目次
キャットフードの合成着色料が猫に与える影響
合成着色料とは
市販のキャットフードの中には商品の見た目を良くするために、着色料が使われているものがあります。
着色料は天然由来の「天然着色料」と、化学由来の「合成着色料」に分かれています。
合成着色料は人工的に作られた着色料で、青色1号、赤色102号など石油やタールから合成される「食用タール系色素」が一般的です。
日本国外では禁止されている着色料も国内では使用可能
基本的には日本政府によって使用許可の出ている安全な食用着色料ですが、日本では国外で禁止されている合成着色料が許可されているものもあります。
その中には発がん性や遺伝毒性があるもの、アレルギーを誘発すると言われている着色料があります。
日本国内で使用許可のある合成着色料(指定添加物リスト)
- 青色1号、青色2号
- 赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号
- 黄色4号、黄色5号
- 緑色3号
- 二酸化チタン(白色)
- 鉄クロロフィリンナトリウム
- 銅クロロフィリンナトリウム
- 銅クロロフィル
- ノルビキシンカリウム
- ノルビキシンナトリウム
- β-アポ-8’-カロテナール
- リボフラビン
- リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム
- β-カロテン
- カンタキサンチン
- 三二酸化鉄
一部の国では使用禁止になっているものや自主規制対象となっている種類があります。欧州では赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号は自主規制対象となっています。
キャットフードに使われている主な合成着色料
赤色102号(ニューコクシン)
赤色102号は最も使用量の多い赤色色素で別名「ニューコクシン」と言われる合成着色料です。遺伝毒性の調査により結腸や腺胃、膀胱などにDNA損傷が確認されています。また、マウスでの実験では赤血球の減少、食欲の減退により、心臓や肝臓が体重と比較して重くなったとの報告もあります。
アメリカやカナダ、ベルギー、韓国など一部の国では使用が禁止されています。
赤色106号(アシッドレッド)
別名、アシッドレッドと言われる赤色の合成着色料。長期的な摂取による体への悪影響が心配されており、日本以外の国では食品への使用が禁止されています。
黄色5号(サンセットイエローFCF)
別名、サンセットイエローFCFと言われる橙色の合成着色料。喘息や蕁麻疹、鼻詰まりなどアレルギーを引き起こす原因になります。この合成着色料は、アメリカやヨーロッパでも使用が許可されています。
青色1号(ブリリアントブルーFCF)
別名、ブリリアントブルーFCFと言われる青色の合成着色料。アレルギーを引き起こす原因になります。ほぼ世界全体で使用されていて、リスクは低めです。
二酸化チタン(白色)
二酸化チタンは白色に着色するために使用される合成着色料。国際がん研究機関(IARC)で発がん性の可能性があるステージ2Bに分類されています。
ウェットフードやクリーム状によく使用されますが、フランスでは二酸化チタンを含む食品を禁止しています。
カラメル色素(褐色)※
カラメル色素はⅠ~Ⅳまで種類があり、登録されているのは指定添加物ではなく既存添加物ですが、Ⅰ以外のⅡ~Ⅳは発がん性があると言われています。、国際がん研究機関(IARC)でもステージ2Bに分類されています。Ⅰは純粋な天然由来のみの原材料で生成されていますが、Ⅰのカラメル色素は製造コストが高いため、使用されているほとんどのカラメル色素はⅡ、Ⅲ、Ⅳのいずれかと言われています。
合成着色料を摂り続けることによる影響
前述した合成着色料が含まれるキャットフードを摂取することによって、猫の健康にすぐに影響が出るかと言われれば、それはNOだと思います。
しかし合成着色料を長年摂り続けることは、猫の健康にとって、プラスに働くことはありません。逆に、ガンやアレルギーのリスクを高めるマイナス面しかないので、愛猫の健康を気遣うのであれば、合成着色料をしていないキャットフードを与えてあげましょう。
猫はキャットフードを色で判断することはほぼなく、臭いで判断するので、キャットフードの色は飼い主が判断するためだけに使われていると理解しておきましょう。
まとめ
- 即効で健康に影響が出るわけではない
- 長年の摂取で発がん性や遺伝毒性、アレルギーなどの危険性がある
- 猫にとって着色料はそこまで意味がない