キャットフードの脱脂粉乳(スキムミルク)粉末状で保存性が高く、手作り食やトッピングに便利

キャットフード 脱脂粉乳 スキムミルク

キャットフードやミルクの原材料:脱脂粉乳(スキムミルク)

脱脂粉乳(スキムミルク)は、生乳から脂肪分を除いた無脂肪乳を粉末化させたものです。

一般的に牛乳として販売されているものは半脱脂乳と呼ばれるものです。脱脂粉乳は全乳を遠心分離機で回転させ、脂肪滴(脂肪分)とそれ以外を分離させてつくります。脂肪分を取り除いた後、さらに水分を除き粉末状にしたものが脱脂粉乳となります。

脱脂粉乳は粉末にすることで保存性が高くなっているので、他の水分を多く含んだ乳製品より使いやすいメリットがあり、特によく使用されるのは猫用ミルクや離乳食ですが、キャットフードやおやつに使用されることもあります。

脱脂粉乳(スキムミルク)を使用したキャットフード例

ミルクは子猫で卒業と思われがちですが、成猫用・シニア用など大人の猫向けミルクも販売されています。大人の猫向けのミルクの場合は、食欲増進やカロリー摂取を目的にトッピングや手作り食に利用されることがあります。

脱脂粉乳(スキムミルク)の効果や作用

成分値タンパク質30.6g
脂質0.9g
炭水化物47.97g
ミネラルカリウム1,620mg
カルシウム990mg
リン900mg
ヨウ素108μg
モリブデン31.5μg
セレン24.3μg
ビタミンビタミンB21.44mg
パントテン酸3.75mg
カロリー100g323kcal

高タンパク・高糖質・低脂質

脱脂粉乳は三大栄養素のうちのタンパク質・炭水化物が8割近くを占めています。また、水分がない分、栄養が凝縮されているので非常に高栄養で、少量でも十分なエネルギーを摂取できます。

脂肪分は製造時に除かれているため、脂質は0.9gほどしか含まれていません。脂質だけを集中してカットしたい場合には便利です。

多量ミネラルが豊富

また、脱脂粉乳はビタミンやミネラルなど他栄養素も豊富で、特にカリウム・カルシウム・リン・マグネシウムなどの多量ミネラルが十分に含まれています

子猫や母猫に必要なヨウ素・ビタミンB2・B12・パントテン酸が豊富

また、脱脂粉乳には子猫の成長に欠かせない栄養素が多く、細胞分化を促進するヨウ素を始め、欠乏すると子猫の成長抑制に繋がるビタミンB2、B12、パントテン酸などが豊富です。

脱脂粉乳(スキムミルク)の注意点、デメリット

人用の脱脂粉乳は与えない(乳糖不耐症)

猫は乳糖を分解するラクターゼという酵素の活性が低下しているため、人用の脱脂粉乳を猫に与えると下痢や体調不良を引き起こす可能性があります。

私たちにとって一般的な牛の乳でつくられた乳製品には「乳糖(ラクトース)」という乳特有の糖質が多く含まれています。ですが猫や犬の乳に含まれる乳糖は、牛ほど多くありません。このため、猫にトッピングや手作り食で脱脂粉乳を与えたい場合は、猫用の脱脂粉乳を購入する、またはヤギミルクなど乳糖の含有が少ない動物の乳で作られた脱脂粉乳を選ぶようにしましょう。

体重管理や太り過ぎに注意

脱脂粉乳は脂質は低いものの、高タンパク・高糖質・高カロリー食材です。

食欲がなく少量で十分なエネルギー量を摂取させるならおすすめですが、少量で高エネルギーになってしまうため、肥満や太り気味の猫、また体重管理に気を使いたい場合には、あまりおすすめできません。

まとめ

  • 高タンパク・高糖質・低脂質
  • 粉末状で使いやすくキャットフードやキャットミルクにも使用
  • 子猫や母猫に必要なミネラルやビタミンが豊富
  • 体重管理や肥満気味の猫にはあまりおすすめではない
キャットフード 乳製品

キャットフードの乳類一覧。猫用はヤギミルクが多い!乳糖不耐症の猫に牛乳はNG

2021年3月2日

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。