オーガニックキャットフードとは?化学物質を抑えた安全性の高いフード。特徴や注意点について

オーガニックキャットフードとは?化学物質を抑えた安全性の高いフード。特徴や注意点について
古川さん
オーガニックのキャットフードも登場してきているんですね。
猫田
そうですね。でも実はオーガニックについてよくわかっていない人もいるのではないでしょうか。今回はそんなオーガニックのキャットフードについて見ていきましょう。

オーガニック(有機)について

オーガニックとは

まずオーガニックとは、生産までの過程で、

  • 合成化学物質
  • 生物薬剤
  • 遺伝子組換

など化学物質の使用を抑えた農産物を言います。

つまり、オーガニックキャットフードとは有機栽培された原材料や化学添加物を極力排除した製法で作られたキャットフードを指します。市販の一般的なキャットフードでは、農薬や合成保存料、着色料、香料などが使われることがありますが、オーガニックではそれらの使用が制限されています。

オーガニックの定義

オーガニックの定義は、オーガニック認証機関が出している基準をクリアしていることです。

例えば欧州やアメリカでは、下記のような条件が定められています。

  • 原材料の95%以上が有機認証済み
  • 遺伝子組み換え作物(GMO)不使用
  • ホルモン剤や抗生物質の投与がない家畜肉を使用
  • 化学合成された保存料・着色料を使わない
  • 環境保全型の生産・加工方法であること

原材料になる家畜や野菜などに基準以上の化学肥料や生物薬剤が使われていたり、遺伝子組換が行われていた場合、オーガニック食品として認められることはありません。

ただし、日本ではオーガニックキャットフードに関する法的な明確な規制は整っておらず、輸入品の基準や表示のあり方には注意が必要です。

オーガニックの基準に大きな差はない

オーガニック認証機関は国ごとにあるので、クリアしなければならない「一定の基準」は各認証機関で変わってきます

しかし認証機関によって数値や%はそこまで換わらないので、ヨーロッパであればどの国でもだいたいのオーガニックの基準は同じ位になります。

オーガニックキャットフードのメリット

オーガニックキャットフードを猫に与えることで、猫にとってどんなメリットがあるのでしょうか。

安全性が高く、不要な化学物質を避けられる

オーガニックキャットフードの最も大きなメリットは、安全性への配慮です。

農薬や化学肥料、合成添加物が極力使われておらず、またオーガニック認証機関によってチェックが行われているため、猫の体に余計な負担をかけにくく、アレルギーや消化不良のリスクを減らせる可能性があります

とくに皮膚のトラブルや消化器系の敏感な猫にとっては、人工的な香料や着色料が含まれないことが大きなメリットとなるでしょう。

アレルギーを起こしにくい

猫はアレルギー反応が出やすい動物ですが、化学合成によって作られた自然界には存在しない添加物が猫のアレルゲンになることがあります。

オーガニックキャットフードは農薬や同棲添加物をなるべく使用しないため、猫がアレルギーを発症しにくいというメリットがあります。

原材料のトレーサビリティが明確

オーガニック認証を受けた製品は、生産者から加工・流通までの履歴管理が厳格です。そのため、どこでどのように育てられた原材料なのかが明確で、万が一トラブルが起きても追跡しやすいという安心感があります。

環境への配慮がある

オーガニック農法は、土壌や生態系に優しい栽培方法を重視しています。猫の健康だけでなく、地球環境にも配慮した選択肢であるため、持続可能な社会づくりを意識する飼い主からも支持されています。

オーガニックキャットフードのデメリットと注意点

オーガニックキャットフードは高い

またオーガニックキャットフードの価格は、通常より千~数千円ほど高いこともあり、出費の負担は覚悟しなければなりません。

オーガニックの場合、通常より原材料の生産や認証手続きに時間も手間もかかるので、キャットフードの価格はどうしても高くなってしまい、その分製品の価格にも反映されます。多頭飼いや長期的にオーガニックキャットフードを使用したい場合には、経済的に負担に感じることもあるでしょう。

日本ではオーガニック認証の機関がない

日本ではヨーロッパのような「ペットフードのオーガニック認証」を行っている機関や団体がありません。

そのため国産オーガニックキャットフードの場合、稀になんの認証も受けずに「オーガニック」と名乗っていることがあります。また何の認証も受けていないキャットフードを、オーガニックだと言って紹介しているサイトもあります。

国産キャットフードの中で、きちんとオーガニックキャットフードを製造している場合は、ヨーロッパの国のオーガニック認証を得ていることが多いので購入する前にチェックしましょう。

「オーガニック=高栄養」とは限らない

オーガニックというラベルは安全性の高さや生産方法の健全性を示すものであり、必ずしも「栄養価が高い」「すべての猫に最適」という意味ではありません。猫に必要な栄養素(たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなど)がしっかり配合されているかは、別に確認する必要があります。

たとえば肉類の含有量が少なく、穀物や豆類が主体になっている製品では、肉食動物である猫にとって不適切な栄養バランスになる可能性もあります。

オーガニック=穀物不使用ではない

「オーガニック=グレインフリー(穀物不使用)」というイメージを持っている方も多いですが、これは正確ではありません。

オーガニックキャットフードには、オーガニック玄米やオートミール、オーガニックトウモロコシなどの穀物が含まれていることもあります。つまり「有機穀物を使用しているフード」であれば、オーガニックであってもグレインフリーとは限りません。

猫の体質やアレルギー傾向を考慮し、穀物に敏感な子であれば「グレインフリーかどうか」も別途確認する必要があります。

ナチュラルキャットフードとの違いは?

オーガニックキャットフードと似たような定義や名称に、ナチュラルキャットフードがあります。

オーガニックキャットフードは、農薬や合成添加物を使わず、第三者機関の厳格な基準を満たしており、原材料の安全性や生産過程の透明性が高いのが魅力です。

一方、ナチュラルキャットフードは「自然由来の原材料を使用している」ことを意味しますが、明確な基準や認証はなく、メーカーごとに解釈が異なります

安全性や品質を重視するなら、オーガニックの方が信頼性が高いと言えます。

おすすめはヨーロッパ産オーガニックキャットフード

オーガニックキャットフードを選ぶならヨーロッパ産の物を選ぶのがおすすめです。

ヨーロッパの国では、国ごとにペットフードのオーガニック認証を行う機関があり、基準をクリアしなければオーガニックキャットフードとして販売されることはありません。そのため品質や安全性に関して安心して猫に与えられます。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。