キャットフードの原材料:リンゴ
古くから親しまれてきた果物
リンゴはバラ科リンゴ属に属する木の果実で、世界中で栽培される人気のフルーツです。
甘味が強く低カロリーでありながら食べ応えがあり、栄養価の高いのに世界中で栽培できる果実というということで、古くから現代まで多くの人に広く親しまれてきました。
リンゴの栄養素
ビタミンCやペクチン、ポリフェノールが豊富
リンゴには様々な栄養素が含まれています。
- 水溶性食物繊維(ペクチン)
- りんごポリフェノール(プロシアニジン)
- ビタミンC
- リンゴ酸、クエン酸
水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなって消化機能を高める作用や満腹感を感じさせるなど様々なメリットがあります。
タンパク質 | 0.2g | |
脂質 | 0.1g | |
炭水化物 | 総量 | 14.6g |
食物繊維 | 1.5g | |
ミネラル | 銅 | 0.04mg |
カリウム | 110mg | |
カロリー | 100g | 54kcal |
キャットフードにリンゴを使うメリット
腸内環境を整える水溶性食物繊維
水溶性食物繊維のペクチンは猫の腸内環境を整え、消化機能の改善のために働きます。
善玉菌が増えて腸内が正常に保たれることで、消化機能を改善したり正常な免疫機能を保つ効果もあります。
老化防止や癌予防、活性酸素を抑える
リンゴポリフェノールには様々な効果が期待されています。中でもプロシアニジンはリンゴポリフェノールの一つとして有名です。
- 生活習慣病予防
- 内臓脂肪を減らす
- 抗がん作用
- 老化防止
- 免疫促進
- 抗アレルギー作用
- 血流促進
- 認知種予防
- 糖代謝を促進
最近はリンゴポリフェノールは活性酸素を抑えることで、細胞の老化防止やがん予防の効果が研究されており、これから発見されるかもしれない効果にも注目です。
疲労回復や殺菌作用
リンゴに含まれる有機酸(リンゴ酸やクエン酸等)には、疲労や肩こり、腰痛の原因となる乳酸を減らす作用や殺菌作用があります。
キャットフードにリンゴを使うデメリット
単糖類は血糖値が上げやすい
リンゴにはグルコースやフルクトースなどの単糖にあたる糖質が豊富に含まれています。
猫は炭水化物の消化吸収が苦手と言われていますが、すでに分解されている単糖の形の場合、猫も消化吸収することが可能です。
少なくともネコは血糖値調整が不得手な動物とは言えるため、ペットフード中にグルコースのような急激に血糖値が上がるような原料を多く配合する事は勧めない。
またネコにおいては肝臓のフルクトキナーゼ活性も低いと考えられており、フルクトース(果糖)は潜在的に腎負担となる可能性もあるためキャットフードでは避けた方が良いと思われる。
引用元:ペットフードで使用される主な炭水化物源原料 迫田順哉
しかしペット栄養学会誌によると、単糖類が多いキャットフードは猫の血糖値を急激に上げる、また猫の腎臓にも負担をかける可能性があると解説しています。
ただしキャットフードの場合、リンゴがたくさん使用されているようなフードはそこまで多くはないので、敏感になりすぎる必要はないかと思います。
プロシアニジンは加熱に弱い
リンゴポリフェノールの一つで特に効果が注目されるプロシアニジンは加熱に弱いと言われているため、せっかく配合しても製造過程で失われてしまう可能性があります。
ただ基本的にポリフェノールは熱に強いため、プリシアニジン以外のポリフェノールの損出は少ないかと思います。
リンゴを生で与える場合
リンゴポリフェノールが摂取できる
リンゴは生で与えることも可能です。リンゴを生で与えることで、りんごポリフェノールである「プロシアニジン」を摂取できます。
また生のリンゴは水分も80%が以上になるので、水分補給にも便利です。
リンゴの与え方
与える時は、なるべく小さく切るまたはすりつぶして与えましょう。大きすぎると猫が喉に詰まらせてしまったり、消化不良を起こす可能性があります。
注意点としては、リンゴの葉や種にはシアン化水素(青酸)が含まれていて、嘔吐や痙攣などの中毒症状が引き起こされることがあります。そのため生のリンゴを与える時は種やヘタを取り除いて与えましょう。
リンゴポリフェノールは特に皮と実の間に多くの栄養成分が含まれているので、皮は剥かずに与えるのがおすすめです。
沢山与えない
デメリットでお話しましたが、リンゴに含まれる単糖類は猫が吸収しやすい糖質なので、たくさん与えすぎると、血糖値を急激に上げ腎臓にも負担がかける可能性があります。
そのためリンゴを与える場合は少なめの量を意識して、肥満や糖尿病、腎疾患の傾向がある猫は特に注意しましょう。