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ナチュラルフードとは
キャットフードのパッケージに表示される「ナチュラルフード」とは、合成添加物や人工的な加工成分を極力排除し、自然由来の原材料のみを使用して作られたキャットフードを指します。一般的に、保存料や着色料、香料といった化学的な添加物は使用されておらず、素材本来の風味や栄養を活かしているのが特徴です。
ただし、猫に必要な栄養バランスを維持するために、総合栄養食に限っては、ビタミン類やミネラル類、アミノ酸など一部の栄養素において、最小限の化学的合成成分の使用が例外的に認められています。
つまり、「ナチュラルフード=無添加フード」ではないという点に注意が必要です。合成添加物を使用していなくても、その他の製造工程や素材の品質に大きな差があるため、「ナチュラル」と書かれているだけで安心してはいけません。
ナチュラルフードの特徴
・自然由来の原材料を使用
合成された原料ではなく、植物や動物など自然の素材を中心に構成されています。
・人工添加物を極力使わない
保存料、着色料、香料などの人工添加物を避け、自然由来の保存方法や風味で仕上げられているものが多いです。
・原材料の産地や品質にこだわっている
原材料のトレーサビリティ(追跡可能性)を明確にし、ヒューマングレード(人が食べられるレベル)や地元産の素材を使用している商品もあります。
・穀物の使用に配慮
穀物を完全に排除したグレインフリーや、小麦・トウモロコシを避けた低アレルゲン設計のものもナチュラル志向の一環とされています。
ナチュラルフードの注意点。飼い主としてできること
ナチュラルフードは「体に優しそう」「添加物が少ない」というイメージを持っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、この「ナチュラル」という言葉は曖昧に使われていることも多く、実際には基準が不明確なケースも少なくありません。
「ナチュラル」と書かれているからといって、完全無添加・完全自然素材とは限らないため、表示の信頼性を見極めるには、原材料名だけでなくパッケージに書かれている注釈や補足表示を読むことが重要です。
ナチュラルフードを選ぶ際のポイント
ナチュラルフードを選ぶ際には、次のポイントを意識すると良いでしょう。
- 合成保存料や着色料が使われていないか
- 栄養バランスがAAFCOなどの基準を満たしているか
- 合成ビタミンなどの使用が必要最低限で、明示されているか
- 自然由来の酸化防止対策が施されているか
ナチュラルキャットフードは、猫にとっても飼い主にとっても安心感のある選択肢の一つです。しかし、表示の裏にあるルールや例外を正しく理解し、パッケージの言葉だけに惑わされずに内容を見極めることが、愛猫の健康を守るうえで何より大切です。
ナチュラルフードとオーガニックフードの違い
「ナチュラル」と似た言葉に「オーガニック」がありますが、両者には明確な違いがあります。
・ナチュラルフード
人工添加物を極力使わない製品。法的な認証制度はないが、自然素材を重視している。
・オーガニックフード
原材料が有機認証を受けた農産物・畜産物で構成され、製造・保管・流通に至るまで厳格なルールが課されている。
つまり、「ナチュラル=オーガニック」ではなく、ナチュラルの中にオーガニックを含む場合がある、という関係性です。
まとめ
- ナチュラルフードとは自然素材を重視したキャットフードを指す
- ナチュラルフードの法的な定義は明確ではない
- 総合栄養食やAAFCOの表記を確認することが重要