エリザベスカラーの選び方と装着方法。猫が嫌がる時の対処方法と注意点を紹介!

鈴木さん
エリザベスカラーを付けるのは仕方ないことだと分かっているのですが、ストレスも感じそうですし、ちょっとかわいそうな気がしてしまいます。
猫田

一時的とはいえ猫にエリザベスカラーは本当に必要なのか、なるべくストレスがないようにするにはどうしたらいいのか、と悩まれている飼い主さんは多いかと思います。

今回は悩める飼い主さんとエリザベスカラーが必要な猫のために、エリザベスカラーになるべくストレスを感じずに生活しやすいようにするにはどうしたらいいかご紹介してきます。

エリザベスカラーは猫が傷や炎症を舐めるのを防ぐ保護具

エリザベスカラー 

エリザベスカラー(elizabeth collar)は手術やケガなどによって外傷や皮膚病がある猫が傷口を舐めないように使用される保護具です。医療機関では猫の視界を狭めて気持ちを落ち着けたり、噛まれないようにする目的で使われることもあります。

「エリザベスカラー」という名前は、カラー(Collar)が襟という意味で「エリザベス」はイギリスのエリザベス1世が来ていたドレスの襟の形に似ていたことが由来しています。現在は様々なエリザベスカラーを登場していますが、基本的には円錐型で、いわゆる”エリマキトカゲ”のようなの形状のものがスタンダードです。猫の首にくるっと巻いて、猫が毛繕いができないようにします。

エリザベスカラーの種類と素材

プラスチック素材

プラスチックタイプのエリザベスカラーはもっともよく見かける定番のもので、価格も安く種類も豊富です。医療機関でも最も使われています。唾液や食べこぼしなどを拭いたり洗ったりしやすいため衛生的。プラスチックなのである程度固さがあり固定しやすいかと思います。薄手ではありますが、素材としては最も固く固定しやすい分、動きも制限されるため、猫にとってはストレスは感じやすいかもしれません。

布素材

布素材のエリザベスカラーは、軽くて猫の首に当たるの部分はやわらかいためストレスは軽減されやすいかと思います。布だけでは折れたりペロンペロンになってしまうので、中には厚紙やプラスチックの骨組みが入っていることが多いです。ただ食べこぼしやよだれ、水などで濡れてしまったりすると洗ったり乾かすのに時間がかかるため、ローテションできるよう2~3個用意しておくのがおすすめ。

クッション素材

クッションタイプのエリザベスカラーは首の周りに綿が入ったフワフワが巻かれるような感じです。○スタードーナツのポン○ライオンのような見た目の商品もあります。可愛くて通常のエリザベスカラーの「窮屈そう」で「可哀想」というイメージが払拭されるので飼い主さんもポジティブな気持ちになるかと思います。クッションタイプは襟巻き型とは異なり猫の視界が広くなるので、遊んだり動きやすいかと思います。ただ視界が開ける分、通常通りに動きたくなってしまい、かえってアクロバティックに動いてしまったり、思うように動けずストレスになる可能性も。

保護首輪がマジックテープや巾着の商品がおすすめ

エリザベスカラーは様々なものがありますが、首の部分がボタンになっているものもありますが、おすすめは細かいサイズ調整がきくマジックテープや巾着のように紐を引っ張ってすぼめるタイプのものです。

ボタンは複数あってもある程度のサイズ調整しかできず、微妙なサイズに合わせることができません。また、ボタンを留めたり外したりするために時間がかかるのでおすすめではありません、マジックテープや巾着は、自由にサイズ調整がきき、ちょうどいいしまり具合に直すことができますし、猫が暴れて外してしまっても簡単に装着できます。

ただ巾着タイプの場合、紐部分が垂れないように気を付けましょう。猫が紐部分で遊んで引っ張ってしまうと口がすぼんで首がきつくなってしまいます。

エリザベスカラーを嫌がる時の装着方法と対処法

始めから嫌がらずエリザベスカラーを受け入れてくれる猫は少ないでしょう。付けたり外したりする度に暴れて逃げてしまう猫もいて苦労される飼い主さんも多いと思います。

ということで、獣医師さんも実践している嫌がる猫にエリザベスカラーを装着する方法をご紹介したいと思います。

タオルで包んで落ち着かせる

いきなりエリザベスカラーをつけようとすると嫌がられてしまうので、まずは猫の機嫌を取るために、慣れたタオルや布で包んで気持ちを落ち着かせます。上半身すべてを包んで視野を狭くしてあげるとより落ち着きやすくなります。

ゆるめに装着してサイズ調整

もし2人いるなら、タオルから顔だけを出して前足をタオルの上から優しく持って固定、もう一人がエリザベスカラーをゆっくり装着するとスムーズです。1人で行う場合は落ち着かせた状態で抱きかかえて後ろからゆるめに装着し、サイズを調整するとやりやすいです。始めからきつめに付けると外れにくいですが猫が嫌がったり苦しい思いをするので、始めはとれてしまうこと覚悟でゆるめに付けることを意識しておくと猫も受け入れてくれやすくなります。

それでも嫌がるなら患部を守る術後服

どうしても嫌がるようであれば、患部を舐めないようにする「術後服」もおすすめです。動きやすさや視界の広さ、普段の生活の安全生を考えると、術後服の方がメリットは多いかもしれません。ただ服を着ることをエリザベスカラー以上に嫌がる猫もいるのでどちらか受け入れてくれる方を試してみてください。

エリザベスカラーを付ける時の注意点

水が飲みやすい環境

エリザベスカラーを付けている時は、猫にとって非常に首を曲げたり下げたりしにくい状態のため、なるべく首が楽な状態で水が飲めるように背の高い給水器を用意してあげましょう。いつもより水飲み場を増やしたり、食事をウェットフードにするのもおすすめです。

猫は面倒だったり少しでもためらうと水を飲まなくなり、飲水量が減って尿路結石や腎臓病のリスクを高めてしまいます。また水を飲まないことによる脱水も心配です。

このためエリザベスカラーを装着する時は、特に猫がしっかり水分を摂れるか注意しましょう。

エリザベスカラーを外す時間も設ける

毛繕いを始めたり傷口や炎症が気になる素振りを見せたらエリザベスカラーの装着を続けるのが望ましいですが、飼い主さんの目の届くところでかつ短時間であれば、ストレス解消・軽減のためにエリザベスカラーを外す時間を設けるのも良いでしょう。

ごはんを食べたり遊んだり何かに夢中になっていたり抱っこして撫でている間はエリザベスカラーを外してのびのびさせる時間を作れたら猫のストレスも幾分かマシになると思います。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。