キャットフードのビタミン。猫に必要な種類と働き、脂溶性と水溶性の違い

ビタミン キャットフード
鈴木さん
キャットフードには様々な栄養が含まれていますが、ビタミンも含まれていますよね。
猫田
そうですね。総合栄養食の場合ビタミンが足りなければ栄養添加物を使って補うくらいですから、猫にとっても必要不可欠な栄養成分となっています。

キャットフードのビタミン

5大要素の一つ

ビタミン(Vitamin)とは、猫にとってタンパク質、脂質、炭水化物、ミネラルなどと並んで生物にとって必要不可欠な栄養素です。

もちろんビタミンは必要な栄養素です。成分分析値にはビタミン量が記載されていないことも多いですが、AAFCO(米国飼料検査官協会)の示す基準でも、ビタミンには最低基準があります。ビタミンの猫の体の調子を整えて健康を保つにはビタミンの存在が重要になってきます。

ビタミンのアルファベット

ビタミンは最後にアルファベットがつきますが、最後に何のアルファベットがつくかによってその働きが違ってきます。そのため同じビタミンでも、ビタミンAはこんな働き、ビタミンCはあんな働き、と変わってきます。

ビタミンの働き

補酵素として働く

先ほど話したように、ビタミンの具体的な働き方はビタミンの種類によって変わってきますが、ビタミンの多くは生物の体の中に入ると「補酵素」として働きます。

代謝や消化に関係している

補酵素は「酵素」の働きには必要不可欠な存在で、補酵素がなければアポ酵素は酵素として機能することができません。この酵素は体の中の成分に化学反応を起こす働きがあるのですが、酵素が起こす化学反応は生物の消化や代謝において重要な役割を果たしています。

補酵素がないと酵素が働かない

しかし補酵素の役割を果たすビタミンが一緒でなければ酵素は働くことができないため、ビタミンは酵素の働きには欠かせない存在です。

猫にとって必要なビタミンと種類

 働きAAFCO成分基準
ビタミンA視覚・粘膜機能維持
成長、細胞分化・機能維持
骨代謝維持
3332〜333300 IU/kg
(幼猫:6668〜333300 IU/kg)
ビタミンDカルシウム・リン吸収促進
骨からのミネラル溶出
骨・歯の成長促進
副甲状腺機能維持
280~30080 IU/kg
ビタミンE細胞膜構造維持
生殖腺・筋肉・神経系機能維持
40 IU/kg以上
ビタミンK血液凝固因子の機能維持
骨代謝機能維持
細胞増殖
0.1 mg/kg以上
チアミン
(ビタミンB1)
糖質代謝
アセチルコリン合成
5.6 mg/kg以上
リボフラビン
(ビタミンB2)
エネルギー代謝
(電子受容体)
皮膚・角膜維持、髄鞘維持
4.0 mg/kg以上
ナイアシン
(ビタミンB3)
エネルギー代謝(電子受容体)
脂肪合成
60 mg/kg以上
パントテン酸
(ビタミンB5)
糖質・脂質・アミノ酸代謝
(CoA、ホスホパンテテインとして)
5.75 mg/kg以上
ビタミンB6アミノ酸代謝(アミノ基転移、脱炭酸)
神経伝達物質合成
4.0 mg/kg以上
葉酸1炭素単位転移
核酸・アミノ酸代謝・造血
0.8 mg/kg以上
ビオチン脂質・糖質・アミノ酸代謝
(炭酸固定、炭素転移)
0.07 mg/kg以上
ビタミンB12メチル基新生・転移
核酸・アミノ酸・脂質代謝
葉酸活性化
造血
0.02 mg/kg以上
コリン生体膜成分
脂質輸送
メチル基供与体
2400 mg/kg以上

ビタミンA

ビタミンAとは

ビタミンAは、正常な視覚を保ち、健康な被毛、皮膚、粘膜、歯などを作るために働くビタミンです。

ビタミンAの成分

レチノール、レチナール、レチノイン酸 等

ビタミンAが多い食べ物

にんじん、ピーマン、カボチャ、ほうれん草、小松菜、レバー、チーズ 等

ビタミンD

ビタミンDとは

ビタミンDはカルシウムやリンの吸収率を上げる働きがあるため、骨や歯の形成や強化をする効果があります。

日光浴をすることで体の中で合成されますが、日光だけでは合成量が少ないため食事からも摂取していくべきというのが一般的のようです。

ビタミンDの成分

エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール 等

ビタミンDが多い食べ物

鮭、しらす、卵、きのこ 等

ビタミンE

ビタミンEとは

ビタミンEはキャットフードの酸化防止剤としても利用されますが、体の中でも「抗酸化成分」として働きます。

体の中でビタミンEは細胞の代わりに自身が優先的に酸化することで、体の細胞を酸化から守ります。体の酸化を防ぐことで、猫の体の老化や有害物質から体を守り、病気の原因にもなるリン脂質の酸化も防いでくれます。

ビタミンEの成分

トコフェロール

ビタミンEが多い食べ物

アーモンド、ナッツ、植物油、カボチャ 等

ビタミンK

ビタミンKとは

ビタミンKはあまり聞き慣れない方もいるかもしれませんが、腸内の細菌で合成されるビタミンです。

ビタミンKは、出血した時に体外に血が出続けないように、血を止める「凝血因子」を形成するための調整を行っています。

ビタミンKの成分

フィロキノン、メナキノン、メナジオン、メナジオール 等

ビタミンKが多い食べ物

ブロッコリー、小松菜、ほうれん草、モロヘイヤ、鶏肉 等

ビタミンB群

ビタミンB群とは

ビタミンB群とは、8種類のビタミンBの総称で、それぞれに働きを持っています。

B群の全体では上でも話した酵素の働きを担っており、猫の代謝を助けるための補酵素となります。

ビタミンB群の成分

チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ピリドキシン、パントテン酸、葉酸、コバラミン、ビオチン、コリン

ビタミンBが多い食べ物

レバー、肉 等

ビタミンC

ビタミンCもまた抗酸化成分として働きますが、ビタミンCはその中でも特に免疫系の細胞を守っています。

また白血球を刺激したり、同じ抗酸化成分であるビタミンEを再生したりなどの働きもあります。

ビタミンCの成分

アスコルビン酸

ビタミンCが多い食べ物

柑橘類、いちご、芋類 等

猫に必要なビタミンの量

ごく少量

猫に必要なビタミン量は、ライフステージによって大きく変わりますが、たんぱく質や脂質などの他の栄養素に比べるとビタミンの必要量は非常に少ないです。

ただ熱などによる加工に弱く、キャットフードに加工する中でビタミンが飛んでしまうこともあるため、足りない分のビタミンは栄養添加物として添加されていることが多いです。

成長期・妊娠期・授乳期には多くのビタミンが必要

子猫で現在成長期にある猫や、妊娠した猫、または子猫に授乳をしている猫の場合は、これから新しい組織を体の中で作り出していかなければならないので、通常よりも多くのビタミンが必要になります。

ビタミンは多すぎても少なすぎてもダメ

バランスが大事

ビタミンの摂取量は多すぎても少なすぎても、健康に支障をきたします。総合栄養食のキャットフードを与えていれば、ビタミンが多すぎたり少なすぎるといったことが起きることはありませんが、おやつやキャットフード以外の物をよく与えているなら注意が必要です。

過剰症、欠乏症

体の中でビタミンの量のバランスが崩れると、皮膚疾患や骨の異常、免疫力の低下など、ビタミンの種類によって様々な症状が引き起こされます。

もしサプリメントなどでビタミンを多く摂取している猫には特に気を配り、指定量を超えないよう慎重に与えましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

【監修・執筆】鈴木利奈

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。