キャットフードの原材料:粟(アワ:Foxtail millet)
粟(アワ:Foxtail millet)はアジア原産のイネ科エノコログサ属の雑穀類で、五穀米、雑穀米の1つとして利用されています。粟の歴史は古く、稲よりも早く伝わった日本最古の穀類作物であり、縄文時代には栽培されていました。
淡い味が粟の名前の由来と言われていることもあり、癖のないさっぱりとした味わいが特徴です。モチ種とウルチ種によって食感は異なりますが、もち粟はもちもちとした食感を、うるち粟はプチプチとした食感を楽しむことができます。
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キャットフードでは、グレインフリーが主流となっているため、穀物自体を使用する商品が減ってきていますが、国産のウェットフードやおやつとして雑穀を利用したキャットフードがいくつかありました。
アワの栄養素と猫におけるメリット
栄養素 | 粟 | 米 |
---|---|---|
タンパク質 | 11.2g | 6.1g |
脂質 | 4.4g | 0.9g |
炭水化物 | 69.7g | 77.6g |
食物繊維 | 3.3g | 0.5g |
カリウム | 300mg | 89mg |
マグネシウム | 110mg | 23mg |
リン | 280mg | 95mg |
鉄 | 4.8mg | 0.8mg |
亜鉛 | 2.5mg | 1.4mg |
モリブデン | 22μg | 69μg |
ビタミンB1 | 0.56mg | 0.08mg |
ナイアシン | 2.9mg | 1.2mg |
パントテン酸 | 1.83mg | 0.66mg |
カロリー | 346kcal | 342kcal |
粟は精白米より栄養価が高い
粟と白米を比較すると、粟の方が栄養価が高いことがわかります。
特にビタミン(ビタミンB群)、ミネラル(鉄分、亜鉛、カリウムなど)、タンパク質量などにおいては、白米を大幅に上回っています。
食物繊維が豊富でヘルシー
粟は食物繊維が豊富で、白米の約7倍の食物繊維が含まれています。その分炭水化物量は白米より控えめになるので、満腹感を持続させつつ糖質を抑えて体重管理やダイエットを考えている猫にもおすすめです。
ポリフェノールによる抗酸化作用
粟の表面の色素成分(黄色)はポリフェノールであり、ポリフェノールには体内で増えた活性酸素を除去し細胞の劣化・老化を防ぐ抗酸化作用があります。
抗酸化作用によって酸化から細胞を守ることでDNAを損傷を防ぐため、がんの予防効果なども期待されています。また、体の免疫は免疫細胞によって守られているため、抗酸化作用によって免疫力の維持や高める効果も報告されています。
アワの注意点、副作用、危険性
生のままで与えない
キビは毒性成分や危険な物質は含まれていないで、与えても問題ありませんが、人と同じで粟は炊く前は固く、消化しにくい状態なので、猫の与える場合は必ずお米と同じで炊いてやわらかい状態にしてから与えるようにしてください。
草食動物の場合、炊いてやわらかくしなくても(α化)体内で消化し栄養を摂取できますが、猫のような肉食動物の場合、炊いていない固いままの穀物をエネルギーとして利用できず、消化不良を引き起こす可能性があります。
与える量に注意
また、猫のような肉食動物の主なエネルギー源は動物性タンパク質であり、炭水化物(糖質)からの栄養補給は得意ではありません。
このため粟は、主要なエネルギー源として与えるのではなく、あくまで食物繊維源として総合栄養食(肉や魚)を食べる量に影響のない程度の少量にとどめるようにしましょう。
まとめ
- 粟は栄養価が高い
- 特に鉄分、亜鉛、ビタミンB群が豊富
- 食物繊維が豊富
- 生のままで与えない
- 与えすぎない