キャットフードの原材料:小麦フスマ
小麦フスマとは
小麦フスマ(wheat bran)とは、小麦の胚芽および表皮部分です。小麦粉に使用される「胚乳」は小麦の粒全体の8割を占めていて、それ以外の副産物として発生した2割の胚芽、表皮らが「小麦フスマ」として食品やペットフードに利用されています。
小麦粉の主成分がデンプン(糖質)であるのに対して、小麦フスマは食物繊維が主成分となっています。小麦フスマはペットフードでは食物繊維の栄養を補ったり、低カロリー食の原材料としてよく利用されています。
小麦フスマの栄養素
成分(分析値) | ||
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タンパク質 | 16g | |
脂質 | 4.25g | |
炭水化物 | 総量 | 64.51g |
食物繊維 | 42.8g | |
灰分 | 総量 | 5.79g |
カリウム | 1,182mg | |
ナトリウム | 2mg | |
鉄 | 10.6mg | |
マグネシウム | 611mg | |
カルシウム | 73mg | |
カロリー | 216kcal/100g |
小麦粉よりも低カロリー
小麦フスマは100g中の脂質が4.25g程度なので低脂質な食材ですが、主産物の小麦粉や他の穀類の脂質量に比べると脂質量は多いです(大した差ではありませんが)。
ただ、小麦フスマは糖質量が炭水化物のほとんどが食物繊維なため、糖質量が0.4g程度しかありません。このため脂質は小麦フスマの方が若干高いですが、総カロリーでは小麦フスマの方が低いです。
食物繊維が豊富
小麦フスマは炭水化物65gのうち43gが食物繊維なので、小麦フスマは繊維源として利用されるくらいなので、食物繊維が豊富です。100gのうち43g、半分近くを食物繊維が占めています。
食物繊維は便通を整え糞便の形を安定化させる作用があるので、軟便や下痢で便が固まらない時に積極的に利用できる成分です。
鉄分やカルシウムが豊富
小麦フスマには鉄分やカルシウム、カリウム、マグネシウムなど1つの食材に様々なミネラルが豊富に含まれています。
小麦フスマのデメリット、注意点
消化器官への負担
小麦フスマは食物繊維量が多く便通を整える作用が期待されますが、猫にとって多すぎる食物繊維は消化器官への負担を大きくし、便秘や消化不良などを引き起こすことがあるため、沢山の使用はあまりおすすめされていません。
肉食の猫にはあまり好まれない
肉食性の猫は、小麦フスマのような植物原料への嗜好性は高くありません。小麦フスマには含まれるタンパク質やアミノ酸量も少ないことから、他の嗜好性は他の原材料で補う必要があります。
昔ながらなレシピ
全てのキャットフードではありませんが、コストの低い小麦フスマを利用している場合、なるべく原価を抑えた激安キャットフードであることも少なくありません。
高品質なキャットフードはグレインフリー(穀物不使用)で小麦自体使用しないことも多いため、小麦フスマを使用したフードは国産のものや昔ながらのレシピの傾向があります。
まとめ
小麦フスマ自体どういう原材料か知りませんでしたが、小麦粉をつくる時に出る副産物だったんですね。
小麦粉をつくるために出た残り物というだけで副産物が悪いというわけではありません。得られる栄養素も多く、多くのペットフードに利用されているので、愛猫との愛称や好みに合わせて原材料を選択していければいいのではないでしょうか。
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