キャットフードの着色料:食用赤色2号(アマランス)
食用赤色2号(アマランス:Amaranth)は、かき氷のイチゴシロップやゼリー、お菓子、飲料水、工業製品など広く使用されている合成着色料(タール色素)のひとつです。
アマランスと似た名前で「アマランサス」というヒユ科の疑似穀類があります。アマランサスはアマランスと呼ばれることもありますが、着色料のアマランスの場合はキャットフードの原材料名欄に「赤色2号」と表記されることがほとんどなので見分けはできるかと思います。
日本を含めヨーロッパなど主要な国での使用が認められていますが、アメリカ、タイ、台湾などでは使用が認められていません。
食用赤色2号は日本国内において、つけもの、たらこ、ソーセージ、ジャムなどにも食品添加物として使用され、赤色着色料の中で最も多い生産量・使用量となっていますが、キャットフードにおいては、赤色2号を使用しているフードはあまり多くありません。
- モンプチ キャットフード
食用赤色2号(アマランス)の猫への危険性
発がん性はない
食用赤色2号において、発がん性や急性毒性などは確認されていません。
子世代における行動発達の抑制、嗅覚発達への影響
画像引用元:マウスを用いた混餌法及び混水法による食用赤色2号の2世代毒性試験|東京衛研年報 東京都健康安全研究センター
(抜粋)考察:これらの試験において、食用赤色2号の投与によりマウスの行動発達のいくつかの項目が有意に抑制的な影響を示した。混餌法試験において仔マウスの体重は全群でほぼ同様であり、母マウスの摂餌量が各群ほぼ同量なことから、仔マウスの栄養状態は各群で差が見られなかったものと思われる。混水法試験ではむしろ投与群で体重が増加する傾向が見られたが、授乳期間中の仔マウスの生存率が低濃度投与群で低下していることから、仔体重が増加しているのは一腹仔数の減少による栄養状態の差によるものと思われる。しかしながら両試験において、食用赤色2号の投与群の行動発達のいくつかの項目が抑制される傾向を示した。運動協調性の発達を表す正向反射と遊泳試験の方向、さらに平衡感覚の発達を表す遊泳試験の頭角度が投与群で有意に抑制された。また、嗅覚性指向反応が投与群で用量依存的に抑制されたことから、食用赤色2号は嗅覚の発達に影響を与えることが示唆された。投与群の仔マウスの栄養状態に大きな差がないことから、これらの行動発達に対する抑制的な影響は食用赤色2号の投与によるものと思われる。以上の結果から、上記の試験に用いられた用量の食用赤色2号は、仔マウスの行動発達に対しては抑制的に影響することが確認された。
マウスを用いた赤色2号の2世代毒性試験により、母マウスに対して食用赤色2号を投与したところ、子どものマウスの行動発達の抑制や嗅覚発達に影響を与えることが示唆されました。
子世代に影響が出てしまうということで、避妊去勢をしていない猫やブリーダーで猫が子どもを生む可能性がある場合は注意が必要かもしれません。
まとめ
- 日本国内で最も生産量・消費量の多い赤色着色料
- かき氷のイチゴシロップやお菓子に使用されている
- 発がん性は確認されていないが、子世代に行動発達の抑制や嗅覚の発達に影響を与える可能性がある