キャットフードのカツオ。栄養素と成分の特徴、嗜好性を解説

カツオ キャットフード
鈴木さん
うちの猫はカツオ節が大好きで、よく奪おうとケンカを仕掛けてくるのですが、キャットフードにカツオが使用されることもありますよね。
猫田

はい。日本のキャットフードや猫用のおやつにはカツオで嗜好性を高めたり、ふりかけの風味付けに利用されることもありますね。

ただ海外ではあまりカツオを使ったキャットフードは見られないんですよ。

カツオを使用したキャットフードの傾向

日本人飼い主に向けの国産キャットフードに多い

カツオを使用しているキャットフードは、圧倒的に日本人向けの国産キャットフードに多いです。

日本人は「猫が好きな食べ物=魚」という印象が強いこともあり、国内メーカーは魚が配合されているキャットフードを多くつくっています。

特に日本では、かつお節好きな猫が多いこともあり、キャットフードでもカツオやカツオのエキスで風味つけをするメーカーが多いです。

海外で魚系のキャットフードと言えば、サーモンやサバ、イワシ、ニシンなどが主流で、カツオをメインに使用したキャットフードはあまり聞きません。

ただ海外産フードの「ツナ」はカツオかも?

ただ海外産のキャットフードに中にはカツオが「ツナ」として配合されていることも。

ツナはマグロのことだけを指すように思われがちですが、マグロの仲間全般をさす言葉なので、カツオもツナに分類されます。

そのためキャットフードでも原材料名に「ツナ」とあった場合、マグロだけでなくカツオが入っているかもしれません。

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おやつや猫缶が多い

またカツオは、猫の毎日の主食となる総合栄養食というよりは、おやつや猫缶に使われていることが多い印象です。

総合栄養食ではそれこそサーモンが主流であることが多いですが、日本で風味付けに使用されるのはカツオやマグロなどの魚という傾向があります。

カツオの栄養成分

栄養成分(刺身)タンパク質15g
脂質3.72g
炭水化物0.12g
ビタミンナイアシン10.8mg
ビタミンB60.46mg
ビタミンB125.16mg
ビタミンD5.4μg
灰分セレン60μg
ナトリウム22.8mg
カリウム228mg
リン156mg
カロリー100g99kcal

栄養素はカツオが刺身の状態の栄養素なので、乾燥させた状態で加えられるキャットフードとは栄養が変わってきますが、生の状態ではビタミンやミネラルが豊富です。

ミネラルではセレンや鉄分などが豊富に含まれており、ビタミンではビタミンB群、ビタミンDなどが特に豊富です。

またタンパク質も豚肉と同じくらいかそれ以上に含まれています。

カツオをキャットフードに使用するメリット

ビタミンやミネラルが豊富

カツオには栄養の項目でも説明した通り、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

ナイアシンは動物原料から摂取する方が利用性が高いため、カツオからナイアシンを摂取するのはおすすめです。

またミネラルの中でもセレンが多く含まれています。セレンは抗酸化物質として働き、猫に取っても微量に必要なミネラルとなっています。

嗜好性が高く食いつき向上に役立つ

カツオの香りが大好きな猫は多いです。魚好きな猫にとってカツオの香りがあるだけで嗜好性を高め、食いつきを高めてくれる嬉しい食材となります。

あまり食べてくれない猫にはカツオ風味のキャットフードを与えることで緊急時にも栄養を補給してくれやすくなります。

日本人へのイメージが良い

またなんといってもカツオは日本でもダシとして使われたり、食卓に並ぶなど一般的な食材で、食材自体への信頼性も高いです。

またカツオ節や魚好きな猫のイメージもあいまって、カツオへの日本人のイメージが良いという点もメリットとなります。

カツオをキャットフードに使用するデメリット

量が多いと黄色脂肪症(イエローファット)に

あまりにカツオを多く使用したキャットフードを毎日のように食べていると、黄色脂肪症(イエローファット)という病気になることもあるので、注意が必要です。

イエローファットとは脂肪が酸化し黄色く原色し炎症を起こした状態を言います。脂肪が堅くなりしこりのようなものができます。

これはカツオだけでなく、マグロを始めとして青魚を多く摂取するとなる病気で、青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の過剰摂取が原因で発症します。

この危険があるからカツオやマグロはキャットフードのメインには使用されないのかもしれませんね。

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カツオアレルギーには注意

カツオもまたタンパク質を多く含む動物原料です。アレルギーはタンパク質の構造が原因で反応するのでカツオに対してアレルギー反応が出る猫もいます。

チアミーゼによるビタミンB1欠乏症

さらにカツオにはチアミーゼという成分が多く含まれています。

チアミーゼはビタミンB1を破壊する働きがあるため摂取しすぎた猫はビタミンB1欠乏症になってしまいます。

ただしチアミナーゼは加熱すればその作用を失うので、ドライフードはしっかり加熱して与える場合には心配する必要はありません。

カツオを使用したキャットフード例

カツオを使用したキャットフードの例
  • チャオチュール
  • キャネットチップ
  • ペット&i
  • 焼かつお
  • プレミアムキャットフード カツオ
  • 黒缶
  • キャラットキャットフード
  • 和の極み
  • セブンプレミアム 毛玉をケアするキャットフード

上記のキャットフードはいずれも日本のメーカー・日本の製造工場で作られた国産キャットフードです。

他にもありましたが、どれもおやつやふりかけだったのでこのくらいにとどめておきました。

カツオを使用したキャットフードのまとめ

猫田
以上カツオを使用したキャットフードについてまとめてきました。
鈴木さん
確かにカツオやマグロがキャットフードのメインとして使用されていることってほとんどないですよね。
猫田
私も見たことがありません。それはデメリットの項目にあるような理由が関係しているのかなと考察しています。
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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。