目次
バンビーノ(bambino)の誕生・起源
誕生は2005年の新しい猫種
バンビーノは、2005年にアメリカ・アーカンソー州のブリーダー、ステファニーとパット・オズボーン夫妻によって誕生した比較的新しい猫種です。
バンビーノの起源は、ユニークな特徴を持つ2つの猫種、スフィンクスとマンチカンの交配にさかのぼります。スフィンクスは無毛で柔らかな肌を持ち、非常に人懐っこい性格で知られる一方、マンチカンは短い足と活発な性格が特徴です。この2つの魅力を兼ね備えた猫を生み出すことが、夫妻の目標でした。
イタリア語で「赤ちゃん」
夫妻は、スフィンクスとマンチカンの特性が合わさった猫を作出するために、計画的な交配を進めました。その結果誕生したのが、無毛で短足、そして愛らしい性格を持つバンビーノです。
見た目の特徴から、イタリア語で「赤ちゃん」を意味するバンビーノと名付けられました。名付け親となったステファニー夫人のイタリア系のルーツが、この名前に影響を与えたとされています。
バンビーノは誕生直後からはそのユニークな外見と性格で注目を集めました。2006年には、国際猫協会(TICA)によって「実験的な新しい品種」として認定され、徐々に愛猫家たちの間で広がりを見せるようになりました。しかしまだ歴史が浅いため、現在のところ他の猫血統登録団体ではあまり公式に認められていません。
バンビーノの性格
友好的で社交的
バンビーノの魅力はその見た目だけではありません。スフィンクス由来の人懐っこさと、マンチカンから受け継いだ活発で愛嬌のある性格が、飼い主たちを魅了しています。
バンビーノはスフィンクスから受け継いだ友好的で社交的な性質が強く、家族や他のペットとすぐに打ち解けることができます。また飼い主との絆を深く求め、常にそばにいたいという甘えん坊な一面があります。そのため、留守番が長時間続く環境には不向きとされています。
遊び好き
バンビーノはマンチカン譲りの活発で遊び好きな性格も持っています。短足ながらも運動能力は高く、家の中を駆け回ったり、おもちゃで遊んだり、行動は活発です。また好奇心旺盛なので、新しい環境や物事に対しても恐れず挑戦します。
子猫のような無邪気さを大人になっても持ち続けるため、「永遠の赤ちゃん」とも呼ばれることがあります。
バンビーノの毛色・模様
非常に細かい産毛が生えている
バンビーノは基本的に無毛種として知られていますが、完全に毛がないわけではありません。非常に短く細かい産毛のような毛が体を覆っていて、触るとスエードのような滑らかさを感じます。
毛の長さはほとんど目立ちませんが、体温を直接感じられるため、ユニークな触感が楽しめるのもバンビーノの特徴の一つです。無毛に近い体であるため寒さに弱く、飼い主に対して体を寄せて暖をとることが多くみられます。
毛色や模様
バンビーノの毛色や模様は、スフィンクスから引き継いだ遺伝的特徴により非常に多様性があります。単色(ブラック、ホワイト、グレーなど)から、タビー(縞模様)、ポイント(顔や耳、足先に濃い色が出る模様)など、さまざまなパターンがみられます。これらの模様は毛ではなく肌の色や模様としてあらわれるため、通常の猫のような毛の模様とは異なります。
また、体全体の色調や模様は個体ごとに異なり、それがバンビーノの個性をさらに引き立てています。肌の模様が色濃く出ている個体は、特に視覚的な魅力を持つとされ、愛猫家に人気です。
バンビーノの顔・体型
エキゾチックな顔立ち
バンビーノの顔は、スフィンクス譲りのくっきりとした輪郭が特徴的です。大きな耳がピンと立ち、顔の輪郭はやや逆三角形に近い形をしています。目はアーモンド型で、個体によっては非常に大きく見え、好奇心や愛らしさを感じさせます。鼻は短めで、全体としてエキゾチックな印象を持つ顔立ちです。
骨格の美しいラインが際立つ
バンビーノの体型はセミフォーリンタイプに分類されます。
マンチカンから引き継いだ短い足が特徴的で、歩き方や動きに独特のかわいらしさが感じられます。胴体は筋肉質でしっかりしており、短い足ながらも意外な運動能力を発揮します。尾は中くらいの長さで、スラリとした形状を持っています。
無毛に近い体で肌が露出しているため、筋肉や骨格の美しいラインが際立ち、ほかの猫種とは一線を画した印象を与えます。
バンビーノの飼い方・飼いやすさ
安全でストレスがない生活を送るために、バンビーノの飼い方をきちんと把握しましょう。
生活環境
バンビーノは無毛種であるため、非常に寒さに弱い猫種です。体温を維持するのが難しく、寒い季節には暖房を使用し、毛布や専用の猫用ヒーターを準備してあげる必要があります。また、肌がデリケートなため直射日光を避ける工夫も大切です。
短足ながら活発で運動が好きなので、猫が遊べる広さやキャットタワー、トンネルなどのアイテムを用意すると喜びます。
ブラッシング
バンビーノにはほとんど毛がありませんが、皮脂の分泌が多いため、定期的なケアが必要です。1~2週間に一度は、湿らせた柔らかい布やスポンジで肌を優しく拭き、皮脂や汚れを取り除きましょう。
食事管理
バンビーノは短足なので、肥満になると関節に大きな負担となります。カロリーオーバーには十分に注意し、しっかりと体重管理を行いましょう。
遊び
バンビーノは好奇心旺盛で遊び好きな性格を持っています。短い足ながらも走ったり跳ねたりする運動を好むため、飼い主が一緒に遊べる時間を確保することが重要です。
釣り竿型のおもちゃやボール、レーザーポインターなど運動量を増やせるアイテムを取り入れると良いでしょう。また、知育玩具などを活用して頭を使う遊びを取り入れるのもおすすめです。
初心者でも飼いやすい?
バンビーノは非常に人懐っこく愛情深い性格であるため、初めて猫を飼う方でも絆を築きやすいでしょう。しかしその反面、長時間のお留守番にはストレスを感じやすい傾向にあります。
また、デリケートな体のケアが欠かせません。初心者でも事前にしっかり準備すれば飼いやすい猫種といえます。
バンビーノのかかりやすい病気
猫種に限らず、猫は猫下部尿路疾患や肥大型心筋症、歯周病にかかりやすい傾向にあります。ここでは、これらの病気以外でバンビーノがかかりやすい病気をご紹介します。
骨軟骨異形成
バンビーノの特徴的である無毛と短足は、遺伝性疾患である「骨軟骨異形成」である可能性があります。症状が進行すると生活に支障が出るため、バンビーノをお迎えする場合は、遺伝性疾患と向き合う覚悟を持つことが大切です。
皮膚トラブル
バンビーノは無毛に近い体のため、皮脂が皮膚に溜まりやすく、炎症や感染症のリスクがあります。また、直射日光にさらされると日焼けや皮膚がんのリスクも高い傾向にあります。
感染症にかかりやすい
バンビーノは無毛で体温維持に多くのエネルギーを消費するため、免疫力が低下しやすいといわれています。そのため、感染症に対するリスクが高い傾向にあります。
バンビーノの価格
バンビーノは希少性が高いため、一般的な猫種と比べて価格も高めに設定されています。日本では約28万円~70万円程度が相場です。また日本国内ではブリーダーが少なく、輸入される場合もあるため、その分費用が高くなることもあります。
まとめ
- スフィンクスとマンチカンの交配種
- 社交的で遊び好きなため、初心者でも買いやすい
- 無毛であるため、皮膚の健康管理に気を配る
- 短足・無毛という特徴から、骨軟骨異形成の進行に注意が必要