キャットフードの原材料:稗(ヒエ)
稗(ヒエ)はイネ科ヒエ属の植物の種子で、日本を含む東アジア地方で栽培されている古代穀物のひとつで、一部の地域ではヒエが主食になっていたこともありました。気温が低く田を作れない丘陵地帯や山間部でも栽培が可能だったことから「冷え(ヒエ)に強い作物」が由来とされています。
稗(ヒエ)は、かなり小粒で炊いても粘り気は少なく、パラパラ・プチプチとした食感が特徴です。非常にマイルドで淡泊な味ですが、香りが高く甘みもあり、現在も雑穀類のひとつとして栽培・消費されています。
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ですが、稗(ヒエ)は、粟や黍、麦、ソバなど他の雑穀類に比べるとあまりキャットフードには使用されていません。
稗(ヒエ)はの栄養素と猫におけるメリット
グルテンを含まない
稗(ヒエ)は炭水化物としてエネルギー源として利用することができ、またグルテンを含まない穀物なので、グルテンにアレルギーのある猫にも与えることができます。
食物繊維が豊富で腸内環境の健康維持をサポート
また、稗(ヒエ)は精白米の約8倍の食物繊維を含んでいます。
特にヒエには不溶性食物繊維が豊富で、便量増加や便通を促進することで、便秘予防の効果が期待されています。
鉄、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB群が豊富
また、稗(ヒエ)にはミネラルやビタミンも豊富です。
ミネラルについても白米の数倍含まれており、マグネシウム・鉄は2倍、リンは3倍も多いとされています。
また、エネルギー生産や神経機能に関与し、体の健康や正常な機能を保つ必須栄養素のビタミンB1(チアミン)、ビタミンB3(ナイアシン)なども豊富に含まれています。
稗(ヒエ)の注意点、危険性
生では与えず炊いてから与える
稗(ヒエ)を猫に与えたい場合は、必ず生では与えず米と同じように炊いてやわらかい状態に調理してから与えましょう。
固い生の状態で与えると、消化不良や吐き戻しの原因になります。
与え過ぎにも注意
また、稗(ヒエ)の主な成分は炭水化物ですが、猫の主なエネルギー源はタンパク質なので、稗をたくさん与えてもエネルギーとして効率よく活用できません。
総合栄養食には十分なタンパク質量が含まれているので、稗の与え過ぎで総合栄養食を食べる量に影響が出ないよう少量にとどめるように心がけましょう。
まとめ
- 稗(ヒエ)は雑穀のひとつ
- あまりキャットフードでは使用されない
- 食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富
- 生ではなく炊いてから与える
- 与え過ぎにも注意