キャットフードの緑色3号(ファストグリーンFCF)。発がん性や危険性について解説

キャットフード 緑色3号 ファストグリーンFCF

キャットフードの着色料:食用緑色3号(ファーストグリーンFCF)

食用緑色3号(ファーストグリーンFCF:FD&C Green No.3)は、メロンソーダなどの飲料水やお菓子、また工業製品や化粧品などにも使用されている合成着色料(タール色素)です。

短期・長期毒性や発がん性についていずれも危険性は認められていません。日本の他アメリカなどでも食品添加物として緑色3号の使用が認められていますが、EUでは1989年の通達を受けて2008年の法改正で緑色3号の使用は許可されていません。

一部アメリカからの輸入キャットフードには緑色3号が使用されていることがありますが、現在キャットフードに緑色着色料を使用するメーカーはほとんど見つかりませんでした。緑色は黄色と青色の混合色なので、他の着色料で補うことが可能なことも使用されない理由のひとつかもしれません。

食用緑色3号を使用しているキャットフード例
  • 現在販売中のフードでは見つかりませんでした

食用緑色3号(ファーストグリーンFCF)の猫への危険性、発がん性

いずれの毒性も確認されていない

キャットフード 緑色3号引用元:食品安全関係情報詳細|食品安全委員会

キャットフード 緑色3号引用元:JOINT FAO/WHO EXPERT COMMITTEE ON FOOD ADDITIVES Eighty-fourth meeting Rome, 6–15 June 2017 |JECFA

・ファストグリーンFCF(現行規格の見直し)
以前に設定されたADIである0~25mg/kg体重は、ラットを使った長期給餌試験に基づく。この試験で特定されたNOAELは5%(2,500mg/kg体重/日当量)で、試験での最高濃度であった。以前の評価以降に入手可能となった新たなデータに基づけば、以前のADIである0~25mg/kg体重を変更する理由はないと結論付け、当該ADIを再確認した。JECFAは、ファストグリーンFCFに関する、安全側に立った食事経由推定ばく露である12mg/kg体重(青少年での95パーセンタイル値)は当該ADIの上限を下回っていた点に注目した。食事経由のファストグリーンFCFばく露は、青少年及び他の全ての年齢集団において健康への懸念とはならないと結論付けた。

上記は2017年6月と比較的新しい情報ですが、始めにも記載の通り、食用緑色3号は短期・長期毒性、発がん性や遺伝毒性などは確認されていません。

EUでは許可が取り消されていますが、その理由は毒性について確認されたからではなく「乳幼児期の児童に対しては健康上の特別な利益のない食品添加物を摂取させるべきではない」という方針による法改正だったため、緑色3号に毒性や危険性があったから許可が取り消されたわけではありません。

ただし緑色3号については他の合成着色料と同様、石油由来のタール色素であり、自然由来のものではないため利用されるようになってからの歴史も浅く、危険性がまったくないとは言い切れません。

まとめ

  • キャットフードでは現在ほとんど使用されていない
  • 毒性や発がん性についても特に確認されていない
  • 日本やアメリカでは許可、EUでは2008年から禁止
  • 石油由来の合成着色料(タール色素)なので必ずしも安全とは言い切れない

キャットフードの合成着色料とは?発がん性や遺伝毒性、猫への危険性を解説

2016年12月5日

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。