キャットフードの原材料:オレンジ
代表的な柑橘類
オレンジはミカン科ミカン属の柑橘類に属する果実です。
オレンジは世界中で様々な種類のものが栽培されていますが、一般的に「オレンジ」と言われるのは、ネーブルオレンジやバレンシアオレンジなどスイートオレンジの種類になります。
スイートオレンジは生で食べることはもちろん、ジュースやスイーツ、料理に使われるソースなどオレンジをつかった加工食品にもよく利用されます。
ミカンとオレンジの違い
「ミカン」はマンダリンオレンジの仲間で「温州みかん」を指すことが多いです。
日本ではオレンジと混同されやすいミカンがありますが、オレンジとは柑橘類の仲間ではありますが、種類は別で栄養も多少異なります。
キャットフードではミカンが原材料として使用されることは少ないため、ここからはスイートオレンジについて詳しくご紹介していきたいと思います。
オレンジの栄養素
ビタミンCとビタミンP(ヘスペリジン)
オレンジにはビタミンCとビタミンP(ヘスペリジン)などの抗酸化物質が豊富に含まれています。また葉酸やカリウム、銅、クエン酸なども豊富です。
タンパク質 | 0.9g | |
脂質 | 0.1g | |
炭水化物 | 総量 | 11.8g |
食物繊維 | 1g | |
ミネラル | カリウム | 180mg |
銅 | 0.06mg | |
ビタミン | 葉酸 | 34μg |
ビタミンC | 60mg | |
カロリー | 100g | 46kcal |
キャットフードにオレンジを使用するメリット
毛細血管の強化と血管の巡りを助ける
オレンジの皮に多く含まれるビタミンP(ヘスペリジン)は体内では毛細血管の強化や血液の流れを助ける働きがあります。
ビタミンPについてはあまり知らない方も多いかと思いますが、ビタミンPはポリフェノールの一種でビタミンCと相性が良く、血管を柔軟な状態を保ちウイルス感染などから防御する働きがあります。
血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させる
またビタミンP(ヘスペリジン)は、血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させる効果があります。他にもアレルギー反応を抑える作用などの機能も報告されています。
歯茎の健康を維持する有効成分でもある
さらにヘスペリジンは、歯茎の健康を維持する有効成分としてもペット用のオーラルケア商品に配合されることもあります。
キャットフードにオレンジを使用するデメリット
ビタミンCは猫にとって必須ではない
猫の場合、そもそもビタミンCは体内で合成することが可能なので必須栄養素というわけではありません。
人は体内で合成することができないので食事からビタミンCを摂取する必要がありますが、犬や猫は必ずしも食事から多くを摂取する必要はありません。
有害物質のリモネン
柑橘類の香りを構成するリモネンは特に皮に多く含まれており、猫にとって毒性が特に高いと言われています。
猫がリモネンを摂取すると、手足の震えや嘔吐、皮膚の炎症、運動障害などの中毒症状を引き起こす可能性があります。そのためリモネンが多い柑橘類は基本的に猫にはNGと言われており、また猫がオレンジや柑橘類を嫌うことも多いです。
ただ皮を剥いてリモネンが含まれない状態のオレンジなら猫に与えることは可能なので、キャットフードにオレンジが含まれていても問題はありません。
猫がオレンジを嫌うこともある
猫にとって毒性の可能性のあるオレンジや柑橘類のフルーツを嫌う猫もいます。リモネンは香りを構成する成分ですから、柑橘類の香りを嫌う猫もいます。
そのため万人(猫)受けするフルーツではないことは認識しておいた方がいいかもしれません。配合量が少なく他の食材も豊富に含まれていればそこまで気にならないかもしれませんが、オレンジの風味が強いキャットフードの場合は、好き嫌いは出るかもしれません。
キャットフードのオレンジまとめ
キャットフードのオレンジについてお話してきました。簡単に復習しましょう。
- 血管を強化する働きがある
- コレステロールや中性脂肪を減らす
- オーラルケア商品にヘスペリジンが利用される
- 皮に多く含まれるリモネンに注意
- オレンジの風味が強いと好き嫌いが出やすい