猫にアルコールは危険!中毒症状や致死量は?ノンアルコール除菌スプレーやシートのすすめ

猫 アルコール
鈴木さん
お酒を始め、コロナの流行でアルコールによる消毒や除菌も重要視されている世の中ですが、猫にとってアルコールは危険なのでしょうか。
猫田

コロナでアルコールを使った除菌スプレーやウェットシートの需要が以前より増えましたが、猫がいるご家庭では、アルコールのスプレーやウェットティッシュ、除菌シートは猫にとって大丈夫なのか不安に思われる方もいるかもしれません。

今回はアルコールについて猫にどんな危険や影響があるのか見ていきましょう。

猫にアルコールを飲ませるのはNG!

猫はアルコールを分解できません

猫はアルコールを体内で分解することができないので、お酒やアルコール入りの食べ物は与えてはいけません

人の体内には、アルコール代謝によって生成される有害物質「アセトアルデヒド」を分解するALDH2という酵素が存在するので、基本的に適量のアルコールであれば問題なく分解できます(人によりますが)。

しかし猫や犬の場合は、アセトアルデヒドを分解する酵素を持ち合わせておらず、少量のアルコールでも危険です。

アルコール中毒を引き起こします

猫がアルコールを誤飲すると無毒化されないまま長時間体内に残り、中枢神経に影響を及ぼします。それによって以下のようなアルコール中毒の症状が引き起こされます。

  • 昏睡状態
  • 運動失調
  • 倒れこむ
  • まっすぐ歩けない
  • 反射減退
  • 呼吸数の減少

特にアルコールを摂取したのが空腹時だとアルコールが回りやすく重症化しやすい傾向があります。

摂取量によっては死に至ります

アルコールの摂取量によっては猫が死に至ってしまう場合があります。猫によってアルコール許容量は異なりますので、一概には言えませんが、1kgあたり5.5ml~6.5mlのアルコールを摂取すると致死量に達すると考えられています。

ただ個体差もあるので、少し舐めた程度で死に至ってしまう猫もいれば、大きな影響はない猫もいます。アルコール中毒の症状は比較的わかりやすいので、猫の様子がおかしければすぐに動物病院に連れて行きましょう。

アルコールの消毒や除菌スプレー、ウェットシートもNG?

アルコール消毒は正しく使用すれば問題なし

猫 アルコール 除菌

消毒や除菌を目的としたアルコールは、正しい方法で利用すれば問題ありません。

ですが、アルコールは幅広い病原体や菌に対して強力な消毒効果が期待できるので、動物病院でも動物に対してアルコール消毒薬が使用されています。

アルコールは蒸発(気化)を待ちましょう

また、アルコール系は蒸発(気化)しやすく環境中に残りにくいため、気化してしまえば猫が触れても問題ありません。除菌スプレーも犬や猫が近くにいなければ使用できますし、除菌シートも拭いた場所が乾く前に猫や犬が触れたり舐めたりしないよう対策すれば問題ありません。

近くに猫が近くにいたり、乾く前に舐めてしまう恐れがある場合は使用は避けるか猫を別室にうつすか、自分が別室で使うようにしましょう。

ケガや出血の消毒のために使う場合、自分で対処することは少ないかと思いますが、猫が舐めたり触ったりしないよう、エリザベスカラーなどを利用する必要はあるかと思います。ただその場合は動物病院での処置や指示があるかと思います。

最も安心なのはノンアルコール製品

猫 アルコール 除菌

毎日の生活の中で、猫がアルコールに触れてしまったり舐めてしまったりすることが不安ということでしたら、最もおすすめなのはノンアルコールの除菌グッズです。

アルコールの他にも除菌効果のある成分を使用した製品はありますので、たとえば次亜塩素酸ナトリウム配合のノンアルコールの除菌スプレーはペットがいるご家庭でよく利用されています。

<おまけ>ギネス世界一の長寿猫はワインを飲んでいた?

最後に、これまでアルコールは猫にとってNGと言ってきましたが、38年も生きたギネス世界一の長寿猫クレームパフちゃんや34歳まで生きたグランパ・レックス・アレンちゃんを飼っていたブリーダー、ジェイク・ペリーさんは、猫に対して赤ワインを2日おきにスポイトで少量ずつ与えていた、という話があります。

基本的に猫にアルコールはNGとされており、この話が本当であるかもわかりませんので、絶対に真似はしないでいただきたいですが、そういうおもしろい話もあった程度にとどめて頂けますと幸いです。

猫のギネス最高齢は38歳!長寿の秘訣は?日本では18歳以上の猫を表彰

2018年4月6日

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。