猫はもずくを食べても大丈夫!腸内環境の改善や糖質の吸収を抑制。食べるなら食前がおすすめ

猫はもずくを食べても大丈夫!腸内環境の改善や糖質の吸収を抑制。食べるなら食前がおすすめ

キャットフードの原材料:もずく(mozuku seaweed

もずくはシオミドロ目ナガマツモ科に属する、糸状の海藻です。独特のぬるぬると柔らかさが特徴で、酢の物やスープ、サラダ、天ぷらなどさまざまな料理に使われています。

もずくには猫にとって中毒となる成分が含まれていないので、食べても大丈夫です。

猫田
 スーパーで販売されているのは生もずく、乾燥もずく、もずく酢、塩もずくなどがありますが、猫が食べても大丈夫なのは生もずくと塩もずくです!
この記事では、猫にもずくを与えるメリットや栄養、注意点をご紹介します。

もずくのおすすめの与え方

  • 生もずく:とれたて新鮮なもの
  • 乾燥もずく:生もずくを乾燥させたもの
  • 塩もずく:生もずくを塩漬けして長期保存に適したもの
  • もずく酢:酢やしょう油、砂糖、みりんなどで味付けしたもの

塩もずくは塩抜きをする

塩もずくは塩漬けされたものですが、塩抜きすれば猫が食べても大丈夫です。人用でも猫用でも必ず塩抜きが必要となり、そのまま食べるにはあまりにもしょっぱくて、猫は舐めただけでも塩分過多で体調を崩してしまう恐れがあります。

塩もずくの塩抜きは人用であれば数分~1時間程度で済みますが、猫用の場合はさらに時間をかけて行う必要があります。猫用は十分に塩が抜けるまで行わなければならないため手間と時間がかかりますが、塩もずくはスーパーなどで手に入りやすいのがメリットです。猫に与えるときは十分に塩抜きを行いましょう。

塩抜きの方法はいくつかありますが、下記が一般的な方法となります。

  1. 塩もずくをザルに入れ、流水で塩を落としながら揉み洗いする
  2. もずくをたっぷりの水に入れ、1時間ほど漬けておく
  3. もずくを水切りし、流水で揉み洗いする
  4. 2~3を繰り返す

茹でる、湯通しする

もずくは歯ごたえがある食べ物なので、猫にとっては飲み込むと胃腸に負担がかかります。猫にもずくを与えるときは茹で、柔らかくしましょう。

猫によってはもずくのシャキシャキ感を好む子もいるので、食感を残したい場合は湯通しでも大丈夫です。

小さくカットする

猫の喉は細いため、もずくは小さくカットしてから与えましょう。フードプロセッサーでペースト状にすると舐め取りやすくなります。

もずくを与える頻度は1~2週間に1回程度です。ドライフードにトッピングしたり、おやつとして与えましょう。

与えるのは食前がおすすめ

もずくに含まれる食物繊維は腸内環境を整えるだけでなく、糖質の吸収を抑制する働きを持ちます。

そのため、肥満ぎみの猫、糖質を抑えたい猫の場合は、ドライフードにトッピングというよりは食事の前に与えることがおすすめです。

もずくの栄養とメリット

生もずく/塩抜きの栄養素(100gあたり)
エネルギー4kcal
脂質0.1g
ナトリウム90mg
カリウム2mg
カルシウム22mg
マグネシウム12mg
食物繊維1.4g
β-カロテン180μg

※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

β-カロテンは抗酸化作用

もずくに含まれるβ-カロテンは、生活環境や老化によって体内に蓄積された活性酵素を除去する抗酸化作用を持っています。さらに細胞の生成や修復を行うため、皮膚や被毛、粘膜の健康維持、がん予防、老化予防などに期待ができます。

低カロリー・低脂質

もずくは低カロリーなうえに低脂質です。そのため、ダイエットをしている猫や糖質制限をしている猫におすすめです。歯ごたえやシャキシャキ感もあるので、満腹感を得ることもできます。

独特のぬるぬる成分「フコイダン」

もずくの独特のぬるぬる成分は、もずくや昆布、わかめなどの褐藻類のみに含まれる水溶性食物繊維のフコイダンです。もずくのフコイダン含有量は他の褐藻類よりも数倍多く含まれています。

フコイダンにはコレステロール低減作用や腸内環境改善作用、血圧・血糖値上昇抑制作用、血液をサラサラにする作用など、作用は多岐にわたります。

参考:内閣府認証 特定非営利活動法人NPOフコイダン研究所

猫にもずくを与えるときの注意点

乾燥もずくは与えない

乾燥もずくは水に戻すと20倍ほどに膨らむといわれています。そのため乾燥もずくをそのまま猫に与えると胃の中の水分を吸って膨張し、消化不良や腸閉塞になる恐れがあります。

市販のもずく酢は与えない

スーパーなどで販売されているパックのもずく酢には、酢やしょう油、みりんなど多量の調味料が含まれています。これらは猫の健康に害となるので与えてはいけません。

与えすぎると下痢や嘔吐に

もずくには水分や食物繊維が豊富に含まれているので、与えすぎると下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こす恐れがあります。ダイエットや腸内環境の改善、便秘ぎみだからといって、過剰に与えるのはおすすめできません。

豊富なミネラルは尿路結石に注意

もずくにはナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが比較的豊富に含まれています。他の海藻のわかめやこんぶと比べると含有量は少ないですが、過剰摂取をすると尿路結石を引き起こす恐れがあります。

猫は尿路結石になりやすい動物なので、注意が必要です。

また腎臓に疾患を抱えている猫はミネラルの摂取に制限があるため、過剰摂取すると疾患が悪化する恐れがあります。

まとめ

  • 猫が食べても大丈夫なのは生もずくと塩もずく(塩抜きが必ず必要)
  • 低カロリー・低脂質なのでダイエットにおすすめ
  • フコイダンの作用はコレステロール低減や血圧・血糖値上昇抑制など多岐にわたる

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通して猫ちゃんの魅力を発信し、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決することで、飼い主さんと猫ちゃんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。