目次
猫バンバン(knock knock cats)とは
みなさんは「猫バンバン」を知っていますか?
猫が車のエンジンルームに入り込み、それに気付かずにエンジンをかけてしまう。そんないたましい事故を防ぐ方法が猫バンバンです。
車に乗り込む前にボンネットをバンバン叩いて猫を追い出すことから、猫バンバンとよばれています。音を出すことで猫の気配を確認したり、猫に「人が来たよ!」「車を動かすよ!」という意味が込められています。
このように、猫バンバンをすることで尊い猫の命を救うことができます。
猫に気付かずにエンジンをかけてしまうと…
猫の存在に気付かずにエンジンをかけてしまうと、非常に熱くなったエンジンルームで猫がヤケドを負ったり、エンジンベルトに巻き込まれてケガをしたり、最悪の場合は命を落とします。
また、運転手もハンドルやブレーキが利かなくなり事故につながる恐れがあります。
もともと猫バンバンは雪国や寒い地域を中心に主に行われていた安全確認でしたが、2015年に「猫も人も安心して過ごせる社会のために」として日産自動車がX(旧Twitter)で「#猫バンバン」というハッシュタグを付けて安全確認の方法を呼びかけたことで、多くの人に広まりました。
エンジンルームに入り込むのは春や秋に多い
日本自動車連盟(JAF)によると、「猫がエンジンルームに入り込んだ」というロードサービスの要請が2023年1月の1ヵ月では全国で19件、6月の1ヵ月では全国で343件。冬よりも春の方が要請が多い結果となりました。
猫がエンジンルームに入り込むのは冬のイメージが強いですが春や秋に多く、これは猫の発情期や出産の時期が関係しています。
猫は日照時間の長い時期(3~5月、6~9月)に発情期を迎えます。出産が終わる6月や11月あたりは、母猫も子猫も活発に動き始めるため一番注意すべきといえます。
とはいえ、冬の厳しい寒さや夏の暑い日差し、雨が多い梅雨、台風の強い雨風を避けるために入り込むこともあるため一年を通して注意が必要となります。
猫が車のエンジンルームを好む理由
エンジンルームは、猫が好む条件がそろっています。
- 暗くて狭い
- 外敵から隠れられる
- 外気を避けられる
- ぬくぬくと暖かい
「どうやってエンジンルームに入るの?」と不思議に思うかもしれませんが、エンジンルームには冷却のための小さな穴が空いています。車種によって大きさは異なりますが、とくに子猫が入り込むには十分な大きさです。
猫バンバンの方法と確認ポイント
いたましい事故を防ぐために、猫バンバンの方法や確認ポイントをいくつかご紹介します。日常的に車を運転する方は猫バンバンを習慣づけると良いでしょう。
- ボンネットを軽く叩いて、耳を澄ます
- ボンネットを開けて猫がいないかを確認する
- 車の下や後ろに猫がいないかを確認する
猫バンバンの目的は猫に人が来たことを知らせることであり、びっくりさせることではありません。とくに雨の日は猫の気配や動作に気付きにくいため、晴れの日よりも気を付けましょう。
ボンネットは軽く叩くことがおすすめです。強く叩くと猫がおびえて出てこなかったり、さらに奥に逃げ込んでしまう恐れがあります。猫バンバンといえど、実際はコンコン、トントン程度で良いでしょう。
確実に猫がいないかを確認するにはボンネットを開けるのがおすすめです。「猫の鳴き声は聞こえるけど姿が見えない…」という場合はロードサービスに連絡しましょう。
猫がエンジンルームに入り込むのを防ぐには
猫が落ち着けない環境を作ることで、猫が車に入り込まないようにすることも大切となります。
超音波タイプの猫よけグッズ
主に野良猫のイタズラ防止や敷地内への侵入を防ぐために使用されるグッズですが、車の近くに設置することで猫よけに役立ちます。
センサーが猫の存在を感知して猫が嫌がる超音波を出力します。これは猫には大音量で聞こえますが、人には聞こえない周波数です。これを設置することにより、「この場所は嫌だ」と学習します。
しかし、超音波グッズは近くの飼い猫にも聞こえる可能性があります。使用する際は周りの環境に配慮することが大切です。
猫が嫌うニオイを付ける
猫が嫌うニオイを車の周りに付ける方法です。ホームセンターの肥料売り場などで販売されている忌避剤や木酢液、竹酢液、また柑橘系やハーブ類も猫が嫌うニオイです。
しかし、これらの強いニオイは人にとっても不快感がある恐れがあります。個人の車庫であれば問題ないですが、共有の駐車場や人通りの多い駐車場などでは使用しない方が良いでしょう。
駐車場の環境に合わせて対策をすることが大切です。