キャットフードのサイリウム(オオバコ)。高い保水力で腸内環境や血糖上昇に配慮、生薬の消炎作用

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キャットフードの原材料:サイリウム(オオバコ)

サイリウム(Psyllium)・サイリウムハスク(Psyllium husk))は、オオバコの種子外皮を粉末にしたものでキャットフードではよく使われている原材料です。

サイリウムに加工されるオオバコ(Plantain)は、日本では道端などにもよく生えているオオバコ科オオバコ属の野草で種子は生薬としても利用されています。

海外の有名ブランドやメーカーの製品でもサイリウムやオオバコを使用したキャットフードは多くあり、ペットフードでは比較的メジャーな原材料といえます。

オオバコをつかったキャットフード

猫におけるサイリウム・オオバコの効果作用

サイリウムは食物繊維が豊富で腸内環境や便通をサポート

サイリウムはオオバコの種皮部分を加工したものなので食物繊維が全体の90%を占めています。このため糖質がほとんど含まれず、非常に低カロリーで体重管理やダイエットにもおすすめの食材です。

サイリウムの食物繊維は保水性・膨張性に優れ、水分を含むと膨らむ性質を持っているため満腹感を得やすく、食事量を抑えやすくなります。また、糖の吸収を緩やかにして血糖値の急激な上昇を防ぎ、コレステロール値を下げるため、糖尿病や肥満への効果も期待されています。

さらに食物繊維は腸内環境を整え健康維持をサポートすることによって便秘や下痢の改善にも役立つことから、体重管理と腸内環境の両方に配慮できます

オオバコにはビタミンC、カルシウム、鉄などの栄養素が豊富

オオバコはあまり食材としては知られていないかもしれませんが、オオバコにはビタミンCやカルシウム、鉄分などの栄養素が含まれています

オオバコの生薬の咳止め、下痢止め、消炎作用、利尿効果

オオバコは古くから伝統的な中医学やアーユルヴェーダなどで研究され、薬や漢方として利用されてきました。

オオバコの種子や草を煎じてつくられた生薬には、咳止め、下痢止め、利尿作用、関節炎やアレルギー反応などの炎症性疾患の軽減に寄与する可能性があると考えられています。

サイリウム・オオバコの注意点、副作用、危険性

採集したオオバコは残留農薬や毒草に注意

オオバコは自生しているため簡単に採集できますが、自宅近くや外で採集したオオバコを与えるのはおすすめしません。

雑草として生えているオオバコは残留農薬や殺鼠剤、他猫にとって危険な物質が含まれる可能性があります。

オオバコを与えたい場合は、オオバコを配合したキャットフードや猫用のおやつやサプリメントを利用するようにしましょう。

まとめ

  • オオバコやサイリウムは猫が食べても大丈夫
  • 食物繊維が豊富で体重管理や糖尿病対策、腸内環境のサポートにおすすめ
  • 自生しているオオバコは残留農薬や薬品のリスクがあるため避ける

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。