キャットフードの「○○味」は本当にその肉や魚が主原料?フレーバー表示の正しい見方

キャットフードの「○○味」は本当にその肉や魚が主原料?フレーバー表示の正しい見方

キャットフードを選ぶとき、「サーモン味」「チキン味」「まぐろ風味」と書かれていると、その肉や魚が主原料として多く使われているように感じるかもしれません。

しかし、表示上の「味」や「フレーバー」は、必ずしもその食材が主原料であることを意味しません。

本記事では、キャットフードのフレーバー表示の仕組みや、原材料順の見方、「香料」との関係、「○○味」の正しい読み解き方を整理します。

日本のキャットフード表示で多い「○○味」

日本の市販キャットフードでは、以下のような表現がよく使われています。

  • まぐろ味
  • サーモン味
  • チキン風味
  • かつお仕立て
  • 海鮮ミックス風味

これらは“商品の特徴”や“嗜好性”を伝えるための表現として使われていることが多く、必ずしも「主原料」を意味するものではありません。

実際、市販品ではパッケージ中央に大きくサーモンやまぐろの写真が載っていても、原材料欄を見ると最初に「穀類」「肉類(チキン等)」と書かれているケースがあります。

つまり、「表面の商品名」と「実際の原材料構成」は別に確認する必要があります

パッケージ裏面に隠れている“本当の中身”を見るポイント

原材料欄は“重量順”が基本

日本では、ペットフード安全法により、キャットフードには使用した原材料名を表示することが義務づけられています。つまり、パッケージには、そのフードに使われている肉類・魚類・穀類・油脂類などを記載する必要があります。

また、ペットフード公正取引協議会では、添加物を除く原材料について、一般的に重量割合の多い順に表示する例を示しています。

そのため、原材料欄の最初に書かれているものほど、重量割合が大きい傾向があります。

たとえば、「サーモン味」と書かれていても、

【原材料:肉類(チキンミール、ミートミール等)、穀類、油脂類、魚介類(サーモンエキス等)】

のような表示であれば、サーモン主体のフードとは言いにくいケースがあります。

もちろん、製品によって水分量や加工前重量も異なるため、単純比較はできません。しかし、どの原材料が主体か”を見るうえでは、原材料欄の順番は重要な参考になります

「香料」が使われているケースもある

日本のキャットフードでは、「香料」が使用されている製品もあります。キャットフードで香料が使用されている場合、「香料」として原材料欄に表示されるケースがあります

これは猫の嗜好性を高める目的で使われることがあり、魚や肉の香りを強調するために配合される場合があります。

たとえば、「サーモン味」と感じる理由が、

  • サーモンそのもの
  • サーモンオイル
  • サーモンエキス
  • 香料

のどれによるものなのかは、製品によって異なります。

そのため、「○○味=その肉や魚が大量に入っている」とは限りません。香料で使用されている場合は、原材料欄に「香料」と表示されるケースがあります。

特にドライフードでは、油脂やエキスを表面に吹き付けて嗜好性を高める加工も一般的に行われています。この場合、香りの印象は強くても、主原料自体は別の肉・魚類であることがあります。

食物アレルギー対策では特に注意

この“フレーバー表示”で特に注意が必要なのが、食物アレルギー対策です。

たとえば、「特定の食材を避けたい」「単一タンパクを探している」「除去食を意識している」という場合、「○○味」と書かれているだけで、その食材が主体のフードだと判断するのは危険です。

実際には、

  • 別の肉類や魚類が主体になっている
  • 動物性油脂やエキスで風味を付けている
  • 香料によって嗜好性を高めている
  • 複数のタンパク源が使用されている

といったケースもあります。

特に日本の一般市販フードでは、「○○味」という商品名だけで、単一タンパク製品かどうかまでは判断できません

また、原材料欄に「肉類」「魚介類」「動物性油脂」など、包括的な表記が使われている場合もあり、具体的な原料構成が分かりにくいことがあります。

除去食試験など、厳密な管理が必要なケースでは、商品名やパッケージ表面だけではなく、原材料全体や製造管理まで確認することが重要です。

必要に応じて、獣医師用療法食や、原材料管理が明確な製品が選択されることもあります。

知っておきたいAAFCOの“Flavor”ルール

こうした「○○味」の考え方は、日本独自というより、海外のペットフード表示ルールとも関係しています。

特にAAFCO(米国飼料検査官協会)では、“Flavor(風味)”表示について、「風味付けのためだけの成分を大量に含める必要はありません」という考え方が示されています。

つまり、“Flavor”表示は、「主原料」を意味するものではありません

日本の製品でも、海外基準を参考にした設計や輸入フードが多いため、この考え方を知っておくと、パッケージ表示をより正確に読み取れるようになります

まとめ

キャットフードの「○○味」は、その肉や魚が主原料であることを示す表示とは限りません。

日本の市販フードでは、

  • 香料
  • エキス
  • オイル
  • 少量配合

によって風味を出しているケースもあります。

そのため、本当に知るべきなのはパッケージ表面ではなく、裏面の原材料欄です。

特に、食物アレルギー対策に単一タンパクや原料を意識する場合は、「○○味」という名前だけで判断せず、実際に何が使われているかを確認することが重要です。

参考:原材料について(ペットフード公正取引協議会)
参考:ペットフード安全法に基づく必要表示事項について(ペットフード公正取引協議会)
参考:ペットフード安全法に関するQ&A
参考:How to Understand a Dog or Cat Food Label(AAFCO)