

猫にタマネギは絶対与えてはいけない
人はタマネギを食べてもなんら問題はなく、健康にも良い食材として知られていますが、猫や犬など動物にはタマネギを与えてはいけません。生のタマネギ、加熱したタマネギ、すり潰したタマネギ、煮汁、どの状態であってもタマネギを猫に与えるのはNGです。
猫のタマネギ中毒の症状
溶血性貧血を引き起こす
タマネギ中毒は、タマネギを食べてから半日~数日後に発症するのが一般的です。症状も摂取量によりますが、溶血による貧血や茶色がかった血尿、下痢嘔吐、息切れや食欲不振など様々な体調の異常が現れます。
- 貧血
- ヘモグロビン尿
- 下痢
- 嘔吐
- 粘膜蒼白
- 息切れ
- 黄疸
- 食欲不振
タマネギを猫や犬に与えると血液中の赤血球が破壊され中毒症状を引き起こします。中毒量はおよそ15g/kgBWとされており、4kgの猫の場合、4倍の60gのタマネギを食べると中毒になるとされていますが、個体や摂取の仕方によって中毒の症状を示す量は異なります。
有機チオ硫酸化合物が原因
タマネギを始めとするユリ科ネギ属の植物(ニンニク、ネギ、ニラなど)には、赤血球のヘモグロビンを「ハインツ小体」に酸化させる有機チオ硫酸化合物などの物質が含まれます。ヘモグロビンがハインツ小体に変化した赤血球は猫の脾臓や細網内皮系組織で破壊され、溶血による赤血球の急激な減少と貧血を引き起こします。
猫がタマネギを食べた時の治療方法
猫がタマネギを食べてしまったらすぐに動物病院に連れて行き獣医師に診察や検査などをしてもらいます。
飲み込む前や食べた直後~1、2時間ほどならタマネギを吐かせますが、もし食べて時間が経ってしまっている場合は血液検査や尿検査などを行い以下の治療法が用いられます。
- ビタミン剤投与
- 点滴
- 投薬
- 輸血
ビタミン剤(抗酸化剤)や投薬などを行い、重度のタマネギ中毒の場合には血が足りない状態になっているので輸血なども行われます。
タマネギ(Onion)について
タマネギ(玉葱)はユリ科ネギ属の野菜で最古の栽培植物の一つです。ハンバーグやタルタルソース、ミートソース、カレー、サラダ、ドレッシング、オニオンフライなどなど様々な料理に使用されてきました。
原産は中央アジアとされていますが日本でタマネギが食べられるようになったのは西洋文化が入ってからですが、明治時時代以降には、味噌汁や親子丼、肉じゃが、かき揚げなど和食でも幅広い料理に使われるようになりました。