難しい線引きのひとつ、生肉
日本語でいうと下処理という言葉は非常にマッチしていると思います。
生肉をそのままエクストルーダーなどに入れることはできないので、火を入れるなど調理してドライフードの原材料として使えるようにします。このため、ドライフードに混ぜ込む時点では「生肉を調理した状態」のお肉となっているわけですね。
英語でFreshly Prepared Chickenは”新鮮な調理された鶏肉”が適当
日本語の原材料名で生鶏肉と訳されるFreshly Prepared Chicken。英語からも生であることが伝わってはきますが、「新鮮な調理された鶏肉」というのが適当な訳ということです。
人も料理するときに鶏生肉を使いますが、そのまま食べない限りは火を通したりしますね。でも料理の材料としてはやはり「鶏生肉」となります。焼いてから料理に使うといっても、料理の原材料が「焼いた肉」にはなりません。そういう感覚といって差し支えないと思います。
あくまで新鮮な調理された肉とするあたりが、外国の方と日本人の感覚の違いという部分はあるように感じました。
生肉と乾燥肉の違い
生肉(フレッシュリー プリペアード ミート)
生肉は水分たっぷりの肉を加工して使用します。このため出来る限り栄養素が保たれるという利点があります。また、キャットフードにする前まで生肉だったわけですから、非常に新鮮であることもポイントです。
デメリットとして、生肉は適度に水分を飛ばした状態で材料として使用するため、乾燥肉に比べてタンパク質など栄養素が凝縮されていません。このため、高タンパク質にしたい場合には非常に多くの生肉を使用することになり、価格的に見合わないばかりか、必ずしもいい結果が出るとは限らないことがあります。
乾燥肉(ミートミール)
十分な加熱を行い、粉末状になった肉が乾燥肉です。完全に水分を飛ばすことでタンパク質が凝縮されていて、できあがりのドッグフードの栄養価をコントロールしやすいという利点があります。更に保存も効くためコストが安いです。
また粉末状なのでドライフードを作る上でも使いやすいです。均一に混ざりやすく、製品ごとの差が少なくなります。
デメリットとして、十分な加熱をされていることから熱で失われる栄養素はほとんど失われています。このためそれらの栄養価は添加物や他の原材料で調整する必要があります。また、乾燥肉はレンダリングして作られます。このレンダリングという作業に良い印象を持っていない飼い主も多く、イメージの問題があります。
脱水肉(デハイドレイテッドチキン)
最近よく目にする原材料にでハイドレイテッドチキンがあります。これはゆっくりと低温(低温といってもそれなりの温度ですが)で加熱することで水分、油分を落とした肉のことです。
ディハイドレイテッドチキンはできる限りの栄養素を保っていて、かつ生肉よりコストが安いため、ペットフードには非常に向いている原材料といえます。生肉における栄養素が凝縮されないというデメリットもある程度克服されていて、いいとこ取りのような食材です。最近はこれ以外にレンダリングしないという意味合いも加えられているメーカーもあるようです。
しかし乾燥肉よりはコストが高く、タンパク質も凝縮されていないというデメリットもあります。