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ボディコンディションスコア(BCS)とは?
ボディコンディションスコア(Body Condition Score)は、猫の体脂肪・体型を評価した指標(スコア)です。
人の場合、身長や体重から肥満度が計算できますが、犬や猫の場合、身長から計算できないので、体重ではなく実際に猫を見て触って判断します。
世界小動物獣医師会(WASAVA)が発表している指標で、肥満や衰弱などの判断目安として使用されています。
日本のガイドラインにも採用
画像引用元:飼い主のためのペットフード・ガイドライン|環境省
環境省から発表されている「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~」の体調管理の部分でも、BCSをつかった管理が推奨されています。
WASAVAが発表しているのは9段階ですが、一般の人では9段階も見分けることは難しいので、体型管理には5段階で十分かと思います。
ボディコンディション(BCS)の使い方
ボディコンディションスコアでは、肋骨や背骨、骨盤、腰椎など主に胴部分を見たり触ったりして判断します。
長毛猫の場合、被毛で見たり触ったりしてもよく分かりにくいので、シャンプーなどで濡れてボリュームがない時や、トリミング後に確認するのがおすすめです。トリミングサロンに行っているなら店員さんに聞いてみてもいいかもしれません。
BCS1…痩せ
肋骨、 腰椎、骨盤が外から容易に見える。首が細く、上から見て腰が深くくびれている。横から見て腹部の吊り上がりが顕著。脇腹のひだには脂肪がないか、ひだ自体がない。
スコア1は最も痩せている状態で、体の骨が見えるくらいに脂肪や筋肉が落ちている状態です。少量で効率良くエネルギーを摂取できる高カロリー・高脂質な食事を与えます。
BCS2…やや痩せ
背骨と肋骨が容易に触れる。上から見て腰のくびれは最小。横から見て腹部の吊り上がりはわずか。
スコア2は腰辺りに若干のくびれがあり、腹部がお尻に向かってきゅっと上に上がっています。
BCS3…理想的
肋骨は触れるが、見ることはできない。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれがわずかに見られる。横から見て腹部の吊り上がり、脇腹にひだがある。
スコア3は太っても痩せてもいないちょうど真ん中の理想的な体型です。上から見たときの体のラインは直線です。健康維持にも一番良い状態なので、現状の体型を維持しましょう。
BCS4…やや肥満
肋骨の上に脂肪がわずかに沈着するが、肋骨は容易に触れる。横から見て腹部の吊り上がりはやや丸くなり、脇腹は窪んでいる。脇腹のひだは適量の脂肪で垂れ下がり、歩くと揺れるのに気づく。
スコア4はまだ肋骨は触れるものの、上から見ると下半身に向けてやや線が広がってお尻が大きくなっているように見えます。スコア5に進んでしまう前になんとか食い止めて理想体型に戻したいところ。
BCS5…肥満
肋骨や背骨は厚い脂肪におおわれて容易に触れない。横から見て腹部の吊り上がりは丸く、上から見て腰のくびれはほとんど見られない。脇腹のひだが目立ち、歩くと盛んに揺れる。
スコア5は誰が見ても肥満と分かるまんまる体型。猫の首がなくなりかけています。長毛の猫だと気付きにくいかもしれませんが、触れば脂肪の厚みはしっかりと判断が付きます。ダイエットや給与量管理が必要になるかと思いますので、獣医師さんに相談しましょう。
猫が痩せる主な原因
- 口腔トラブル(口内炎、腫瘍、歯周病、歯肉炎)
- 消化管内寄生虫症
- 糸状虫症
- 慢性特発成長疾患
- 胆石症
- 慢性腎臓病
- 脂肪肝
- 異物、毛球症
- 慢性胃炎
- 巨大食道症
- 腎盂腎炎
- 糸球体腎炎
- 甲状腺機能亢進症
- 糖尿病
- がん
- ストレス
猫が太る主な原因
- 運動不足
- 食べ過ぎ
- 高脂質・高炭水化物な食事
- おやつの与えすぎ
- 人の食べ物を与える
BCSと合わせて読みたい!MCS(マッスルコンディションスコア)
ボディコンディションスコアを発表しているWASAVA(世界小動物獣医師会)ではMCS(マッスルコンディションスコア)という筋肉量を評価した指標も発表しています。
マッスルコンディションスコア(BCS)では脂肪ではなく、筋肉の減り具合を観察するので、BCSと合わせて判断するとより正確な状態を知ることができます。