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キャットフードの原材料:オキアミ(krill)
エビによく似た甲殻類のプランクトン
オキアミとは海に生息しているエビによく似た甲殻類の生物(プランクトンの仲間)で「あみえび」と呼ばれることもあります。エビの中でも特に「サクラエビ」と非常に似ており、サイズや色、見た目などもほとんど変わりありません。
オキアミの種類は、南極海に住む「ナンキョクオキアミ」、三陸沖などで穫れる「ツノナシオキアミ」、また「コオリオキアミ」などがあります。
キャットフードでも原材料としてオキアミが配合されていますが、キャットフードでは南極オキアミがよく利用されます。
オキアミとエビとの違い
実際、エビとの違いといえば、
- オキアミにはエビにはあるひげ(触覚)がない
- 胸元からのびる足の形がエビとは異なる
上記のようにぱっと見では、大きな違いはありません。栄養や味もそこまで違いはありませんが、オキアミはエビよりも薄味に感じられるようです。
オキアミの栄養や成分について
オキアミはスーパーフードとしても有名
オキアミは生態系全体に影響を与える生物とも言われており、また強い生命力と豊富な栄養素を持ち合わせていることから、近年食品でもスーパーフードとしても注目されてきています。
EPA・DHAが豊富
オキアミにはEPA(ドコサヘキサエン酸)DHA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれています。
EPAとDHAは魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸で、猫にとって必須脂肪酸となっています。猫の体で生成することができないので、キャットフードや食べ物から摂取しなければなりません。
オメガ3脂肪酸が少なくなりがちな肉メインのキャットフードでは、オキアミはオメガ3脂肪酸をまかなうことができる貴重な原材料の一つです。
タンパク質やビタミンが豊富
オキアミは猫に必要な動物性タンパク質やビタミンが豊富に含まれています。オキアミは動物に含まれますので、タンパク質の種類も、植物性ではなく動物性タンパク質になります。
オキアミの栄養成分
タンパク質 | 15g | |
脂質 | 3.2g | |
炭水化物 | 0.2g | |
ミネラル | ナトリウム | 420mg |
カリウム | 320mg | |
マグネシウム | 85mg | |
カルシウム | 360mg | |
カロリー | 93kcal |
オキアミは食品ではあまり流通していない?
釣りや養殖魚のエサに使用される
日本ではオキアミの多くは魚を釣るための餌、養殖魚の餌などとして使用されます。
エビとほとんど違いのないオキアミですが、オキアミはエビより悪くなりやすく色も変わってしまいやすかったことから、あまり食用として流通することはありませんでした。
サクラエビとして販売されている
しかし現在は加工技術などが進んだことで、オキアミが”サクラエビとして”販売されていることもあります(サクラエビは限られた海でしか獲れないため産地で見分けが付けやすい)。
サクラエビが穫れる駿河湾産以外で穫れたサクラエビは、オキアミの可能性が高いと言われています。そのため私たちも知らず知らずのうちにオキアミを口にしていたんですね。