キャットフードのセルロース。腸内環境や便通を整える不溶性食物繊維!猫の消化器官に負担がかかる?

セルロースとは

セルロース=食物繊維(炭水化物)

セルロース(cellulose)とは、地球上で最も多い炭水化物であり、植物の光合成によって作られます。

セルロースは、植物の細胞壁をつくるために必要不可欠な主成分なので、様々な植物に含まれていますが、特に煮崩れしにくい野菜(レンコン、タケノコ、ゴボウ)、米や小麦などには多くのセルロースが含まれています。

キャットフードにおいてセルロースは、食物繊維源として腸内環境と整えたり、毛玉ケアを目的に配合されています。

不溶性食物繊維が豊富

食物繊維は大きく分けて、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がありますが、セルロースの食物繊維は大腸でも分解されないくらい発酵性の低い(腸内細菌によって分解されにくい)性質の「不溶性食物繊維」を多く含んでいます。

セルロースのメリット

食べ過ぎ防止に役立つ

セルロースは水分を吸って膨らむ性質があります。なのでセルロースを食べると、お腹の中で水分を吸って膨らみ、まるで沢山食べたかのように体を一時的に錯覚させることができます。

猫に関してもそれは同じで、猫がセルロースが含まれたキャットフードを食べることで、少量で一時的に満腹感を与えることができます。

そのためセルロースは猫の肥満や食べ過ぎを防止すると言われています。

しかし満腹感が続くのは一時的なので、1日に何度も食事をする猫にはあまりダイエット効果が無いのではないか、という見方もあります。

セルロースは猫の腸内を掃除する

セルロースは腸内を掃除する働きがあります。

猫の腸に溜まった汚れや不要な物を巻き込んで一緒に体外に排出するので、腸の中を綺麗に保ち便秘解消にも効果的です。

セルロースのデメリット

セルロースは分解できない

セルロースは猫がエネルギー源として分解できないデメリットがあります。

体内に入ってもそのまま体外に排出されてしまうので、食べても意味がないと言われることも。

内臓に負担をかけやすい

セルロースが含まれるキャットフードはヘルシーで一時的な満腹感も得られますが、エネルギー源として利用できる分が少ないため、今までより猫の食事の回数が多くなったり、かえってキャットフードを食べる量が増えることもあります。

そうなった場合、猫の内臓や消化器官に負担がかかりやすくなるというデメリットがあります。

セルロースの欠点をカバーしたビートパルプ

最後に、セルロースと一緒によく検索される「ビートパルプ」についてお話します。

ビートパルプとは

ビートパルプとは「サトウダイコン」という植物を原材料とした繊維部分で、セルロースやペクチンが含まれている炭水化物です。

発酵性が低い不溶性食物繊維(セルロース)、発酵性の高い水溶性食物繊維(ペクチン)の両方がバランスよく含まれているので、お互いのメリットを引き立てつつデメリットをカバーできます。

そのため実はビートパルプは食物繊維として非常に優れた原材料と言われています。

内臓に負担をかけずに腸を掃除

ビートパルプはセルロースの腸内を掃除する働きがあるだけでなく「内臓に負担をかけにくい」というメリットもあります。

内臓への負担というセルロースのデメリットをカバーしているビートパルプは、セルロースよりも注目度が上がっています。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。