


キャットフードの原材料:マグロ
マグロはよく使われる魚
欧米では海外ではマグロやカツオなどを使ったキャットフードはあまり見られませんが、日本ではマグロを使用したキャットフードが沢山販売されています。
ドライフードでは頭や喉の肉、背びれなど、私達がお寿司や刺身では食べない部位が使われることが多いです。
猫缶やパウチなど素材や身の食感、嗜好性を重視したウェットフードでは赤身やしっかりとした身の部分が使われていることもあります。
日本のフードにマグロが多い理由
これは単純に日本で漁獲・消費されるマグロの量が多いことも理由に挙げられますが、日本人のマグロへのイメージや、マグロを昔から食べてきた歴史も理由の1つとして考えられます。よく知らない魚よりも自分たちがよく知っている魚の方が、飼い主さんも親しみやすく、安心して買ってもらいやすいからなのかもしれません。
マグロは高級品、ご馳走という印象もあることから、メインが鶏肉や他の魚でも香りや味付けを「マグロ味」「マグロ風味」に仕上げているレシピは多いです。
マグロの栄養素、メリット
タンパク質 | 26.4g | |
脂質 | 1.4g | |
ビタミン | ビタミンA | 166μg |
ビタミンD | 10μg | |
ビタミンE | 1.6mg | |
ナイアシン | 28.4mg | |
ビタミンB6 | 1.7mg | |
ビタミンB12 | 2.6μg | |
ミネラル | カリウム | 760mg |
マグネシウム | 90mg | |
リン | 540mg | |
鉄 | 2.2mg | |
ヨウ素 | 28μg | |
セレン | 220μg | |
カロリー | 100g | 125kcal |
タンパク質はチキンに匹敵する量
マグロは他の魚と比べても特にタンパク質が豊富な魚です。100gあたりのタンパク質量は上記の表でも分かるとおり26.4g。これは鶏肉100gのタンパク質25gに匹敵する量です。
マグロの赤身は低脂質&ヘルシー
マグロの赤身部分は身が引き締まっていて脂質量も少ないヘルシーな食材となっています。ただマグロは赤身やトロなど部位によって脂質量が大きく変わる魚ですが、
ビタミンD、ナイアシン、セレンが豊富
マグロは特にナイアシンの供給源として有効な食材です。ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれるビタミンの一種で酸化還元酵素の補酵素として働きます。植物性原料にもナイアシンは含まれていますが、マグロのような動物性原料のナイアシンの方が利用性は高いです。
またビタミンDもマグロに多く含まれ、骨や歯の構成成分となるカルシウムやリンの吸収を促進する作用があります。
セレンは抗酸化のために働く成分で、不足すると食欲がなくなったり、呼吸困難などを引き起こすことも。
マグロの水銀濃度と中枢神経疾患
メチル水銀濃度が高くなりやすい
マグロのような大型の魚は、メチル水銀を含んだ植物を食べる小型~中型の魚を食べて大きく成長しています。このため大型の海産魚は食物連鎖の中で水銀濃度や毒性が高くなる傾向があります。
画像引用:日本生活協同組合連合会:食品のQ&A
水銀による疾患や症状
メチル水銀による水俣病の症状は人だけでなく猫にも現れたと言われています。水俣市では猫にも痙攣やふらつき、手足のしびれなどの中毒症状が確認されたそうです。
- 手足の震え
- 感覚障害
- 運動失調
- 視野が狭まる(網膜異常)
- 聴力障害
- 平衡機能障害
- 言語障害
しかし水銀によって発症した水俣病の場合、水銀が多く含まれた工業排水が水俣湾に流れ込んだことが原因(公害)であり、現代において国内でこのような問題が起こる可能性は極めて低いと言えます。
マグロキャットフードに水銀が多く含まれる可能性
ペットフードには水銀濃度の規定や法律がない
カビ毒やカドミウムなどペットフード安全法で上限値が決められた成分もありますが、ペットフードでは水銀濃度に関する法律や決まりはありません。
人であれば毎日マグロを主食にする人はほとんどいないので気にする人は少ないかと思いますが、猫はキャットフードが毎日の主食になるので、人よりは気にすべきかと思います。
ウェットフードで高濃度の重金属が蓄積
京都大学が論文として認めた猫における重金属類の研究では、市販の海で獲れる魚を主原料につかったウェットフードには重金属が高濃度で蓄積しており、健康被害を検証する必要があると書かれています。
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ウェットタイプの市販キャットフード30製品およびドライタイプの市販キャットフード40製品に含まれる水銀、ヒ素、カドミウムおよび鉛濃度を誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)により定量分析した。大型機産魚類を主原料とするウェットタイプのフードは畜肉を主原料とするウェットタイプのフードやドライタイプのフードと比べヒ素および水銀濃度が著しく高かった。
この研究論文は博士の学位論文として認められており、可能性が水銀などの重金属による健康被害の可能性が示されています。
ドライフードでは問題がなかったとのことだったので、マグロ入りのウェットフードでは与え過ぎに注意しましょう。
マグロを使用したキャットフードまとめ



そうですね。そのことが関係しているのかどうかはわかりませんが、海外ではマグロが高配合されたキャットフードはあまり見られませんね。
ただおやつや一般食にはマグロがメインになったキャットフードも多くあります。気になる方は重金属問題についても詳しく調べてみるといいと思います。