどでは「黒猫の日」が制定されていたり、ベルギーでは黒猫のお祭りも開催されています。世界の意識も大きく変わってきているのではないでしょうか。

日本で黒猫は大人気

猫田

黒猫に横切られると不吉という話は有名ですが、日本では黒猫を飼っている方も多く、悪い印象を抱く人はだいぶ少ないかと思いす。黒猫自体もですが、黒猫をモデルにしたキャラクターも人気です。

たとえばジブリ作品「魔女の宅急便」、クロネコヤマト(ヤマト運輸)、黒猫のウィズ、グランブルファンタジーの黒猫道士など有名な携帯ゲームでも黒猫が登場しています。黒猫の洋服や黒猫をモチーフにしたキャットフードもあります。

鈴木さん
日本以外でもアメリカのアニメーションキャラクターフィリックス・ザ・キャット、イタリアの童謡黒猫のタンゴなど海外でも黒猫をモデルにした有名作品がたくさんありますよね。
猫田
徐々に「黒猫が不吉」というイメージもなくなってきているのだと思いますよ。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。