キャットフードのフェヌグリーク。消化促進や整腸、脂肪蓄積抑制作用あり!クマリンの危険性は?

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キャットフードの原材料:フェヌグリーク(Fenugreek)

フェヌグリーク(Fenugreek)は地中海地方を原産とするマメ亜科フェヌグリーク属の植物で、黄色や淡い茶色の種子が特徴です。

日本ではあまり馴染みのない食材かもしれませんが、古くから薬や漢方としても利用されてきました。

また、食材としてはメッチ、メティー、胡廬巴(コロハ)など地域によって様々な呼ばれ方があり、甘い香りとほのかな苦味があるので、ハーブや香辛料としてカレーや調味料、メープルシロップ、ハーブティー、スイーツ、エスニック料理などに利用されています。

キャットフードでも他のハーブや植物と一緒に少量配合されています。フェヌグリークは地中海地方が原産なので、イギリスやベルギーなどヨーロッパ産のフードで見かけることが多い印象です。

フェヌグリークの作用や効果

消化促進、腸内環境を整える作用

フェヌグリークには消化促進や胃腸の調子を整える作用があります。古くから民間医薬として胃腸障害や消化器トラブル時に処方されてきました。

フェヌグリークには水溶性食物繊維のガラクトマンナンが多く含まれているので、便の状態や腸内環境を整える整腸作用も期待されています。

抗炎症作用による皮膚や粘膜のケア

フェヌグリークに多く含まれるフラボノイドには抗炎症作用があり、抗炎症作用によって皮膚、口腔内、脳など様々な炎症を抑え健康維持に役立つとされています。

フェヌグリークは古くから口腔疾患や口周りの炎症、口臭ケアなどに使われてきました。また近年は抗炎症作用による認知機能低下の予防の可能性も期待されています。

母乳分泌サポート、生殖能力向上

また、フェヌグリークに含まれるジオスゲニンは体内で女性ホルモンとして働くので、母乳量の増加やサポートに使われてきました。

また、ジオスゲニンはテストステロンなどの男性ホルモンになることもあり、生殖能力の向上にも効果があるとされています。

脂肪蓄積抑制や血中コレステロール低下

フェヌグリークは脂肪蓄積抑制や血中コレステロール低下に関与することが報告されています。

キャットフード フェヌグリーク 猫引用元:フェヌグリークは正常ラットの脂肪蓄積抑制に関与する|日本栄養・食器学会誌 第64巻 第2号 99-106 (2011)

要旨:香辛料の一種であるフェヌグリーク (Trigonella foenum-graecum) の生活習慣病予防効果を検討した。標準食 (STD)および高脂肪・高ショ糖食 (HFS)の 2種類の実験食を作成しそれぞれの実験食にフェヌグリーク添加郡を加えて計4郡とし、正常なSD系ラットに摂食させた。HFSではフェヌグリーク添加によって体重増加量、エネルギー効率比および精巣周囲白色脂肪組織重量は減少した。 また、肝臓中の総コレステロール量も減少し、糞中への総胆汁酸排泄量が増加した。しかしながら、耐糖能に関してはフェヌグリーク添加による大きな影響はみられなかった。以上のことから、フェヌグリークは食餌中脂質の糞中への排泄を促進することによって、肝臓および白色脂肪組織への脂肪蓄積を抑制し、その結果として体重増加を抑制することが推察された。

フェヌグリークには食事に含まれる脂質を糞に排泄することを促進することで、肝臓や脂肪組織への脂肪蓄積を抑制し、体重増加を抑制する効果が報告されています。

フェヌグリークの注意点、危険性

過量摂取は肝毒性や腎毒性を引き起こす

フェヌグリークには様々な効果や作用がありますが、クマリンが含まれるため過剰摂取は肝毒性や腎毒性を引き起こす可能性があります。

キャットフードなどに使われる場合、ごく少量な量かつ加熱や乾燥などの調理工程を経るためクマリンは検出されませんが、フェヌグリークをそのまま与えると、どうしても摂取量が多くなり、クマリンの含有量も確認できないため、そのまま与えるのはやめましょう

まとめ

  • フェヌグリークは古くから薬や香辛料として利用されてきた
  • 消化促進や腸内環境を整える作用がある
  • 抗炎症作用や母乳分泌サポート、生殖機能向上など様々な効果あり
  • クマリンが含まれるため過剰摂取はNG

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2019年3月19日

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。