今回は猫のためのサプリメントについて、種類や効果などを解説します。
尿路ケアのサプリメント
尿路系の病気について
猫は猫の種類に関係なく、尿路結石や膀胱炎など下部尿路の病気にかかりやすい傾向があり、特に尿道が狭く長いオス猫は尿路系の病気になる確率が高いです。
原因としては、栄養バランスの偏りであることが多いですが、猫の性質としてあまり水を飲まないことが原因にも挙げられます。
尿路ケアサプリメントに含まれる成分
尿路ケアでは、
- キナ酸(クランベリー)
- DL-メチオニン
- クエン酸
- ウロジロガエキス
などの成分が含まれていることが多いです。尿を酸性に保ちストラバイト結石を予防する「クランベリー」、尿のphの値を整える効果のある「クエン酸」「DL-メチオニン」。
また「ウロジロガエキス」も利尿作用や結石の溶解作用や抑制などの効果もあるため尿路ケアサプリに含まれていることがあります。
関節サポートのサプリメント
関節系の病気について
関節系の病気は、加齢や肥満が原因で骨と骨を繋ぐ関節部分に負担がかかり続けることで発症します。
症状としては、炎症を起こすことで、腫れる、動きが悪くなる、痛みが生じる、骨が変形するなどが挙げられます。
関節ケアサプリメントに含まれる成分
- グルコサミン
- コンドロイチン硫酸
- EPA・DHA
骨と骨を繋ぎ、滑らかに動かすには「軟骨」を作ることが大切になってきます。その軟骨を構成するグルコサミンやコンドロイチンは、関節ケアに必要不可欠でしょう。
また魚に入っていることが多いEPAやDHAは関節の炎症を抑える効果があり、グルコサミンと一緒にサプリメントに含まれていることもあります。
腎臓ケアのサプリメント
腎臓病について
血液中の老廃物を濾過して尿を作り出す働きがある腎臓。しかし猫は水を積極的に飲まないため、慢性の腎臓病や腎不全などの腎臓病にかかりやすいと言えます。
腎臓が機能しなくなると体の老廃物を外に出せず、最悪亡くなってしまう猫もいます。
腎臓ケアサプリメントに含まれる成分
- リン(制御)
- タンパク質(調整)
- 活性炭
- オメガ3
- コンカナバリンA
腎臓ケアでは摂取したい成分だけでなく、制限しなければならない成分もあります。上にもあるようにリンの摂取を抑え、猫のエネルギー源にもなるタンパク質も、量を調整する必要があります(高タンパク質はNG)。
積極的に摂取していきたい成分は、腎臓への負担を軽くする成分です。たとえば毒素を吸着し腎臓の負担を減らす活性炭や、腎臓に運ばれる血液の改善をするオメガ3、また腎臓機能を向上効果や解毒作用もあるコンカナバリンAなどもサプリメントに含まれています。
肝臓ケアのサプリメント
肝臓病について
肝臓は体内の有害物質を解毒したりエネルギー源を貯蔵しておくなど、様々な働きを持っています。特に猫にとって肝臓は、タンパク質をエネルギーに変える強力な酵素がある場所なので非常に重要な器官と言えます。
しかし肝臓は病気になっても症状が現れにくく、初期の段階で病気に気づくのは難しい臓器と言われています。
そのため肝臓も負担がかかり過ぎたり、脂肪がたまりすぎたりすることがないよう、日頃のケアと早期発見のために定期的な血液検査や健康診断が大切です。
肝臓ケアサプリメントに含まれる成分
- タンパク質(重度の場合は制限)
- タウリン
- 発酵性食物繊維
- 亜鉛
肝臓病が重症だった場合、タンパク質は控える必要があります。タンパク質は肝臓で分解しますし、分解する際に毒素(アンモニア)も作り出すため、肝臓に大きな負担がかかるからです。
摂取したい成分は、アンモニアの軽減や解毒に効果的な発酵性の食物繊維や亜鉛です。
また猫が体内で作り出せないタウリンは肝臓の解毒採用をサポートする成分でもあるため食事やサプリメントから摂取したい成分の一つです。
皮膚や毛並みケアのサプリメント
皮膚や毛並みについて
私達が肌や髪の毛をケアするように猫の皮膚や毛並みを気にかける飼い主さんは多いと思います。
肌の状態が良く体毛に艶があって触り心地の良い毛並みの猫は、健康状態を見ても非常に良いと言われています。
そのため比較的気がつきやすい毛並みや皮膚の状態を良く保つことで、猫の体調の変化いち早くにも気づくことができます。
皮膚や毛並みケアサプリメントに含まれる成分
- ヒアルロン酸
- アミノ酸
- ビタミン
- コラーゲン
皮膚の潤いを保つヒアルロン酸や、肌や毛の再生を行うタンパク質、そのタンパク質をアミノ酸に分解するビタミン、皮膚を若々しく保つコラーゲンなどがサプリで摂取することができます。
免疫力を高めるサプリメント
免疫力について
免疫力とは体の「抵抗力」。入り込んだウイルスや菌から体を守る力のことです。
免疫力が下がると、体は様々な病気にかかりやすくなり、感染症やアレルギー症状、体調不良などを引き起こしやすくなります。
そのためすべての病気を予防するという意味でも免疫力を高めておくことは大切と言えます。
免疫力を高めるサプリメントに含まれる成分
- 乳酸菌
- ビフィズス菌
- オリゴ糖
免疫力を高めるには「腸」のケアができる成分を配合しているサプリメントを選びましょう。
腸は第2の脳と言われるほど重要な場所で、腸の調子が悪くなると、体全体の不調になってしまうほどです。また免疫細胞の多くは腸に住んでいるため、免疫機能を高める=腸のケアが大切ということになります。
乳酸菌やビフィズス菌、オリゴ糖など腸内の働きを活性化させる細菌を摂取することで、体全体の免疫力を上げることができます。