人獣共通感染症の猫ひっかき病。潜伏期間や症例、予防方法は?

猫ひっかき病

人獣共通感染症:猫ひっかき病(CSD)

バルトネラ菌を保有する猫との接触で感染

猫ひっかき病(CSD:Cat Scratch Disease)は、動物と人の間でも感染する人獣共通感染症の一つで、バルトネラ菌を保有する動物に噛まれたり引っかかれたりすることで感染します。

猫の10匹に1匹はこのバルトネラ菌を保有しており、猫同士ではネコノミの排泄物(糞)を介して他の猫の体内に侵入し繁殖します。

野良猫や子猫からの感染が多い

野良猫やよく屋外に出る猫は、他の猫との接触機会が多いため感染しやすい傾向があります。また生後6か月未満の猫の感染率も高いようです。また潜伏期間も1年半と長く、元野良猫だった猫もしばらくは菌を保有している可能性があります。

犬や猿からの感染も「猫ひっかき病」

ちなみに、バルトネラ菌は猫だけが保有している菌ではなく、犬や猿など他の動物からの感染も確認されていますが、猫以外の動物からの感染であっても病名は「猫ひっかき病」と呼ばれます。

猫ひっかき病の症状

皮膚が虫刺されのように赤く腫れる

バルトネラ菌は猫の体内では基本的に無害ですが、猫と接触して人の体内に入ると数日から1ヶ月程度の潜伏期間を経てリンパ節の腫れを引き起こし、皮膚には虫刺されのような赤み、腫れが見られ、発熱や倦怠感、関節痛などが出る場合もあります。

肉芽腫や肺炎、脳炎、合併症を引き起こす場合もある

また、猫ひっかき病による肉芽腫や肺炎、脳炎、急性脳症、多発性結節性などの症例も確認されています。特に免疫力の弱った高齢者は合併症を引き起こす可能性もあるので注意しなければなりません。

猫ひっかき病の治療

猫ひっかき病は重い症状が出なければ治療が必要ないことも多く、放っておけば自然に収まるケースがほとんどですが、中には完治までに数か月かかる場合もあります。

治療法としては鎮痛薬や湿布などが一般的で、他臓器への影響がある場合にはそれに応じた検査や投薬などの治療が行われます。

猫ひっかき病の予防方法

猫ひっかき病の予防として、野良猫であれば接触を避ける、接触後は消毒や手洗いなどを徹底する、また引っかかれたり噛まれないように厚手の手袋をする等の予防法があります。

飼い猫の場合は接触を避けるのは難しいので、下記のような方法で猫ひっかき病を予防します。

  • ノミの駆除
  • 定期的な爪切り
  • 完全室内飼育

まとめ

以上猫ひっかき病についてお話してきました。猫ひっかき病は猫にとっては無害なものです。また人に感染しても基本的には自然治癒で治りますが、感染する人によっては重い症状や他の病気を引き起こす場合もあり、油断できないので、愛猫の衛生管理やノミ駆除、飼育環境などに気をつけて予防しましょう。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。