グルコサミンは猫の関節の健康維持やエイジングケアを目的にキャットフードやサプリメントに配合されています。
しかし実際のところ、猫への効果や働きはいかほどなのか。調査してグルコサミンの実態や効果について解説したいと思います!
キャットフードのグルコサミンとは
軟骨成分ヒアルロン酸を構成
グルコサミンとはアミノ糖の一種で、関節の軟骨成分「ヒアルロン酸」を構成する成分です。
動物の皮膚や軟骨、甲骨類の殻(キチン質)に多く含まれていて、関節の痛みを軽減したり健康な関節を保つ働きがあると期待されています。
キャットフードでもグルコサミンが配合されることがあり、また関節の健康維持を目的とした犬猫用サプリメントでも売りとして使用されています。
猫の関節への効果と働き
軟骨の構成成分
軟骨は、骨と骨の間で骨同士が直接当たらないようクッションのような役割を果たしています。しかし年齢とともに軟骨がすり減り、クッション部分がなくなることで骨同士が直接あたるようになると、関節痛を引き起こします。
グルコサミンはそんな軟骨の一部となる成分です。
猫の関節の健康維持
グルコサミンは軟骨の構成成分であることから、猫の関節疾患や関節の健康維持をサポートする効果が期待されています。犬への試験結果ではグルコサミンの摂取を継続した結果、関節への効果が見られたという報告があります。
数々の獣医師が在籍し研究機関も所有するロイヤルカナンも老猫用のエイジングケアのキャットフードにはグルコサミンやコンドロイチンを使用しています。
増粘安定剤
グルコサミンは、キャットフードの増粘安定剤として利用されることもあります。もともとグルコサミンは粘性のある物質なので、自然由来の既存添加物(天然添加物)として登録されています。
グルコサミンの注意点
グルコサミンだけが軟骨成分ではない
猫の関節疾患にはグルコサミンだけ摂取すればいいというわけではありません。
キャットフードやサプリメントなどでも、グルコサミンだけでなくコンドロイチンや他の成分とセットで配合されることが多いです。猫の軟骨にはグルコサミンだけで構成されているわけではなく、他にもコラーゲンやコンドロイチンなどの成分が必要になるからです。
有効性がないという論文もある
猫の関節疾患や関節の健康維持が期待できるとお話ししましたが、人への投与や摂取に関する研究を見ると、論文や試験データによって研究結果が異なります。効果に一貫性がなく、「効果が期待できる」とは言えても、はっきりと「効果がある」「改善される」と断言することは難しいようです。
また、犬に対する研究は確認できましたが、猫に対して有効性を示したという試験や研究結果も確認できなかったため、猫に対しても確実に効果があるとは言い切れません。
グルコサミンまとめ
- 猫の関節の軟骨成分を構成する
- 猫の関節疾患への効果が期待できる
- 論文や研究によって結果や見解が異なる
- グルコサミン以外の構成成分も必要
- 増粘安定剤としても利用される