キャットフードのベイクド製法とは?素材本来の風味を活かす!製造方法の違いとメリットを解説

キャットフードのベイクド製法とは?素材本来の風味を活かす!製造方法の違いとメリットを解説

キャットフードを選ぶとき、多くの飼い主が注目するのは原材料や成分表です。しかし実は、それらと同じくらい重要なのが製造方法。

そんな中でも今回は、素材をオーブンでじっくりと焼き上げる「ベイクド製法」について、ほかの製造方法と比べてどんな違いがあるのか、猫の健康にどのような影響があるのかを解説していきます。

ベイクド製法とは?

低温で時間をかけて焼く製法

ベイクド製法とは、キャットフードの原材料をオーブンでじっくり焼き上げて作る方法です。英語では「Oven Baked Method(オーブンベイク製法)」とも呼ばれ、まるでパンやクッキーのように、低温で時間をかけて焼くというシンプルな工程が特徴です。

日本製の主流はエクストルーダー方式

日本国内の多くのペットフード工場は、高温・高圧で一気に加工する「エクストルーダー方式(エクストルージョン製法)」を主流としています。

これに対し、ベイクド製法にはオーブンベイク専用の焼成設備が必要で、加熱時間が長く、生産効率が低いため、「コスパ重視」や「大容量・お得感」が好まれる日本では導入例が少ないのが現状です。

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2019年2月26日

海外ブランドではよく使用される

現在、日本市場で流通しているベイクド製法のキャットフードは、カーナ4オーブンベイクドトラディションなどカナダやヨーロッパなど海外ブランドが中心です。

ベイクド製法は「ナチュラルフード」や「無添加フード」との相性が良く、自然志向の飼い主から高い支持を受けています

ベイクド製法の工程

キャットフードにおけるベイクド製法の工程は、以下のように進行します。

ベイクド製法の基本工程(一般的な流れ)
  1. 原材料の選定と計量
    肉、魚、野菜、穀物などをレシピに基づいて選び、適切な量を計量する

  2. 混合(ミキシング)
    原材料を均一に混ぜ合わせ、必要に応じて水や天然オイルなどを加える

  3. 生地の成型
    混ぜた生地を成型し、フードの粒の形やサイズに整える

  4. オーブンでの焼成(ベイク)
    130〜180℃前後のオーブンで、10〜30分ほどじっくりと焼き上げる

  5. 冷却
    焼き上がったフードを冷却し、湿気を飛ばしながら安定させる

  6. パッケージング
    品質を保持するために、密封性の高いパッケージに詰める

このように、ベイクド製法は「オーブンで焼く」工程が中心で、時間と手間をかけて栄養と風味を守る作り方が特徴です。エクストルーダー方式のような高圧・高温の押し出し工程はありません。

ベイクド製法のメリットとデメリット

メリット

  • 低温加熱で栄養素の損失が少ない
    ビタミンや酵素が壊れにくく、自然な栄養が保たれやすい

  • 原材料の風味や香りが活かされる
    素材本来の味や香ばしさで、嗜好性を高める

  • 添加物や香料を抑えた製品づくりに適している
    ナチュラル志向・無添加志向の飼い主に支持されやすい製法

  • 適度なアルファ化で消化性が良い
    ゆるやかに加熱するため、炭水化物も穏やかに消化されやすい

  • 噛み砕きやすい
    クッキーのようにサクサク食感なので噛み砕きやすい

デメリット

  • 製造コストが高く、製品価格が高くなる傾向
    長時間かかる分、コストも反映されやすい

  • 製造数が限られるため、流通が少ない
    選べるブランドや種類がまだ少なく、手に入りにくい

まとめ

  • ベイクド製法はオーブンでじっくり焼き上げる製造方法
  • エクストルーダー方式に比べ、栄養素の損失が少ないのが特長
  • 製造に時間とコストがかかるため、製品の価格は高め

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。キャットフード勉強会ディレクターとして、猫ちゃんの栄養や病気、生態、キャットフードなどの情報を提供しています。猫ちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、猫ちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。