キャットフードの食物繊維
酵素で消化されない成分の総称
野菜や穀物に多く含まれる食物繊維。食物繊維とは「難消化性成分」の総称で、胃や小腸の消化酵素によって分解されず、大腸まで届く成分を言います。
キャットフードの食物繊維量
キャットフードの食物繊維の割合は3~10%が一般的。穀物不使用のキャットフードでは3~5%程度であることが多いです。
毛玉ケアなど食物繊維で便秘解消や便の改善をしているキャットフードは、食物繊維の量が10%程度含まれることもあります。
食物繊維の働き
- 腸内環境を整える
- 便秘改善
- 毛玉の排泄を助ける
- 便のニオイ改善
- 免疫力を高める
- 満腹感が得られる
- 糖質や脂質の吸収を抑える
食物繊維は消化されず大腸まで届くため、腸内にたまった不要物を掃除しながら排便を促します。また食物繊維は善玉菌のエサやすみかになり、善玉菌が増えるのを助けます。
また腸には免疫組織があり、食物繊維によって腸を刺激することで免疫が刺激されるので、体における免疫力もアップする効果があります。
食物繊維の種類
食物繊維には種類があります。水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維です。
- 水溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維
ペットフード公正競争規約によって成分表示が定めているのは、不溶性食物繊維の値です。そのため水溶性食物繊維も入れると食物繊維は表示の値より多くなります。
食物繊維はこの2つの性質を持つ食物繊維をバランス良く摂ることが大切ですが、成分値は不溶性食物繊維の値しかしれないので、確認することができません。
水溶性食物繊維
- イヌリン
- ペクチン
- アルギン酸
- グルコマンナン
- 難消化性デキストリン
水溶性食物繊維は、水分に溶けやすい性質を持つ食物繊維です。水分の保持力が高く、小腸で栄養の吸収を遅らせて血糖値の上昇を抑える効果があります。また発酵性が高いので、腸内の善玉菌のエサになって善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果もあります。
不溶性食物繊維
- セルロース
- リグニン
- キチン
不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質を持った食物繊維です。不溶性食物繊維は水分を吸収して便の量を増やし、便通を促進する効果があります。また便が大きくなって腸を刺激することで、腸の蠕動運動を活発にする作用もあります。
キャットフードの食物繊維が少な過ぎる場合
下痢や便秘の原因に
食物繊維が不足すると、猫は下痢や便秘を引き起こします。
また食物繊維が少なすぎると、腸内で善玉菌のエサがなくなり大腸がんの原因にもなる悪玉菌が増えてしまいます。
キャットフードの食物繊維の摂り過ぎ
摂り過ぎは消化器官の負担に
猫にとって食物繊維ばかりを摂り過ぎるのは良くありません。
食物繊維は上でも説明したように酵素によって消化できない成分なので、食物繊維の含有量が多すぎると消化を行う腸などの消化器官に負担がかかります。
水溶性・不溶性をバランス良く
キャットフードの食物繊維は適度にバランス良く配合されていることがポイントになってきます。
これはキャットフードの成分表示では確認できませんが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく配合されていることが大切です。
キャットフードの食物繊維まとめ
キャットフードの食物繊維について復習しましょう。
食物繊維は多くとればいいというものでもないし、少なすぎてもいいわけではないんですね。
成分表示だけではわからないという点も参考になりました。